南白オフ使用構築(WCS2019ウルトラシーズン) グラゼルネ


皆さんこんにちは。
いろいろやることも多くてライボ入り竜舞バンギドリュウズに関しては何か書くと言いつつも全くやっていません。
今回はそれとは別件で南白オフに参加してきて7世代で初のオフ優勝を果たして流石にこれは書こうと思い立ち、その構築についての内容となります。
といっても、今回使用した構築は事前調整0でプランも全て脳内だけで組んだぶっつけ本番ものです。
今月シングル、ウルトラシーズン、WCS2018、サンシーズンのオフがそれぞれ別々にあり、調整のエネルギーを後者二つに回してたわけですね。
それでも、脳内プランの8割ぐらいは遂行できて、大方イメージ通りに動けていたのかなと思います。
(残2割は主にモロバレルに関する部分。後に記述)


・概要
6世代でのWCS2016ルールにて有名な構築だったグラゼルネをUSUMバージョンにしたような構築です。
実際、構築上特別変わったポケモンは採用していません。
自分がグラゼルネを運用する上での理念であった、ゼルネアスを通すために周りが全力を出すという考え方もそのままです(こちらの記事参照)。



・現行の対ゼルネプランの傾向と対処ルート
6世代とは異なりスキンや親子愛の倍率低下や疾風の翼弱体化により、マンダガルーラアローでゼルネアスを上から制圧するプランはかなり支持率が落ちました。
それにより、ナットレイクチートを駆使した鋼タイプによってゼルネアスを下から一撃突破するプランが主流になりました。
6世代では、これらがラムを持てる環境ではないことを利用してドーブルダークホールで隙を作って解決していましたが、7世代にはカプ・コケコがいる為、常に眠り状態にできるわけでもありません。
そこで、今回はグラードンを含めた2匹の炎タイプを駆使して、相手に先にカイオーガを出してもらうプランを採用することにしました。
鈍速の鋼タイプは単体でジオコン後のゼルネアスに勝つことが可能ですが、隣に炎タイプがいる場合、炎技とフェアリー技で返り討ちにあってしまいます。
6世代の時のように、この枠が耐久力に頼りなく下手したら炎技が採用されていないケースもあるファイアローであれば誤魔化すことも不可能ではなかったですが、7世代には高耐久力威嚇猫騙しとゼルネアスの隣に置くには全てを持ちすぎているガオガエンが存在します。
当然こんなポケモンを出されてしまえば、ゲンシカイオーガもセットで運用して大雨でフレアドライブを遮断するしかありません。
そのタイミングで、こちらはグラードンを後出しすることで、打点を失ったカイオーガ+鋼タイプに対して簡単にグラードンが盤面を制圧することが可能になります。
当然オーガを出さないまま戦ってしまえばガオガエン+ゼルネアスに制圧されるだけですし、このグラードンで制圧しているボードを作ってしまえば、ジオコンしてハーブを失ったゼルネアスを下げる事態に陥っても十分なアドバンテージを取ることが可能になります。
このアドバンテージがあまりにも大きいことが多いため、理念としてはゼルネアスを通すがメインなのですが、実態としてはゼルネアスを餌にしてグラードンで制圧するというプランが表に出てくることもあります。



・6世代から続投した2匹のメガ枠
ガルーラもボーマンダも、6世代のグラゼルネで採用候補筆頭のメガシンカポケモンでありましたが、7世代でも続投して採用しています。
グラードンとゼルネアスのダメージを与える流れというものが、基本的に相手のポケモンを4割〜7割程度をばらまきながら削り取る性質があり、相手の残3〜6割をしっかり削り取れる隣のポケモンがいることで、ゲームテンポを取ることができます。
メガシンカ枠の中で、ありとあらゆる伝ポケに対してでもこの打点を実現できるのが現行でもメガガルーラメガボーマンダが筆頭となった上でグラゼルネの行動を担保する威嚇と猫騙しをそれぞれ使える為、打点が落ちて単体の縛り範囲が狭まったことを考慮しても採用しています。
2匹の選出基準も6世代の時と変化がなく、原則的にはガルーラを出していき、レックウザと遭遇したらボーマンダを出していきます。
6世代と比較すると、猫騙しと威嚇という両方のサポート性質を持ったガオガエンというポケモンを採用している為、7世代の時と異なりどちらかが欠けることもなくなりました。
さらにはガルーラと同時選出した場合は猫騙しが複数枠になるため連続猫騙しでターン稼ぎやテンポ取り、ボーマンダと同時選出した場合は威嚇持ちをグルグル回すことができるようになるため、対象となっているレックウザやその隣にいる可能性が高いクチートの火力を簡単に削ぐことができるようになりました。


