ポケモンSVシリーズ1ダブル使用構築 まもみが残飯ドラパルトSVバージョン

 

昨日のシリーズ1総括記事の話を元にどんな構築を自分が作ったのかというお話です。

この構築は1/29日のきゅーぽけオフダブルで優勝して、ランクマッチではシーズン2の最終順位がメインロムサブロムで54位と62位にはなっています。

 

1.構築概要

 

まもみが残飯ドラパルトを軸にした構築です。
剣盾時代に一度まもみが残飯ドラパルトを詰めていた時期があり、その時はあまり強くなかったという結果に終わった過去がありましたが、今回は本当に強い構築として完成させられたと思っており当時のリベンジにもなりました。
構成自体は古臭さすら覚えるような受けを重視したグッドスタッフですが、基盤となっている戦術のヘイラッシャ耐性がとても高い所が最大のポイントとなっています。

 

1-1.SVのドラパルトの立場
剣盾のドラパルトは癖の強い技を全てダイマックス技として単純に強い技として打てた点と、ダイドラグーンの攻撃ダウンも含めてダイマックス中弱点で落ちないので特に状況を選ばず殴るという行為だけでとても強いポケモンでした。

しかしながら、当然SVにはダイマックスはなく技も耐久力も元々のドラパルトのポテンシャルで戦う必要が出てくるし、パルデア地方にはマスカーニャやドドゲザンといった超高火力の不意打ちが使えるポケモンが2匹も環境にいることや、得意だったドラゴン同士の殴り合いでは上をとってもテラスタルのタイプ変換によってそもそもこっちのドラゴン技で縛れているとは限らないといったように、下準備なしで上をとって殴ることの信頼性が落ちていることから流石に雑運用で既に強かった剣盾よりダブルにおける立場は悪くなっています。

といつつもドラパルトの素早さ自体はシリーズ1どころかパラドックスポケモンや準伝説も含めた上でマルマイン以外のすべてのポケモンに勝っているという絶対正義に等しい点、カイリューの神速が強いという環境の前提がありゴーストタイプである事実はプラス要素として働いています。

技に関しても幅広く強い攻撃技が使える状況ではなくなりましたが、ドラゴンアロー自体は物理ドラゴン技の中でも超高性能な技であり、事実盤面を作ってから最後にドラゴンテラス鉢巻ドラゴンアローで詰める動きは脅威度が高い動きで対面したらしっかり対策しなければならない程度の認識は持たれています。

総括するとドラパルトは剣盾時代に比べると単体性能がピーキーになってしまいましたが、ドラゴンアローを始めとした一部の技をこの素早さから打つ挙動自体は準備さえすれば強いままであると言えます。

 

1-2.今回のドラパルトの型決定について

では、メインとなっている今回のドラパルトの型方針はどうやって決めたのかというと、ドラパルトが使える技の中で強いものが限られているならば本当に強いものだけを安全圏から撃ちまくるという考えが今回の構築方針です。

世間で主流な鉢巻ドラパルトは採用技4つ中でドラゴンアローだけが強くて次点でとんぼ返りが使う価値がある、他は局所的な運用だけで基本使わないという強い技が少なくなっていることが顕著に表れている構成をしています。

ドラパルトは攻撃技に関してはほぼドラゴンアローだけが強い状態であり、それ以外は鬼火や壁といった補助技の方が神速を無効にするタイプや素早さの観点から優秀であり、今回はドラゴンアローと鬼火は強いからそれを身代わりの中身という安全エリアから使い倒すというのがコンセプトとなっています。

余談ですが、剣盾の時に祟り目ではなくドラゴンアローを連射するコンセプトはダメだったのかと言われると、剣盾ではこの指役にフェアリータイプで受けながらドラゴンアローを吸ってしまうトゲキッスがいたのでドラゴンアローだけを攻撃の軸にすることができませんした。

 

