JCS本戦使用構築 Wドラゴンパオジアン
SVの二つ目の構築記事となります。
レギュレーションBでは、納得のいく構築が完成する前にJCS採用ルールのレギュレーションCが発表されて、作った構築ががにゅオフで予選落ちしたイッカコノヨしかない状態でしたが、今回レギュCでやっとお披露目となりました。
今年のJCSはとにかくスケジュールが詰め詰めでトラブルもあったことから公開できる区切りが全くなく、本戦まで駒を進めたものの負けたしまったため、ある意味ではやっと公開することができるとも言えます。
1.概要
パオカイリューの基本概念とも言える、素の素早さと先制攻撃で縛って殴り勝つシンプルな構築です。
とにかくドラゴンを中心とした構築の基本に忠実で、ドラゴンを鋼、水、炎で補完しています。
構築最大の特徴は、カイリューとドラパルト両採用であり、ここに関して語るのがこの構築の特徴の大体を占めることとなります。
1-1.性質の違う2匹のドラゴン
カイリューとドラパルト、どちらも構成はとても攻撃的な物理ドラゴンですが、この2匹は得意なことと苦手なことがかなり異なっています。
・ドラパルト
- 素早さ補助(スカーフ、Sブースト)をしていない相手全てを抜ける
- クリアボディ+身代わりの構成で威嚇と状態異常に強い(特にウインディ耐性がとても高い)
- 基本行動にテラスタルが介入しない
- ディンルーやチオンジェン並に固いポケモンは一人で倒しに行けない
- 素早さ補助をしている相手には何もできず倒されやすい
- 守る+身代わりの構成なので行動の選択肢がとても広い
- 素早さ補助してる相手も神速で縛れる可能性がある
- 上を取られてもマルスケである程度の行動保証がある
- テラスの依存度が高い
- ディンルーやチオンジェン並に固いポケモンを一人でテラバーストで倒せる
- 威嚇と状態異常耐性がない
- 拘っているので、行動の融通が利かない
上記の一覧を見てもらえれば分かりますが、対ウインディ性能を始めとしたパオカイリューのカイリューに対する返し手は分かりやすくドラパルトが対策可能であり、逆にドラパルトが苦手なシチュエーションはカイリューの得意分野となっています。
これにより、火力の高いドラゴンが両方咎められることが少なく、パオジアン+ドラゴンのパワーの高い組み合わせを広い選択肢から選択することができます。
1-2.道具に頼らない状態異常対策
ドラパルトの身代わりとサーフゴーの黄金の体の組み合わせでラムや防塵ゴーグルに頼らずに状態異常から逃げることができる構造になっています。
その分拘りアイテム、オボン、珠といったパワーの高いアイテムを6匹全てに持たせることを実現しています。
1-3.物理偏重構築にも関わらずキラフロル耐性が高い
物理に偏った構築は、キラフロルの毒びしをほぼ回避できないため、基本的にキラフロルの毒びしがきつくなりやすいです。
しかしこの構築は、ヘイラッシャ相方を主としたキラフロルを起点にしたコントロールの動きをドラパルトの身代わりで簡単に遅らせることができて、有利な状況を作りやすいです。
正直これは、実際のシチュエーションを紹介した方が早いので一つ紹介します。
実際の例
相手キラフロル+ヘイラッシャ想定
ドラパは身代わり、マリルリはブレイクをキラフロル
キラフロルはキラスピスタートだとドラパの身代わりが壊れずラッシャが鋼テラスまで考慮した欠伸をドラパに合わせると完全に身代わりが残る。
マリルリの次行動はローリスクなのでドラパ守るマリルリラッシャにじゃれつく。
こちらのプランを知らなかったら相手は大体ドラパ狙ってくる。
これで相手の盤面はHP1のキラフロルとある程度削れたヘイラッシャ。ドラパルトはこの盤面で身代わりの中身から珠ドラゴンアローを打つことができる。
以降の展開はこちらの後続はサーフゴーとカイリューなのでどくびしを一切踏まない。
テラス権が確実に欲しいのはカイリューだけなので無理なく切れるし選出的にも基本的にタイプ的な一貫は切れている。
こんな感じで何をどう転んでも有利になることが多く、実際自分はこの構築でキラフロル+ヘイラッシャと30回以上は戦っていますが負けた回数は片手で数えられるレベルでした。
勿論上記パターンは頻繁に起こるとは言え理想的に近いパターンで、キラフロルが初手で草テラスを切ってくるパターンなんかもあります。
