バトルレジェンドレポート

f:id:migawari:20201020205229p:plainf:id:migawari:20201020205209p:plain

 

皆さんこんにちは。

王者決定戦が終わって以来気持ち的にあんまり元気ではない期間がかなり長く続いてた関係で、剣盾が始まって以来ではブログを書く期間がかなり間が開いてしまいました。

王者決定戦までにおける今年のWCS2020への取り組みの記事はまた後日書くとして、今回は先週末行われたバトルレジェンドに関する記事です。

今回のバトルレジェンドは、最初に書いた通りあんまり元気がない=ポケモン以外のこともしている時間が多かったこともあり、練度や調整量は剣盾で組んだ構築の中でもかなり低かったにも関わらず最終順位23位と比較的高い成績を残すことができました。

というか自分が特殊ルールの公式大会で上位30位以内になれたのはこれが初めてだったりします。

いつもならばここで「構築記事」という形で構築紹介に焦点を当てた記事を書くところですが、今回は個体にバトルレジェンド用の計算がされたものがいないことや勝ちの要因も細かい部分ではなく構成やルールに対する性質理解の方が大きく貢献したので、自分が考えるバトルレジェンド自体の考察をメインにした記事として投稿することにしました。

 

 

1.禁止伝説と一般ポケモンの関係

バトルレジェンドにおける禁伝と一般ポケモンの関係はこれまでの世代とは少し異なっています。
というのも、ダイマックスというシステム自体がスタッツを何倍も底上げする仕組みである為、ダイマックスした一般ポケモンダイマックスしていない禁止伝説より性能が高いことが多いです。
分かりやすい例だと素のリザードンがレシラムと戦うと、エアスラの怯み連打に頼りでもしないとリザードン側がタイマンで勝つことがほぼ不可能ですが、ダイマックスしてダイアースを使えばダイマックスをしてないレシラムに負けることはほぼなく、このシステムは一般ポケモンと禁伝の種族値差すら簡単に埋めてしまうシステムと言えます。
これにより、今までの禁伝有りのルールと違って、ダイマックスを一般枠に渡せば禁伝を差し置いてエースとなることも可能です。

以上から、バトルレジェンドにおける構築方針は禁伝にダイマを切るパワー集中型と禁伝+一般ダイマポケのパワー分散型の二つに分類されると言えます。

 

 

2.上記性質の例外ポケモン

ただし、ダイマ一般ポケ>非ダイマ禁伝の強さ関係を簡単に打ち破ってしまう禁止伝説がいて、それが8世代から登場したザシアン、ザマゼンタ、ムゲンダイナの3匹です。
これらの3匹はご存じの通りダイマックスした相手に威力2倍となる技をそれぞれ持ち、これは事実上相手のダイマックスの耐久上昇を無効にしていると読み替えられます。
ダイマックスした側は火力も上がってはいますが、元々禁伝である以上元々の高種族値、特にザシアンは無条件攻撃アップという規格外の特性も持っているので火力方面も簡単にダイマックスポケモンと競り合うことができ、つまりはこれら3匹に対してダイマックスしない状態で殴り勝てるポケモンでなければダイマックスしても勝てないということになります。
ただしこの3匹はダイマックスを切れないので、猫騙しを無視した強行突破や耐久の底上げができないというデメリットはついていますが、そもそも非ダイマポケモンが涼しい顔をして大多数のダイマポケモンに勝てるということがかなり異常なので、8世代においては十分規格外だと言えます。

 

余談ですが、バトルレジェンドというルールだからこそガラル禁伝の3匹がこの条件に該当していますが、全国基準だとダイマックスポケモンだろうと余裕で削り取れるカイオーガも参入したら同じような性質になると思っています()。

 

 

3.ダイマックスポケモンの要件

となるとダイマックスエースとして使うポケモンの流行は必然的に上記3匹・・とくに目に見えて性能が頭一つ抜けてるザシアンに何もできないようなポケモンは絶対に採用してはならず、対ザシアンに対する答えを持っていることは必須要件と言えます。
禁伝が鋼に偏ってることも相まって、普通のルール以上にリザードンやレシラムみたいな炎タイプやドリュウズみたいな地面タイプ、ソルガレオ、黄昏ネクロズマといった
巨獣斬に抵抗をとれる禁伝をダイマックスエースとする構築が多くみられました(レシラムやリザードンはムゲンダイナに勝てないのでそこだけ気を付けないといけませんが)。
ただし上記ダイマックスエースを選定することでザシアンに対して強いというよりは、弱くなくなったという方が正しいと思っています。
というのもザシアンはS種族値148というドラパルトですら抜けない無茶苦茶な素早さを持っており、上記ポケモンに対して上から巨獣斬を1発は打てるのでダイマックスしてようがしてまいが少なくて4割、多くて6割削り取る力があるわけです。