1-3.構築のメイン軸の対ヘイラッシャ性能の高さ
冒頭で書いた通りこの構築最大のポイントはメイン軸がシャリタツヘイラッシャの寿司コンボにとても強い点で、最後まで詰めることになった最大の理由となっています。
ドラパルトは合体したヘイラッシャより速いので上から鬼火を入れられる点、ドラパルト自身はまもみが残飯で攻撃が何回も直撃しないように立ち回れるため、ドラパルトの隣で水抵抗の威嚇を回すことで合体したヘイラッシャを特殊な技なしで封殺することができます。
こちらは個体数を4匹維持しながら戦うことがメインコンセプトなので眠るヘイラッシャがTODを仕掛けてこようとしても個体数負けがないどころか下準備で個体を1体失うことが多いのはヘイラッシャ側なのでTODはむしろ勝ちパターンとなりますし、ドラパルトがフェアリーテラスタルなのでいっちょうあがりによるステータス修正による切り返しもフェアリードラパルト+マリルリorドドゲザンという並びでほぼほぼダメージが発生しないハイリスクな行動にすることができます。

 

 

2.個別解説

 

ドラパルト

193-157-97-*-96-195

火力

ドラゴンアロー*2で167-111サザンドラが落ちる

物理耐久

A-1.162マスカーニャの1/2道具叩き落とすで身代わりが壊れない
205ドドゲザンの1/2黒いメガネテラスタルドゲザンで身代わりが82%で壊れない
1/2一致イカサマで50%で身代わりが壊れない

特殊耐久

177サザンドラの1/2悪の波動で75%で身代わりが壊れない

素早さ

最速タイカイデン+1

 

構築の軸でこのポケモンの説明の半分ぐらいは概要で書いている内容ですね。

概要に書いていない大きな特徴としてはフェアリーテラスタルの採用です。

概要で書いたように強力な不意打ちが沢山飛んでくる=悪タイプが大量にいるという状況は本来ドラパルトにとってはかなり都合が悪いのですが、その逆境を全てひっくり返す一手であり、耐久の項目に書いてある通り逆に多くの悪タイプの攻撃を起点に身代わりを残すことができるようになります。

その都合上ほとんどの場合ドラパルトでテラスタルを切るので、構築上はドラパルトがフェアリーである前提のタイプバランスをしています。

数値設定面は素早さ耐久⇒火力の順番で設定しています。

耐久の目的は上で書いた通りで、素早さは最低でもマスカーニャは抜いてほしいので193が下限、一つ上にタイカイデンがいてしかもタイカイデンが採用されいてる構築はとても前のめりな動きをしてきて素の速度で上をとることがすごく重要なのでタイカイデンまで抜かせる195に設定しました。
195はファイアローと同速ですが、ファイアローはそもそも初手は颯の翼で動いてくる上にその初手は大体追い風を使ってきてさらに素早さで負けてるターンが長く、195の素早さで同速合戦をすることがほとんどないと判断したので火力を優先しました。

特にタイカイデンは初速の追い風よりもドラパルトの行動が先である点が重要で、タイカイデン+サーフゴーの初手に対して守るではなく身代わりから入ることが許されているのでそれができるタイカイデンとできないファイアローには素早さを抜く価値の差がとても大きいです。
火力は言ってしまえば残分なのですが、ドラゴンアロー連射モードに入った時に、最低限脅威としてして成り立つ火力であることが重要だと考えており、そのラインは並以上の耐久を持つサザンドラがドラゴンアローを集中的に食らったら落ちるこのラインでした。

絶対にサザンドラを落としたいという意思があるわけではなく、単に火力が高い方が価値が高いシーンが多いと判断しただけなのでどうしても素早さが気になるなら1だけ素早さに回しても支障はないです。

技に関しては概要で書いた通りですが、当たり前なんですけどこの技だと構築単位で対ニンフィアをかなり頑張ることになってしまったので、構築コンセプト的には変わってしまいますが身代わり⇒ゴーストダイブにした構築を模索するのもありだと思っています。

ちなみに特性は実はクリアボディ以外の他二つ全部候補になっていて

身代わりするドラパルトが流行り出した場合(実際はなかった)⇒すり抜け

ニンフィアのハイボを封殺できる可能性を作りたい⇒呪われボディ

といったような可能性を考えていましたが、結局敵の水ケンタロスなどから威嚇を受けるとドラゴンアローの脅威度が無になってしまうのでクリアボディが一番無難だとは思います。

