自分の考えるレギュレーションF

JCS予選2回目も終わりました。

レギュレーションFもだいぶ実態が見えてきたように思え、私も2回目の予選でJCSの予選を突破することができました。

 

このルールは強い構築が多様に存在するルールで一枚岩ではないので、まだまだ環境が変化していくこととは思いますが、2回目で使用した予選構築の記事を上げる際に現段階での自分が考えるレギュレーションF自体の考察記事を前置きとして記載することにしました。

 

今回は、珍しくもTier表を作ったので、それをベースに話をしていこうと思います。

 

1.Tier表と評価基準

 

基本的に左にいるポケモンの方が高く評価しています
また、一部タケルライコやハバタクカミ等の型によって評価値が変わるポケモンは別々に評価しています。
型によって評価が大きく変わらないポケモン(例:チョッキガエンとオボンガエン)は原則一括していますが、ヘイラッシャのみはシャリタツの有無で実質別のポケモンであるため、結果的に同じランク内にいても別個にしています。

 

基本的にポケモンの評価は汎用性対面脅威度の2点を大きな評価基準としています。

汎用性は自分の構築への組み込みやすさ、対面脅威度は相手に使われた時の対処難易度の高さを評価した要素です。

当然両方高いポケモンが一番強いと評価しているわけで、Sランクのポケモンはすべからく両方持っているわけですが、汎用性と対面脅威度どちらか極端に寄ったポケモン同士を比較する場合は基本的に汎用性の方を高く評価しています。

なので、Aランクには汎用性の高いポケモンが多く集まり、Bランクは対面脅威度の高いポケモンが多く集まっています。

といってもAランクは汎用性のみを評価したわけでもなく、例えば両方Aランクにいる竈オーガポンと井戸オーガポンにおいて、前者は汎用性よりも対面脅威度の比重が高く後者は汎用性の比重を高くした上で評価していており、対面脅威度との総合値で選ばれたポケモンも多数存在します。

また、汎用性も防御面だけを考慮したものではなく攻撃面の流れへの組み込みやすさも考慮しており、トルネロスは攻める方針になった時に追い風プランとして組み込みやすいことから攻めの汎用性が高いポケモンとして評価しています。

 

各ランクの考え方は以下となっています。
S→汎用性と対面脅威度両方を持つ
A→高い汎用性を持つポケモン
B→高い対面脅威度を持つポケモン
C→Aよりも一段劣る汎用性or脅威度は高いがBよりは絶対数が少ないまたは局所的な対策を差し込むことで対応可能なポケモン
D→局所的な需要で採用できるポケモン
E→汎用性皆無だが一定を超える脅威度がある

 

 

2.数多の高い脅威度を持つ構築

これはレギュレーションFで対戦している皆感じていることだとは思いますが、レギュレーションFは強いアーキタイプそのものが大変多いです。

特にこの表のBとCにそれがよく表れており、これらをA以上のポケモンと組み合わせることで戦術方針も弱点もばらならな多様な構築を作り上げることができます。
また、最近頭角を現してきた雪を筆頭に、局所的な対策を組み込むことに成功したら止めるのは簡単だけどその余裕がないが故にマークが甘くなる構築も存在して、今強いと感じている構築もいつ想定していない穴を突かれるかわからない状態となっています。
レギュレーションFで本気で勝ちに行く構築を作る際は、軸として決めたポケモンが幅広いアーキタイプに対応できることがとても重要となります。


2.レギュFの4強(5強)ポケモン

では、そんな多様な構築が存在する環境で自分が高く評価しているポケモンとは何なのかいうとまさにこのTier表のランクSに上げた瞑想タケルライコ、眼鏡ハバタクカミ、パオジアン、ウーラオス(水悪両方)の4匹(5匹)となっています。(以下これらを4強)

ライコとカミは型を指定したランク付けとなっていますが、チョッキやブーストエナジーを持った型は汎用性特化の型となっている為、高い対面脅威度も併せ持つ瞑想と眼鏡は飛びぬけて強い型だと評価しています。