・個別解説


ゼルネアス
実数値 223-*-116-161-116-166
火力
C2段階のムーンフォースで207-111グラードン約98%で2発(ダメージ乱数最低乱数以外半分越え)
物理耐久
232レックウザの珠ガリョウテンセイ耐え
特殊耐久
147カプ・コケコのフィールド175デンキZ耐え

構築の軸。
技に関してはジオコンゼルネアスはフェアリー技だけで必要な攻撃力が担保されている(計算結果通りステータスが高い上に抵抗のグラードンを半分削り取る力がある)、鋼タイプの梅雨払いは周りに任せているという説明でこの4つが全て説明できてしまうのでこれぐらいにして重要なのは数値設定ですね。
といっても、原則は6世代の時と同じく自分より速い打点に対して行動保証を取ることが基本なのは変わらず、7世代ではその対象がカプ・コケコとレックウザである為にこの設定値になったといった所です(6世代時はガルーラの捨身タックル+不意打ちに対応できるようにしていた)。
一応ここより上の次元の火力としてウルトラネクロズマ天焦がす滅亡の光なんてものもありますが、ウルトラバーストしてZ技を使うまでにタイムラグがあるので、数値で対応するよりはバーストするまでの過程でジオコンを押したり物理まで考慮するならば威嚇で火力を下げるプランが賢明だと判断しました。
素早さを落とす選択肢もゼルネアスにはありますが、グラゼルネは相手のゼルネアスは隣で半分削ってもう半分は自分のゼルネアスで削るルートがとても多く、同族の素早さ勝負がとても重要になる為、最速から削りたくないです。
また、7世代においては特性の発動順番の関係でテテフのこだわりスカーフのチェッカーにもなってくれるので、相手の初手テテフに対してプランを立てやすくなるのも大きいです。



グラードン
実数値 175-180-180-202-111-156
火力
75%晴れ噴火で170-111ボーマンダ2発
75%晴れ噴火で167-116ゲンガー乱数下2二つ以外で1発
75%晴れ噴火で146-136カプ・テテフ乱数下3つ以外で1発

自分はグラゼルネとしてグラードンを運用するときは噴火採用の特殊を使うことが多いです。
その理由としては、プランの中で出てくるオーガ+鋼に対しての制圧の話であるようにグラードンが本質的にやりことは鋼タイプの処理なので、それを威嚇や命中率など一切依存せずに安定して行えるのが噴火である為です。
また、ゼルネアス同様グラードンも同種同士の殴り合いが多く、グラゼルネではグラードンで相手のグラードンを突破しやすい型を採用することがとても重要なので、大地の力の重要性も上がってきます。
従って、グラードンは断崖を無振りで耐える、同種のS勝負で絶対負けたくない、大地の力で限界まで縛れる範囲を増やしたいという3点から、CもSも一切切ることができずCS振りの採用となっております。
相手がグラードン採用の場合、スタートもグラードンからである場合が多く隣にガルーラを置くことがとても多いため、そこで威嚇をもらってもグラードンの打点は下がらないという点も無視できない点です。
技は噴火と大地の力は上記の説明の通りですが、これらだけではカイオーガやジオコン後のゼルネアスを押すのにとても時間がかかる為、断崖の剣も採用しています。


ガルーラ
実数値 181-147-100-*-100-156(メガ前) 181-177-120-+-120-167
火力
親子愛捨て身タックルで145−106カプ・コケコが約92%で落ちる