しかし、それはそれで相手は後続のアタッカーのテラス権を失っていて後半失速しやすくなるし、どこまでいってもキラフロル軸の選出はドラパルトの処理速度がとても遅くなるので、大体有利なパターンを作れます。
どれぐらい有利かと言えば相手のヘイラッシャの地割れがサーフゴーとマリルリに対してゲームの序盤中盤で2/2で当ててきても問題なく勝てたぐらいといえば伝わるかもしれません。
2.個別解説
ドラパルト
ステータス
163-172-96-*-95-213
調整
AS振り切り
HPは身代わりの消費量を上げないために振っていない。
※身代わりのHPが1増えても耐える仮想敵がいない。2回以上使うとHP消費量的に損する。
*個体概要
構築のドラゴンエースその1という枠で、つまりは軸です。
1-1で振れた通り融通の利く動きで、極端な素早さを持たない相手に対して盤面コントロールしながら戦うのが得意なポケモンですね。
基本的にはイルカバレルを始めとした受け寄りのグッドスタッフや、低速のコンボであるイッカコノヨ相手に積極的に出していきます。
*数値解説
ハバタクカミ、パオジアンの135族がいる環境下で最速にしない理由がありません。
耐久面も珠を持っていることから特に調整する優位性もなく、ゴーストダイブでのテラスを切ったハバタクカミを打ち漏らしたくないのでA振り切り。
*技
自分が採用しているドラパルトいつも身代わり入ってるからまたかよと思われそうで自分で自分に突っ込みをいれたぐらいでした。
といいつつも1-3で示した通り身代わりがとにかく相手のコントロール構築に強いです。
攻めるドラパルトの身代わりはゴーストダイブととても噛み合わせが良く、以下の二つのメリットがあります。
1.身代わりを残す→守るの流れをした後は集中攻撃を受けやすいが、ゴーストダイブでさらに逃げることで相手の攻撃をもう1回透かせられる。
→ドラゴンアローの方がダメージバリューが高い時でもあえてゴーストダイブを選ぶこともある。
2.2ターン技の弱点である着地狩りのされやすさを身代わりで防ぐことができる。
これにより、ゴーストダイブのネックも身代わりが潰しており、対コントロール系への強さ、不意打ちケア、ダイブの弱点埋めとあらゆる要素から強い構成でした。
というかこのドラパルトSの高いドラゴンタイプ珠持って身代わりするという動きが完全に4~5世代のラティオスの転生体みたいな構成をしており、勝手にネオラティオスと呼んでました()。
*道具
テラスタルを切ったハバタクカミを可能な限り仕留めたいという理由で珠採用です。
ただし、珠+身代わりの構成は悪戯に身代わりを使うとHP消費が激しいのでHP管理に注意(正直白金玉適応するならそれ使いたい)。
*テラスタイプ
イッカコノヨとカミツツミの複合を例とした、ドラパを出したい相手がいるが高速組と複合している際にテラスを切って返せる余地がある鋼で採用しています。
バンギルガン相手に対してもマリルリと一緒に出して鋼テラスを切りながらジェット+ドラゴンアローで戦っていくこともあります。
基本的には素のタイプで戦う想定なので、切る時は初手の対面不利切り返し等の緊急対応であることが多いです。
ステータス
174-195-116-*-121-132
調整
A
飛行テラバーストで131-135テツノツツミ1発
神速で131-135テツノツツミ2発
A-1.雷パンチで202-109ギャラドス(※パオカイリューの神速耐え)1発
B
178ディンルーの鉢巻75%岩雪崩を99.7%で2発耐え
201イダイナキバの古代活性75%岩雪崩2発耐え
A1.167コノヨザルの250憤怒の拳を13/16で耐え
D
187ハバタクカミの珠テラスムーンフォース耐え
176テツノツツミのテラスフリーズドライを11/16で耐え
S
準速(可能な限り速くしてコノヨザルを多く抜けるようにする)
*概要
ドラゴンエースその2で、第2の軸です
こちらも基本的なことは1-1で書いた通りで、浮いてるポケモンだったり単純な行動保証があることからドラパより選出するパターンが多いです。
ただし、追い風+地震の攻める構築に対してはマリルリ+ウインディみたいな選出をすることが多くウインディにテラス権が回ることが多いので、テラス権が確実に回ってこないような仮想敵に出すと打点が低くなりやすい点は注意です。
対コノヨザルに対して最も重要な役割を持っており、組み合わせ単位ではなく一人で完全にコノヨザルを倒せるのはこの構築だとカイリューだけとなります。
*数値解説