なので、ザシアンの突破に成功したとしてもとても軽傷で済むとは思えません。
この中でザシアンの上をとることができる砂かきドリュウズも、炎が強いなら弱い理由が一ミリもないガオガエンの威嚇との組み合わせでダイアースを耐えられて事実上のタイプ一致インファイトを貰ってしまうので、こちらも被害は大きくなってしまいます。
そして何よりの問題は、ザシアンがダイマックスを切れない以上ダイマックスエースを別に用意しているので、ザシアンによって疲弊したダイマックスポケモンがさらに別のダイマックスエースとも戦わなくてはならず強いポケモンからの圧力がずっと消えないままとなってしまいます。
ザシアン側からすればザシアンはエースでもなんでもなく、本命のダイマックスエースを通すための場荒らし役程度の役割であることもザラであり、今回の自分が選定した構築もその考え方になっています。
以上から、ザシアンに対抗する際はザシアンに勝てればそれでよいという考えに留まらず、その先にいるダイマックスエースまで見据えなければなりません。

 

 

4.今回選択したコンセプト

というわけで今回セレクトしたのがザシアン+アシレーヌセキタンザンの組み合わせで、3で話題に挙げたザシアンの持つ強力な圧力の話をそのまま利用した形になります。

まず強い禁伝が鋼に偏る+それらに対抗する炎タイプが多いという関係上セキタンザンはタイプ的側面から分かりやすくどちらにも有利です。
最もこのルールで要求される対ザシアンですが、コンボ成功時はザシアンの上をとることができるので、3で上げた流行のザシアン対策を比べるとザシアンに素早さ制圧されにくいという強みがあり、最悪巨獣斬1発は耐えられるのでコンボ失敗のパターンでも下から動いて炎技をぶつけることができます。

そもそもザシアン自体がセキタンザンにとって最も欲していた理想的な相方であり、その理由は以下となっています。


・先が見える状態まで我慢してからアシレタンザンのコンボをしたいとき、今まではダイマックスなしで逃げるのがかなり窮屈だったが、ザシアンは非ダイマダイマポケモンに勝てるのでノンストレスで待つことができる。
・アシレタンザンのコンボ妨害となる指持ちの多くがフェアリータイプなのでザシアンで早期に処理ができる。
・相手目線でザシアンに対してヘイトが向かいやすい関係でアシレーヌと並べてもアシレーヌが狙われにくく、前のめりな動きをしながらスムーズにアシレーヌとセキタンザンが並ぶ。

 

この3つを綺麗に達成できるのは、一般ポケモンでは存在しないと思っていて、セキタンザンにとってザシアンは相手にして勝てるし味方にして相性も良いと、ザシアンが強ければ強いほどに動きやすくなるポケモンとなっています。

 

 

5.構築全体の特徴

とにかく防御面の補完よりも攻めの流れを綺麗にすること意識しています。

受けの話だけを見るとそれこそ地面がすごい勢いで一貫しているのでダイアースがポンポン飛んできますし、リザードンの炎飛行地面の範囲も流すのが窮屈です。

しかし、ザシアンの素の耐久の高さやガオガエンの威嚇をうまく組み合わせると地面技による一撃突破を回避することができるため、序盤は削られても死ななきゃ安いの精神でザシアンで相手の一貫する技を持ったダイマックスポケモンを削っていき最終的にはセキタンザンで切り返して勝ちにいくことができます。

また、対リザードンはウーラオス+ザシアンというリザードンが動かない理由がないような初手を並べてスカーフ岩雪崩+巨獣斬で倒してイージーウィンする流れなんかもあります。

流石に攻撃防御面両方でこっちの主力ポケモンに耐性を持つ水タイプ中心の動き・・特に雨パは窮屈さを感じることもありますが、アシレーヌで積極的に殴ることやセキタンザンがダイバーンを仲介させると水技1回は耐えることを利用して立ち回ることで切り返すことができます。

また、ザシアンの驚異的な素早さのおかげで、アシレーヌダイマックスさせてダイアタックを連打することで天候や追い風で素早さが上がったポケモンの上をとることもできるようになるので、通常ルールよりハイパーボイスアシレーヌダイマックスさせてもパフォーマンスが高い動きができる対戦も多かったです。

 

 

6.最後に

今回は剣盾が始まって以来久しぶりに新ルールに対して一発目から自分で考察して好き放題理論を作る立ち回りをしており、かなり想定に近い形で理論を実現させることができたように思えます。

また、ここまで少ない練習量でそこそこ勝ちに持っていけたというのも自分の中ではかなり珍しく、努力量:結果のコストパフォーマンスがとてつもなく高い大会だったように思えます。

勿論努力しないことを良しとしているわけではありませんが、基本的自分はこの努力:結果の燃費がかなり悪いことが多いので、そういう点ではスマートに成績を出しに行けたように感じます。

 

雪原が今週リリースとなりますが、それまでにもう一つWCS2020全体に関する記事も書こうと思ってるので、近日中もう1回ぐらいはブログを更新する予定です。