といってもそれぞれ評価した要因が個別に異なるので別々に評価要因を紹介します。

 

瞑想タケルライコ

4強の中では最も対面脅威度が高いポケモンだと思っていて、瞑想を積み切った状態を完成させたときはレギュレーションF最強のポケモンだと思っています。

瞑想をするためには炎タイプの威嚇とゴリランダーの助力が必要である為、他の4強と比べると補助が必要ではありますが、それでも瞑想ライコが勝つことができる環境中のアーキタイプが大変多く、多少の相性不利ぐらいなら軽くひっくり返す力があります。アーキタイプと相性関係の話については今回使った構築が瞑想ライコ軸なので、構築紹介の際にもう少し深く触れようと思っています。
このポケモンが飛びぬけて高いパワーを持っていることは皆認知しているが故にフェアリーテラス、瞑想に対して後出しじゃんけんができるアンコール、展開を鈍らせるバークアウト等の多方面から自慢のライコ対策が飛んでくる事態にはなっていますが、それを考慮しても動きで突破する方法も存在して抜きんでた制圧力を持ったポケモンです。

 

眼鏡ハバタクカミ
ハバタクカミと言うポケモンが参戦してからずっと存在するハバタクカミ最強の型です。
レギュレーションFに限らず常に眼鏡ハバタクカミは環境のTier1ポケモンとして君臨して、特殊耐久の指標として眼鏡テラスムーンフォースを耐えるようにするというのを標準で押し付ける要素となっている5世代のラティオスや7世代のカプ・コケコのポジションを勝ち取ったポケモンです。
眼鏡ハバタクカミの他の4強と比べた最大の強さは脅威を押し付ける即効性です。
元々のタイプと素早さに起因した行動保証のとりやすさも含めて、対面で有利をとればその瞬間無効タイプが存在しない超高火力のフェアリー技を単体攻撃全体攻撃好きな形で押し付けることができるので、耐久設定や選出が悪いと一瞬でゲームを終わらせる力があります。

脅威に対して単純パワーで解決する力も高く、鉄壁ボディプレス系の物理耐久変重ポケモンを突破するキーになったり、合体ヘイラッシャに対して上をとって眼鏡テラスムーンフォースで5割削る力があるので、他のポケモンが小技で対応しなければならない相手に対して力で解決することができます。


パオジアン

これもレギュレーションCで解禁されて以来常にパオジアン+カイリューの高火力先制攻撃で高い脅威度を与えてきたポケモンですが、パオジアン単体最大の特徴は脅威への高い解決能力です。

パオジアンの持つ高い素早さ+先制攻撃+聖なる剣の組み合わせは構築で理論上解決できない相手を大幅に減らすことができます。

特に聖なる剣の存在がとても大きく、パオジアンを使う以上物理に変重しやすくなる関係で突破が難しくなる鉄壁ボディプレス、ブリジュラス、合体ヘイラッシャ等を理論上解決する力があります。
高い素早さ+先制攻撃という組み合わせに対しても追い風系構築に対して残り1~2ターンを逃げる際にとても重要な要素であり、襷パオジアンはこれらに対して高いカウンター性能を持っています。

脅威での解決能力だけに特化するならばのちに紹介するゴリランダーもほぼ同格ではあるのですが、パオジアンは特性によって味方も含めた全体火力を引き上げていて最初に書いたパオカイリューを筆頭にした脅威度の高い動きを多く実現している為、Aランクで止まったゴリランダーより一つ上の次元にいるポケモンだと思っています。

ちなみに上記のパオジアンの強みを生かす上では気合の襷が一番噛み合っているアイテムではありますが、威嚇を筆頭にしたパオジアンを返す要素をさらに返せるクリアチャームを持っていてもある程度は実現できるので、襷とクリアチャームは同格で評価しています。

 

ウーラオス

恐らく4強の中でもっとも理不尽な性能をしたポケモンでしょう。
悪も水も本質的に評価しているのは確定急所による実質的な威嚇無効と守る無効が大きく起因しているので、道具やタイプによる評価差はありません。