イメージは少し耐久に振ったASで、準速を必須として攻撃を削れる限界まで削って耐久に入れています。
コノヨザルに対して強いカイリューはAS両方高い必要があるため、最低でも準速は必須です。
本当にコノヨザルにだけ特化すると最速AS一択なのですが、攻撃を204から落とせば落とすほどできないことが増えていき、かといって耐久無振りだと行動保証という観点で
不安があったため、本当に切ったらダメな攻撃ラインのギリギリを攻めて少し耐久に入れています。
*技
神速と飛行テラバという採用理由と一致する事実上の必須枠二つの残り枠として雷パンチとドラゴンクローを採用しています。
・雷パンチ
ギャラドスを強く呼ぶ構築なので、ギャラドス+地震持ちという選出に対して初手から雷パンチで倒してテンポを取りに行く。
テラス権を他に回した後でもヘイラッシャに高い打点を出せる。
・ドラゴンクロー
キョジオーンに対して手持ち全体で少しずつ殴る構造なので、キョジオーンのテラスに依存しない逆鱗を除いた安定最大打点。
非テラス、高火力等倍が欲しい、対象ランダムだとダメという状況が比較的発生するため、逆鱗ではダメでした。
*テラスタイプ
対コノヨザル耐性が一番高いポケモンとして使いたい、極端に固い敵ポケモンを一人で殴り切りたいことから飛行テラス採用です。
構築コンセプト上、削れた相手を一致神速で倒していくノーマルテラスもとても相性が良いのですが、固いポケモンを突破する手段がカイリューにないと押し負けることが多々あるため、ノーマルテラスの採用は断念しました。
*道具
ここまで書いた通り、火力が高いことが需要なため鉢巻
パオジアン
ステータス
155-172-100-*-86-205
調整
AS振り切り
*概要
軸その3と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、実はパオジアンは一時期構築から外そうとしていた時期もありました
しかし、結果的に最も構築のパワーを上げられるポケモンであった為、採用されました。
パオジアンは元のタイプが悪+氷と、正直ドラゴン構造との噛み合わせはあまりよくないです(氷耐性が偉いぐらい。ドラパ視点だと悪ゴーストも)。
しかし、攻め方の構造を解析していくと、
飛行テラスカイリューより速くどっしりしているポケモン(イダイナキバ、ガブリアスetc)
ドラパルトが苦手な極端に速いポケモン
をそれぞれ素の速さと不意打ちの組み合わせでカバーしていています。
また、パオジアンと近い性能でもっとタイプ的に綺麗なポケモン自体は存在しますが、パオジアンは特性で味方含めたトータル火力を全体的な数値が高いポケモンと同等に出しており、構築が物理に偏ってることも相まってこの火力面が他のポケモンには真似できなかったことから互換となるポケモンが存在しませんでした。
*数値解説
ほぼドラパルト同じ理由で最速をきれないです。
持ち物も襷で特別耐久調整の意味はないのでASに振り切っています。
*技
結果的には基本的な4つ固まっています。
先制攻撃の重要性が高い構築なので、フィールド剥がしを優先して氷技は氷柱落としよりはアイススピナーを採用しています。
聖なる剣は霰パ相手にツツミを殴るパターン、ドドゲザンを殴ることがある、合体寿司相手にドラパと一緒に上から削るパターンがあるので他の技より優先度が高かったです。
*道具
シンプルに行動保証を求めて気合の襷採用です。
シングルのタイマン最強クラスポケモンだけあって、ダブルでも最後の詰めとして襷を盾にしたときの安定感は無類を誇ります。
展開的にパオジアンが作る縛りが最終防衛みたいになることが多いので、行動保証や生き残ることがとても重要です。
*テラスタイプ
コノヨザルのドレパンを避けながらテンポをとる動きがある、サーフゴーと並べてカイリューの神速を完全遮断する動きがあることでゴーストで採用しました。
実は、予選ではイッカネズミをワンパンしてイッカコノヨにイージーウィンしやすかったりバンギルガンに出しに行ける格闘テラスを使っていました。
しかし、結果を期待していた対バンギルガンに関しては、うまくいっていなかったです。
というのも、バンギルガンにパオジアンを出すと隣が防御デバフかかってる状態で雪崩連打で受けるのがきつく、あまり有利ではなかったわけですね。
以上から、ゴーストテラスの方が使い道が広いと判断してテンプレですがこれで採用しました。
ステータス
196-131-112-*-109-140
調整
