今回の記事はパーティではなくまもみが残飯ドラパルト単体にフォーカスを当てた話です。
シーズン6の間ずっとこのまもみが残飯ドラパルトを使っておりましたが、長いこと調整した割には大きな成果を得られずこれ以上をこのドラパルトを詰める時間は割けないということで、ここまで考えた中身をまとめることにしました。
ブログのトップに貼っているパーティをベースにした話をするとは言え、これ自体はあくまで現時点での一番完成度が高い構築に過ぎず、結論としているわけではありません。
■ドラパルトの単体ステータス
ドラパルト単体の話なので、まず単体のステータスだけは軽く紹介します。
火力
130祟り目で197-101ウインディ2発
130祟り目で157-128ロトム2発
物理耐久
ドリュウズの珠130ダイアース耐え(+砂は50%で耐え)
211ローブシンの珠鉄の拳冷凍パンチ75%で耐え
特殊耐久
161リザードンの珠130ダイジェット耐え
S
指標は書いてますが実態は優先的に物理耐久と素早さを決めて残りを火力に割いたという感じで実際問題は火力はとれるだけ欲しいです。
物理耐久はドリュウズの前で強気で鬼火を押せるステータスという指標で実態はもう少し落としてもいい気はします。
素早さはリベロエースバーンが来る前の設定値だったのでアイアントまでしか見ていませんが、今使うならば落とした物理耐久を素早さに振ってしまうのが正解だと思います。
■ダブルにおける電磁波まもみが残飯戦術
この戦術はダブルバトルにおいて第4世代のDP後期からクレセリア+サンダーの形で普及した大変古い歴史を持った戦術です。
5世代中期以降は電磁波の撒き役がクレセリアからボルトロスへと移行し、6世代ではまもみが残飯する役がギルガルドに変わったりと時期によってポケモンの種族も切り替わっていきました。
自分も4世代~5世代はクレセリア+サンダー、前回紹介したユキトドグライオン、6世代においてはギルガルドニャオニクス、もっと古い所までたどれば第3世代の時クロバット+サンダーと7世代以外はその戦術が組み込まれた構築を使っていました。
ただ流石に7世代は麻痺の仕様変更と悪戯電磁波を封殺するカプ・テテフ、そもそも麻痺自体を封殺するカプ・レヒレとそもそも課題が多すぎて組めていません。
8世代においてはメイカー持ちが性能が極端に高くないイエッサンとそもそもミストメイカーが採用されないガラルマタドガスしかいないので戦術を通す余地があると考えて、組み始めました。
■まもみが残飯ドラパルト単体の強み
このまもみが残飯戦術をドラパルトにやらせることには大きく二つのメリットがあります。
1.ダイマックス技の能力下降効果を受け付けない
環境とかそれ以前に仕様面の観点でのメリットですね。
ダイマックス技の追加効果は身代わりを無視する仕様があるので、過去世代と比べて格段に身代わりの中身に干渉されすくなっています。
なので、ダイマックス技のステータス減少を受けないポケモンであることを条件にしていました。
つまりはクリアボディ白い煙ミラーアーマー持ちを条件をして探していたわけですが、耐性とステータス両面で考慮してドラパルトが一番条件に合致しました。
2.鉄壁ボディプレスナットレイととぐろミロカロスに身代わりを壊されない
こちらは環境視点で見たメリットです。
剣盾で強力な詰ませ性能を持ったこの2匹ですが、まもみがドラパルトはタイマンにまで持ち込んだ時逆にこれらを詰ませに行けます。
対ナットレイは宿り木持ちは身代わりに一切干渉できない且再生回復がないので極端に時間不足でない限り勝ちが確定します。ジャイロ持ちだったとしても鬼火でナットレイ側の打点が足りなくなるので負けはありません。
対ミロカロスは最終的には相手が時間切れを狙って再生されることが多いですが、火傷ダメでターン終了時のHPを最大190しか確保できない関係でドラパのHPをマックスで維持して勝ちを狙うことができ、これが基本ルートとなります。
再生や催眠に合わせて身代わりを張れれば祟り目を連打できる体勢に入れるので勝率が上がります。
ただし、タイマンになった段階でドラパルトのHPが消費しすぎていると回復しきる前に時間切れで負けになるので勝てるかはHP次第になり、本当に勝ち確定の対ナットレイと比べると少し難しいです。
■まもみが+電磁波戦術のポケモン要件
これは、世代関係なくこの戦術を行う上での基本的なルールです。