採用理由は概要で書いた通りです。
このガルーラの数値設定ですが、グラードンやゼルネアスの素早さを最速に設定している理由を見て分かるように95族より下のポケモンは極力上から殴りかかってダメージレースを制するという考え方をメインにしています。
従って、相手のジオコン前ゼルネアスに対してこちらの状況に依存なく(ガルーラのHPが削れている等)半分は削りに行くという行為を問題なく行うためには最速にする必要があり、素早さは最速を維持することにしました。
そして、猫騙しにかなり頼っている構築なので、猫騙しを遮断され上をとるスカーフカプ・テテフには行動を2回以上されたくなく、最速を維持してカプ・テテフを一撃で落とせるのは捨身タックルだけなので技には捨て身タックルを採用しました。
では、最速を維持した上でAがいくつあれば困らないのかという話ですが、実際問題攻撃は164あればカプ・テテフを処理するという最低限の仕事ができる為残りを耐久に回すことができます。
そして、耐久に回すとC実数202グラ―ドンの75%噴火を耐えたり、C実数189ルナアーラサイコキネシスを2発耐えられるようになりますが、問題はその数値の有益性です。
基本的に対象に対して上から受けて攻撃するガオガエンなんかは、フレアドライブを採用していてもこういう数値設定が生きやすいですがこのガルーラが設定しているその対象は基本的にガルーラで上をとることができるわけです。
しかも、ガルーラは猫騙し以外で攻撃する場合ほとんど捨て身タックルを使用する為、ほぼ間違いなく想定の攻撃を被弾する前にHPが削れているので想定通りに耐えることはほぼないです。
つまりは、半端に設定してもどう生きるのかとても見えにくく、それならば本来のコンセプトの半分削るという仕事の適応範囲を増やすべきだと判断してAS振りとなりました。
サブの攻撃技に関しては、ワイドガードグラードンとゼルネアスの攻撃両方を遮断してくるルナアーラを迅速処理するためにかみ砕くを採用しました。
初手対面だと、肝っ玉猫騙しでファントムガードを剥がしてそのままかみ砕くで縛るという動きが可能なので、ルナアーラに対してストレスなく立ち回ることが可能です。
守るに関しては、構築全体で数値が素早さ優先のポケモンが多く、追い風やトリックルームのターン稼ぎを行う際にとてもピーキーな耐久を晒すこともあるため、安全に逃げるために切らずに採用しました。


ボーマンダ
実数値 170-156-90-162-100-167(メガ前) 170-166-135-172-110-189(メガ)
火力
A
捨て身タックルで207-136カイオーガ(233カミツルギリーフブレードを耐える程度の耐久 ※仮想敵として想定してるオーガの参考耐久値)乱数下4つ以外で2発
捨て身タックルで145−96カプ・テテフ乱数下3つ以外で1発
C
75%スキンハイパーボイスで207-111グラードン3発

概要の通り、主にレックウザを狙い撃ちするために出すポケモンです。
といってもこのボーマンダ数値設定も技もなかなかに問題だらけです。
まず技構成に関してレックウザ・・つまりは大体の場合はオーガレックを対象として出しに行くことになる為、レックウザを縛る流星群とカイオーガを半分削る捨身タックルは採用する必要が出てきます。
しかし、ハイパーボイスに関しては、脳内の理論では例外としてグラードンに出すというシチュエーションが如何ほどにあるかが想定できず採用してしまうことになった技で実際は一度もグラードンの前に出して使うことがなかったので明らかに不要でした。
この枠は相手の追い風を返すための追い風や身代わり等が正解だったように感じます。
努力値配分もグラードンに対して圧力がかかっているという状況を限界まで作るためにCを一切切らずに振り切ってました(上記の207-111グラードンに関しては実数166で実現しているが、想定ではこれより固いグラードンも考慮していた)。
しかし、当然ハイボ自体が不要となるととくこうは流星群でレックウザさえ処理できればよくなるため、そこまでを担保し残りは火力に振るべきでした。
BとDどちらかと落とすかも悩ましい所ですが、蓄積ダメージを考えたときこのマンダのプランだとカイオーガの水技+レックウザの神速というパターンが想像されます。
物理攻撃A+特殊攻撃Bの蓄積ダメージは計算の考え方に足し算が絡んでくる関係上、増えるダメージの数値は小さい方が良いため、打点が小さいレックウザの神速の火力を多く受けた方が合計ダメージが下がるということで、せっかちで採用しました。