B
204カイリューの災いの剣鉢巻一致神速耐え
204カイリューの鉢巻飛行テラバーストを15/16で耐え
D
205イーユイの災いの玉眼鏡悪の波動を13/16耐え
205ハバタクカミの眼鏡パワージェムを13/16で耐え
S
80~87族付近の準速をまとめて抜けるライン(カイリュー、イダイナキバ、サーフゴーetc)
*概要
対パオカイリューを一番に視野に置いた、上記までのドラゴン+悪と逆の耐性を持つ補完枠です。
ウインディの威嚇や鬼火を使った物理デバフは、SVだとコノヨザルを筆頭にした性能が高い負けん気、クリアチャーム、それらと組み合わせた炎テラスで簡単に止まってしまい相手をかなり選ぶようになりました。
それでも対パオカイリューはこれらを採用しないことが多くタイプ的にも対策として頭一つ抜けているので、ここに関しては他キャラの追随を許さない性能となっています。
一時期相手を選ぶという観点から構築の脱ウインディを目指して調整していた時期もありましたが、結局タイプ上の補完、ギャラドスなどと比べた相手のポケモンへの遂行の速さ等から代替は存在しないと判断して構築上では生き残りました。
*数値解説
徹底的に行動保証に特化した数値です。
Dを全部Aに回す(実数138)とフレアドライブで無振り程度のハバタクカミ、サーフゴー、剣が乗ったモロバレルに対して噛み合いが良くなりますが、想定される可能性が耐久無振りとは考えにくいことや、このウインディは生き残ることがひたすらに重要なので全て耐久に回しました。
H-Bを197-111にすると、飛行テラバーストも確定になりますが、オボンを持っていて偶数にしたかったため最大乱数で妥協しています。
*技
本戦1回目では鬼火、本戦2回目では遠吠えを採用しておりそれぞれ強い局面が異なります。
鬼火
シンプルに相性を超えて物理を止められるのでウインディ単体レベルで対応できる相手が広い。
ただし今は炎テラスを理由に不安定で致命的な腐り方をするときがある。
遠吠え
敵のテラスにも自分の命中の依存要素が消えて、構築上サーフゴー以外全員恩恵を受けて前のめりではない相手にイージーウィンできる。
ただしタイプ相性を超えた捲りをウインディ単体でできないため、選出できるパターンが減る。
調整段階で遠吠えの使用感がよかったことや、本戦までくると鬼火を遮断する手段を用意していることが多いと予想から、2回目で遠吠えにシフトしました。
しかし、合体するヘイラッシャへの対応窓口として鬼火が消えたのがかなり痛かったので、今は鬼火の方が結論に近かったと思っています(本戦2回目は遠吠えの強みがでた対戦もあったので、鬼火なら抜けられたかと言われるとそうとは限らない)。
神速か守るを切って鬼火遠吠え両採用の線もありますが、この構築がS操作に対して守るで逃げることを基本としていたりそもそもSVの守るは重要だから切るに切れません。
神速はHPミリの状態からでもパオジアンの襷やカイリューのマルスケを削る場面が頻発して削ったら絶対支障がでるのが目に見えていることから、結局両採用はできませんでした。
*道具
ウインデイのオボンは他のポケモン以上に重要な働きを持ちます。
今回のウインディは威嚇なしでパオカイリューの神速を耐える設定になっていますが、実際はウインディは初手展開でも積極的に使うため、マックス且威嚇を入れていない状態での対面は少ないです。
カイリューに威嚇が入っている状態では、当然66%残っていると対応できるわけですが、オボンがあると41%までなら削れても許容できるため、パオカイリューに対して睨みを利かせられる許容HPがとても広くなります。
個人的にウインディの防塵ゴーグルは、よっぽど周りがパオカイリューに強くない限りは、花粉団子ありきの持ち物だと思っているぐらいです。
*テラスタイプ
行動保証が基本思想なので、炎と弱点関係が重複しておらず耐性が強い水で採用しました。
主に合体するヘイラッシャや追い風+地震の構築に対して切りにいきます。
サーフゴー
ステータス
188-*-116-187-112-125
調整
C
C2.75%ゴールドラッシュで183-106ガブリアスが14/16で落ちる
弱点10万ボルトで218-120アラブルタケ(≒大体一般的なモロバレル)が92%で2発
B
172パオジアンの災いの剣不意打ち耐え
204カイリューの災いの剣鉢巻一致神速耐え(等倍被弾)
204カイリューの鉢巻飛行テラバースト15/16で耐え(等倍被弾)