麻痺が入らないポケモンに対してまもみが残飯ポケモン+麻痺撒き役の組み合わせで処理ができるまたはこちらが長時間居座ることができるというのが条件になります。
8世代ではこの麻痺が入らないポケモンにロトムとドリュウズが該当し、ドラパルト目線だとドリュウズは鬼火で対応できますがロトムが悪の波動及びダイアーク連打で押し切られてしまうことが多く横がロトムに弱いと好き放題されます。
上記構築では麻痺役にアイアントを採用することで、ドリュウズとの殴り合いに強い電磁波持ち、ロトムに対しても大ダメージを与えて且ダイワームでCを下げることができるという点で上記2点の問題を解決しています。
また、ドラパルトにとって処理が大変で且致命傷を貰いやすい相手のトゲキッスを高速処理できるので、ドラパルトが身代わり以外のアクションができないターンを少なくできます。
オーロンゲはこの条件を満たしていませんが、単純に悪戯心電磁波という高い信頼性を持った麻痺役、それによりアイアントでは対応しきれないドラパルトに対して安全に麻痺を入れられるポケモンとし2段構えでの採用となっています。
■ダイマックス候補の要件
今回ダイマ候補に絶対欲しい条件がダイマックスリザードンに強いことでした。
この条件自体はそもそもキョダイリザードンのポケモンパワーが高いので剣盾でパーティを作る上で重要な要件となりますが、この構築はドラパルト自体がダイマックスができない型になっていることがその重要性を上げています。
というのも、リザードンに強いダイマ枠という要件自体が普通の型のドラパルトが該当するのに、この構築にはドラパルトという種族であって実態がドラパルトではないポケモンがいるので必然的に一番採用しやすい答えを選択しにくくなっているわけですね。
その候補としてギャラドスとバンギラスが候補となりましたが、現状ピッピが絡んだドラパルト等にも勝てるバンギラスが最終的に採用となりました。
■現状の課題点
1.対ニンフィアに対する致命的課題
ニンフィアはハイパーボイスで身代わりを貫通して攻撃できるので、ハイパーボイスで中身が一撃で倒されてしまう身代わりドラパルトにとってはコンセプトの根本が否定されています。
上記構築は素早さ操作をしてこないのならばアイアントやバンギラスで誤魔化せますが、エルフーンの追い風から裏からニンフィアの流れを組まれると基本的に対応不可能になってしまうので極端にニンフィアに強いポケモンが1スロット分欲しくなっています。
2.半端な素早さになりやすい問題を完全解決できているのかという疑問
7世代から麻痺のS減少率が1/2になったことで麻痺の恩恵を生かすためにS実数値85~170付近のポケモンを中心に採用する必要があるという事実が存在します。
しかも追い風トリルダイジェットと比べて極端な即効性があるわけでもありません。
そしてこの素早さはトリックルームされた後制圧されやすくて且追い風された相手を抜ききれない速度でもあるので、追い風トリックルーム両方を突破するのに骨が折れるS実数値になってるわけですね。
今は麻痺の恩恵を度外視して極端に遅いサマヨールを1匹採用してトリルへの切り替えしまたは追い風やダイジェットに追いつけなさそうだったらこっちで戦うというプランをとっていますが、動きが振り切れないポケモンでやっているので無理が生じるシチュエーションも少なくないです。
■経緯
ここに行き着くまでの構築自体の経緯ですね。
構築紹介記事ならこの項目はつけないのですが今回は単体の戦術に対する記事なので書いていきます。
1.ギャラドスベース
ギャラドスをベースとした構築フォーマットにまもみが残飯ドラパルトを突っ込んだ形となります。
これはまだまもみが残飯ドラパルトを使いたいという構想だけあって、上のダイマ候補すら決まっていない時代に作った初期型でじぇらーるさんのギャラドスの構築をコピーして試していた時に上記の要件の対リザードン性能が高いダイマポケモンであることに気づいて弄って作ったものとなります。
実際それ以外の理由としても、ライチュウが行えるサポートがドラパルト目線でもほっすりがかみ合ってること、ギャラドスが苦手なポケモンという観点だと鉄壁プレスナットレイに絶対的な強さを持ったポケモンが採用されているという両方の事実がかみ合っており脳内ではかなり期待値高めでした。