ガオガエン
実数値 201-149-111-*-140-83


ガオガエンという種族の採用に関しては、概要の対鋼プランを筆頭としてとても素晴らしいものでした。
さて、ここからは実数値に関しては紹介するのも大変申し訳ないぐらいに酷いいわゆる使いまわし個体のポケモンを紹介することになってしまいます。
このガオガエン勘の良い方ならわかると思うのですが、255カイオーガの75%根源の波動をチョッキ込で耐える数値、つまりは突撃チョッキまたはバークアウトの採用を想定した個体です。
しかし、一番最初に書いた通りウルトラシーズンのルールは脳内理論だけで構築組んだぐらいには優先度を下げたルールで、ガオガエンの採用を決めたのがあまりにも直前で計算も育成もする時間がない状況だったわけですね。
ボックス内にD.D.ラリアットを取得していて且素早さが84を切っているガオガエンがこれだけだった、ウルトラシーズンでチョッキに頼らないガエンの特殊耐久値を何も計算できていないという2点から念の為にこのDを持って採用する形となりました。
ただ実態は、このガオガエン火力がフレアドライブでギリギリ黄昏ネクロズマ2発にできる程度の火力しかなく、ルナアーラカプ・テテフハイパーダーククラッシャーを与える分には問題ないですが、ゼルネアスのマジカルシャインとセットでZ打ってもクロバットにミリ耐えされる、ゼルネアスに対してフレアドライブを打っても必要な火力を微妙に満たしていないという点で火力に問題だらけでしたのでもっと振る必要があり、今後の要計算項目としています。
ただし、素早さを84以下にするという発想は想定通りで、トリル中のカイオーガに対して先にとんぼしてグラードンを出すシチュエーションが実際に起こった為正解でした。
技に関しては、まさにWCS2018ルールのガオガエンのテンプレートの叩きがラリアットになった形といった所です。
フレアドライブに関してはメインの仕事の鋼の処理は勿論ですが、グラードン後投げの時に火力が簡単にブーストされるので、クチートの威嚇1回を乗り換えて突破したり、ゼルネアスに高い圧力をかけることに期待できます。
そしてこの構築は何度も書いた通り基本的に相手のポケモンを半分以上削るシステムが欲しいため、ガエンが最もそれを実行しやすい悪タイプの技でZを採用してその用途でも使いやすくしています。
蜻蛉の用途はさっき書いた通りグラードンの円滑な着地を目指した技ですが、WCS2018ルールと比べて着地するだけですごいパフォーマンスで仕事するポケモンがこのルールには存在する為、より価値の高いものであると感じました。



モロバレル
実数値 221-*-91-105-145-31

この構築は脳内理論の8割は想像どおりだったと最初に書きました。
じゃあ残り2割はどこが不安定だったのかというとこのモロバレルそのものがそれにあたるわけですね。
まずこのモロバレルの採用理由自体が、あまりに露骨なカイオーガグラードンのトリパを引いて実際その流れを避けようがない場合、一番無理なく誤魔化しが効くポケモンを考えた所モロバレルというポケモンしか思いつかなかったというあまりにもふわふわした採用理由となっています。
なので、具体的な運用プランが唯一決まっておらず、予選でも一度もプレイしないまま決勝トーナメントに進むことになってしました。
しかし、決勝T2回戦でトリルと分かっている相手を引きプレイ、そして決勝ではまさにその対象であるグラードンカイオーガ両方が入ってしかもミミッキュというあからさまなポケモンまで入ってる構築を引き、結局一番大事な決勝戦でプランが何もないまま勇気を出して選出して結果的に活躍して優勝するという流れがありました。
持ち物に関しては、上述の通りトリル中のグラードンと戦うことも考えており、炎技1回被弾でも動ける状況を担保したかった為、オッカを採用しています。
元々はサンシーズンで使用しているモロバレルを引っ張ってきた(202カイオーガの冷凍ビームを2発耐えることができる)もので、Dに特化した具体的な対象がいるわけではないのですが、トリル中のカイオーガにマウントを取られるとどうしようもないことからとりあえず水技食らっても生き残ってくれという魂胆で引っ張り出しましたが、実態はグラードンの断崖をある程度余力と持って耐えたり、オッカ込で耐える炎のパンチの許容HPを広げるためにある程度Bも振る必要があったのが本音です。
技に関しては草結びもきっちり機能し、トリル系に切れた後用のゼルネアスを採用しているパターンもある関係でクリアスモッグもプレイの可能性があるシチュエーションがあった為、現行は問題ないようでした。
ただしクリアスモッグは回数重ねて不要だと判断されれば、抜けるかもしれません。


最後に

今回の構築後半2匹は酷いとしか言いようがない個体を使用した上で、しかも実験0という形で挑んだわけですが、なんとこれで50人規模のオフで優勝してしまったわけですね。
といっても、実際理詰めでそこそこ程度の結果がでるといった状況自体は夜空オフでも経験しており、プランレベルでちゃんと考えることができるのであればこういうことも不可能ではないと実感することができました。
といっても調整をサボるという話でもなく、調整する前にプランレベルでここまで考えれば初感もよくなりやすいというぐらいに留めたいと思っている為、この理詰めフェーズはより大事にしていきたいと感じました。