A-1.イダイナキバのぶちかまし耐え
216セグレイブの75%一致地震耐え
D
187ハバタクカミのシャドーボール耐え
187ハバタクカミの珠テラスムーンフォース耐え
S
イルカマンより基本的に速い状態にしたいことを目標に最速バンギラスまで抜ける
*概要
ドラゴン軍団の相性補完といえば鋼と言わんばかりに定石どおりに入ってきたポケモンですが、物理編重構成の中唯一の特殊枠であるサーフゴーは普通の鋼以上の重要性があります。
物理偏重である以上どうしても鉄壁やビルドを積んでくるアーマーガアの処理が苦労するのですが、悪だくみを積む特殊であるサーフゴーは対抗策としてとても有効な札となります。
悪だくみサーフゴーといえば壁やイッカネズミで補助するのが一般的であり、構築自体が非常に前のめりな構成なのに悪だくみを積めるのかという疑問もあるかもしれません。
元々サーフゴーの出動タイミングがパオジアン軸の攻撃体制を迎え撃つ物理受けの構えに対するさらなるカウンターという立場なので、実際はウインディのサポート程度で問題なく積みに行けます。
また、そもそもツツミ等の速くて柔い相手にタイプ相性だけを理由として迎え撃つこともあります。
この場合は悪だくみ0積みでプランを組み、技もそれが実現できるようになっている為、悪だくみはギミックの一つとしてとどめてる所もポイントです。
*数値解説
大体のことがなんでも一人でできるという数値コンセプトです。
テラス前後両方で行動保証を確保して、火力も素早さ全て考慮してる為、努力値は本当に510きっちり使い切っています。
火力面の指標だけを見るとガブリアスというわざわざ指標にする意味があるのか分からないポケモンとなっているのが疑問かもしれません。
これはガブリアス自体を考慮したものではなく、耐久調整した結果ガブリアスに近いラインになるポケモンというのが多々存在するため、ここに合わせるとある程度の耐久調整に対しても対応できるという意図で合わせています。
また、似たような話として耐久ラインを決め打ちしにくい対モロバレルに関しては、Hに振ったアラブルタケが大体世間一般的なモロバレルの耐久に近く一般的なバレルと同じ感覚てダメージ計算できます。
なので、アラブルタケを倒せる調整をしておくと大体のモロバレルにも対応できるという小技があり、このサーフゴーの10万ボルトもそういう合わせ方をしています。
素早さは他の数値の優先度を合わせて最低限ギリギリの125になっていますが、正直同系のサーフゴーに大体負けてるのでCをいくつか削ってSに回した方が実践的かもしれません。
*技
悪だくみサーフゴーですがシャドーボールを切って10万ボルトを採用しています。
最大の採用理由が悪だくみ0積みでツツミをワンパンできることで、特にこの構築は何かしらツツミがこちらに高打点を入れることができるので重要度が高いです。
そもそも構築全体がタイプ的に水タイプに決定打を与えにくい構造であるため、そこに対して電気を差し込める点も綺麗です。
得に遂行を早めないといけないノオーツツミに対してはこれがあるかで対応難易度が劇的に変わります。
*道具
構築内に守る持ちが多く時間も稼ぎやすく、仮想敵となる受けに回った相手に分かりやすく有効に働きやすい食べ残しを採用しています。
仮にウインディのオボンが浮いていたとしても瞬間火力が高いどっしりとしたポケモンと戦うことはあまり想定していないため、残飯が優先されます。
*テラスタイプ
鋼の逆を付ける耐性が水なので水テラスを採用しています。
水タイプもドラゴン軍団と噛み合わせが良いので、流行とは言え特に逆らう理由もありませんでした。
ステータス
201-112-106-*-101-71
調整
A
アクアブレイク+アクアジェットで155-101パオジアンが落ちる
等倍じゃれつく+抵抗アクアジェットで130-101イーユイが落ちる
B
204カイリューの鉢巻飛行テラバーストを14/16で耐え
204カイリューの災いの剣鉢巻一致神速を13/16で耐え
201イダイナキバのテラスぶちかましを15/16で耐え
D
205イーユイの災いの玉弱点テラバースト耐え
187ハバタクカミの75%テラスマジカルシャイン2発耐え
*概要
ここの枠はかなり広域の仕事任せています。
具体的にはカミイーユイと戦える、水タイプないし地面タイプと打ち合ってほしいという耐久力が高い水タイプや地面タイプが得意な仕事となっています。