元々のギャラドスの戦術が強いのでこの構築が弱かったわけではないのですが、バンギラスドリュウズをはじめとしてギャラとドラパが単体レベルだと共通して対処が面倒なポケモンを相手するのが案外大変だったこと、ライチュウが麻痺が入らないポケモンの処理ができなくて電磁波まもみがの麻痺巻き役としては課題が多いことから結論にする気は起きませんでした。
2.ギャラドスベース2
最初のギャラドスベースをもう少しドラパルトに寄せた形になります。
ギャラドスはドラパルトのためにダイマックスしてもらうという側面を強くするために相手を削る速度を上げる、特に手助けダイストリームでダイマバンギラスを貫通させられる可能性がある珠に変更しました。
唯一ドラパルトの型が異なってる構築でもあり、打点が状態異常に依存しにくくて且トゲキッスの処理速度も上げるためにこの構築だけはドラパルトの型を鬼火祟り目ではなくシャドーボール+10万ボルトにしました。
また、ライチュウからトゲデマルに変更することでバンギの砂で襷が壊れなくなり、麻痺まできっちり撒いてもらうことやアイアンヘッドでバンギラスもある程度削ってもらう等よりドラパ向けの麻痺まばらき役のサポートに変貌しました。
ただそれでもロトムとドリュウズを止められない問題は何も解決してないですし、そもそもギャラも少し対処しやすくなっただけでバンギラスドリュウズの処理が大変なのは変わらず根本的な課題は残ったままで勝率は1の構築とそこまで変わりません。
そもそもギャラドス自体動かすためには結構な盤面の準備が必要なのに、ドラパルトのためにも頑張ってもらうということに無理を感じて、ギャラドスはこういうドラパルトを入れずに単体で考えた方が強い構築ができそうという考えになってきました。
3.バンドリドラパキッスベース
何も難しいことはなく普通のバンドリドラパキッスのドラパをまもみが残飯にしただけです。
元々バンドリドラパキッスのドラパはダイマックス依存度が低めな構造をしているのでこのようなダイマできないドラパルトを採用しやすいと考えたことや、ドラパ目線でのダイマ枠への要求であるリザードンに強いを自然と満たしていることから試していました。
流石にベースがベースなだけに最初回してた時はかなり勝ってたんですが、このドラパはロトムに弱いドラパであるという事実がミラーでものすごく響くことになり、相手のロトムをこっちのロトムかバンギラスで処理できなければ負けというゲームが多発することに気づきました。
これでは普通のドラパルトを使った方が最終的な勝率が高いですし、まもみが残飯ドラパルトを使う際の麻痺の撒き役条件を本格的に考え始めたのがこの後です。
ここにきてようやくまもみが電磁波の要件に沿ったポケモンの採用が始まりました。
アイアントの採用理由は要件の項目に書いた通り、今の構築と違う点はサザンドラとトゲキッスの存在でしょうか。
両方ともドラパルトを大きく意識した採用となっており、サザンドラは控え目CS振り切りなので無振りのドラパルトならダイマしてても乱数で突破できる且圧倒的にロトムに強いドラゴンであること、トゲキッスも敵のドラパルトの攻撃を引き付けて且電磁波を入れにいけるポケモンとしての採用となっております。
地味にバンドリ相手にサザンで蜻蛉してドラパに繋げながらアイアントでダイスチルすればドラパへのドリュの被ダメを防ぎながらBを上げるという小技もあります。
今までの構築と比べると格段に電磁波を入れる能力が上がっておりドラパルトの祟り目も腐りにくくなったのですが、トゲキッスが消費しすぎた後に出てきたドラパルトを抑えきれなかったことや鋼技がよく一貫するのでアイアントの隣がドリュウズで縛られていた場合にどうしようもなくなることがたまにあったという課題も見られました。
これが最終的にオーロンゲが入りキッスとドラパやりたいことが圧縮されたことでロトムを採用する余裕が生まれ今の形になりました。
■最後に
前回の記事でも書いた通り、このまもみが残飯戦術は自分の中でもかなり好きな戦術の中の一つでしたが、基本的に麻痺自体が弱体化してる戦術なのでかなり苦労して調整していました。
一応ランクマッチの順位だけなら最終日以前の段階でこれ調整してる時にメインサブ両方40位以上とかなりの高順位を維持していましたが、よくわからないけどなんか勝ってるという状態が多く続き疑念が募るなか後々メッキが剥がれてきたように感じました。
解決案だけなら脳内にいくらでもあって時間さえあれば試す気もあるんですけど、結局時間は有限であり過去にも似たような状態で調整をし続けてよい結果を生んだことがなかったので一定の区切りをつけて諦めることにしました。