脅威の与え方の本質部分はハバタクカミに近い所があり、ウーラオスも有利対面を作ると止めるのが大変困難になるため、タイプの都合でハバタクカミと比べて行動制限がかかりやすい代わりに止めにくさが上がったポケモンだと言えます。

ウーラオスの他の4強と比較した強さは眼鏡カミを超える即効性のある制圧力を持った上でタイプ的な補完に優れている点だと言えます。

悪は一貫を止める必要があるワイドフォースへの解決や物理だとほぼウーラオスしかできない耐え調整がほとんどできないレベルの高火力悪タイプによるリキキリンやクレセリアトリックルーム起動を止める力等、悪タイプに求められている要素を高い水準で実行できますし、水も相性補完に優れているタイプなので構築に組み込みやすいです。

水弱点に強い威嚇持ちが多い関係で水流連打が威嚇を無視している点も水タイプとしての仕事遂行能力は他より高いと言えます。

 

3.ランクAの高い補完ポケモン

最初に描いた通り、汎用性>対面脅威度の評価点としているのでランクAには高い補完性能を持ったポケモンを多数選定しています。

 

その中で特に抜きんでいているのがゴリランダーだと思っていてこのポケモンは脅威度の高いポケモンに対して強く汎用性が高いポケモンに止められやすいという特徴を持っています。

分かりやすいのがSランク組の中でもグラススライダーやチョッキを全て駆使してテラスなしで明確に対面負けを起こすのはパオジアンだけですし、そのパオジアンもHP次第ではグラススライダーで縛られてしまいます。

Bランク帯のポケモンの中でも突破力が高い合体ヘイラッシャ、ガチグマには強く何もよりもグラスフィールドという悪タイプに頼らないワイドフォース対策を持っています。

逆にゴリランダーが苦手なポケモンはAランクにいるガオガエンモロバレルトルネロスなどの瞬間パワーではなく補完性能に優れたポケモンが目立ちます。つまりはゴリランダーが苦手な相手は脅威度が低めであることが多く他で対策が間に合いやすいです。

ゴリランダー自体もサイクルも前のめりな動きも両方できるハイブリッドポケモンである為、構築への組み込みやすさは頭一つ抜けていると思っています。

 

また、Aランクポケモンの中でもう一つ特出して記載するべきのが化身ランドロスです。

このポケモンは自分より遅い相手に対して無類の強さを誇るのでAランクの中でもかなり対面脅威度が高いポケモンなのですが、いかんせんSランクポケモンのうちライコ以外のすべてに対して縛られやすい、ワンパンできずに負けるという問題を抱えていて逆にSランクポケモンの対策ポケモンに強い傾向があるので、少し特殊な立ち位置のAランクポケモンとなります。

 

4.ガオガエン対策に対する考え方

これはTier表と直接関連がある話ではないですが、第9世代においては強い負けん気、クリアチャーム、8世代からの威嚇耐性特性の仕様変更等でガオガエンのデバフを回避する手段が大変増えています。

今テンプレートになっているガオガエンはフレドラ叩き猫捨て台詞とデバフができない相手に対して大きなテンポロスが起きてしまうことが多いので、盤面展開の全てをガオガエンのデバフに頼る構図にすると落とし穴を踏んでしまうことが多々ありますし、実際最近クリアチャームやアーマーガアを駆使してガオガエンを腐らせる手法は流行りつつあるように見えます。

ガオガエン自体はAランクでゴリランダーに次ぐポジションに置いていることからも、高い補完性能を認めているポケモンですがデバフが通らないまたは裏目になる場合の別択も用意しておく必要があります。

 

 

5.最後に

レギュA以来のレギュレーション事態に対する考察記事でした。

自分はレギュレーションにおける一番強いポケモンを明確に定義できると勝ちやすくなる傾向があり、現段階ではありますがレギュレーションFにおいてそこを明確に定義できたことで2回目の予選でうまくいったのかなと思っています。

まだまだレギュレーションFは環境の姿をいくらでも変えると思っているのでここに書いていることも下手したら来週には古い情報になるかもしれませんが、参考になればと思います。