候補も多く、ディンルー、キョジオーン、ヘイラッシャ、ニンフィア(全部水テラス)とかなりの数を試していました。
結果的には、相手のハバタクカミの処理速度が速いこと、攻撃的な構築構造に一番あっている、ハバタクカミに縛られていてもアクアジェットで削って裏のパオジアンの負担を下げられるという理由でマリルリが採用されました。
ただ、マリルリは数値面はこのルールだとかなりギリギリなので、本当ならディンルーで完結させたかった枠でもあります(実際に予選はディンルーを使った)。
*数値
なんとレギュAのまもみが残飯ドラパで採用されたものと同じです。
これは使いまわしではなく、再計算した結果最適な値がこれだと判断したものです。
実はブログにパーティして公開しなかったレギュBで使ったイッカコノヨのマリルリもこの数値で採用されていて、個人的にチョッキマリルリの結論みたいな数値になっています。
元々カイリューの飛行テラバースト≒剣神速なので物理耐久が腐ることがないのでここが有効なのは当然だし、特殊方面もこれでギリギリイーユイの弱点テラバーストを耐えられます。
ただし、チョッキ持ってるのに、イーユイのテラバーストがギリギリっていうのが結構ネックな要素です。
というのも、対カミイーユイに対してウインディと併用するなどマリルリしか対応できない出し方をするとテラバースト+マジカルシャインを打たれて終わってしまうのでカイリューやサーフゴーを横に置くことで相手のヘイトを分散させることがとても重要になります。
今回の構築はマリルリが対テツノカイナが楽だとかなり偉いので素早さ振りたかったのですが、数値がギリギリということでそんなことできないという結論になり諦めました。
*技
レギュAの風変わりな技から一転してマリルリの基本的なものが4つ固まっています。
テツノツツミがいる以上格闘は馬鹿力しか採用できない、イーユイに対してテラス変換まで考慮して技を使ったりヘイラッシャを削る動きが多くじゃれつくも必須クラスになったため、結果としてレギュAで採用した特殊な技が全て普通の技に戻ってきました。
*持ち物
ハバタクカミやイーユイと戦ってほしいのとそもそも攻撃技4つ全部欲しいのでチョッキでの採用です。
チョッキ持ってても数値がギリギリなので、チョッキなしHAマリルリに今やらせたい仕事をさせるのは流石に無理がありそうです。
*テラスタイプ
基本的に素のタイプの価値を勝っているのであまりテラスを切ることはないのですが、胞子避けと対テツノカイナ両方を考慮した草テラスタルを採用しました。
だたしこのマリルリはチョッキ持ちである以上守るが使えず、さらにテツノカイナからヘイトを買いやすく猫騙しからの集中も受けやすいため、猫騙しと電気技両方対応できるゴーストテラスの方が使いやすかったかもしれません。
3.予選使用構築
※レンタルコードは切れています
予選構築についても少し触れておきます。
構築しての大きな変更点はディンルーがいたこと、サーフゴーではなくハバタクカミを採用してたことの二つです。
最初ディンルーのカタストロフィで削ってパオカイリュードラパの展開を作る動きでした。
正直合計種族値も凄まじく高く、構築としてのパワーは見た目こっちの方が高いですね。
こちらもキラフロル耐性は健在で、寿司コンボに関してはマリルリ以上に耐性が高いです。
予選は抜けたもののアーマーガアの突破手段が苦しい、前のめりな構築のSブーストハバタクカミに翻弄されやすい、ヤミカラスを削る速度が遅い(カミを連れて行くと隣の地面タイプに縛られたり11交換になったりする)という課題が残っていて、現在の形になりました。
ちなみにこの構築のカイリューの技構成である滝登り+炎のパンチは、自分が5世代の霰パで採用していたアクアテール+炎の牙ガブリアスの着想を使ったもので、時を超えて未来の自分にこの考えが貢献することになりました。
4.最後に
今回の構築は、結果的には自分が好きな要素の集大成という形になってますね。
僕はドラゴン大好き少年でドラパルトは神のポケモンだと思って使っているので、こいつがいなかったらSVの自分構築どうなってたのやらと。
構築の形としては直前まで迷走することが多かったですが、このコンセプトとしては結果的にある程度満足のいく出来だったのかなと思っています。
そもそもJCSの取り組みとかこのコンセプトを貫くことが正解だったのかという話はJCSの反省の話となって今回は構築記事なので、また別の機会に書くとしましょう。