 

 

ボーマンダ

171-187-100-*-100-167

火力

鉢巻アイアンヘッドで202-86ニンフィアを81%で1発
(鉢巻飛行テラスダブルウイングで202-86ニンフィアが98%で落ちる)

素早さ

最速

 

ヘイラッシャを倒すプラン、身代わりを残すプラン、火力アップアイテム持ちガブリアスの攻撃を耐えるプラン諸々が威嚇を前提にした設計なので威嚇要因が必須となっています。ヘイラッシャの横で回すので威嚇要因は水の耐性が必要でドラパルトの身代わりを残すには隣がある程度前のめりに殴って圧相手に圧をかけてもらう必要があるため、その条件を一番満たしやすいボーマンダを採用しました。試す時間がなかったですが、他の候補としては水ケンタロスも一考できると思っています(ただし、後述するマリルリが諸々の対策にかなり綺麗にハマったので水ケンタロスにする場合マリルリの枠も別に探さないといけない)。

技道具数値テラスタイプは基本的にはニンフィアを倒せる確率を上げるためというのが根幹の理由となっています。

最初は意地っ張り+飛行テラスで使っていてニンフィアの主流なテラスタイプ関係なくダブルウイングを使えば倒せる可能性があるという構えをとっていましたが、ボーマンダが準速だとサザンドラウルガモス、最近増えた最速コノヨザル等のポケモン相手に窮屈でニンフィア以前の問題だったので最速運用として、ニンフィアの削りは最速を前提にした上の努力目標という方針になりました。一応HCニンフィア程度ならアイアンヘッドで落とせますが、総括記事で書いた通りこういう対策は極力テラス前後関係なく等倍で通る技で行うべきであり、しかもニンフィアは実態として耐久効率を求めるとC振り切りを前提にすると181-106みたいな物理耐久になるのでH振りだけが落とせる状態はそもそもあまり信用できない火力ラインです。

この耐久力は意地っ張りでしか対応できない為、少し削れたニンフィアを打ち漏らさないという程度の採用になっていました。

陽気にしたことで飛行テラスで刺しきれなくなったのでバンギルガルガン相手に投げた時に切れる可能性がある、他のテラス切りを確認した後ならどんなニンフィアでもアイアンヘッドで一撃で倒せるようになるという方針から最終的に鋼テラスでの採用となりました。

技はダブルウイングとアイアンヘッドは上記の通りとして、瓦割はドドゲザンを突破するための採用、岩雪崩はウルガモスカイリューに効率のいい打点を入れられるかどうかでゲームテンポの作りやすさが全く違うので採用しています。ウルガモスは一見ダブルウイングでも対応できますが、2回接触して炎の体を誘発しやすいので、その対策も兼ねています。

 

ドドゲザン

189-205-141-*-106-88

火力

黒いメガネドゲザン+不意打ちで183-116ガブリアスが落ちる
黒いメガネドゲザン+不意打ちでB実数116サーフゴーに等倍で最低ダメージ186

物理耐久

205ドドゲザンの2総大将2倍弱点けたぐり耐え(悪テラス状態で被弾想定)

特殊耐久

178ニンフィアハイパーボイス2発耐え
178ニンフィアの弱点テラバースト耐え
194グレンアルマの珠アーマーキャノンを等倍で94%で耐え

素早さ

可能な限り速く。準速ヘイラッシャ+1までは確保。

 

ドラゴンタイプを中心に組んだら鋼タイプと相性がいいというのはもはや道理であり、ドドゲザンはドラパルトの元タイプのゴーストが苦手なタイプを悪で受けられる、総括で書いた通り単体性能2強判定しているので入れない理由がありません。

対サーフゴーにおいて最も比重を置いているのがこのドドゲザンであり、サーフゴーを絶対にドゲザン+不意打ちで倒さないといけないので黒いメガネ+振り切りという構成をとっています。SVはトレンドの移り変わりが激しく、サーフゴーの耐久力は不特定要素となりやすいのでH振り切りのサーフゴーを落とせない限りは攻撃を全く妥協する気がありませんでした。

素早さを振った速いドドゲザンとなっていますが、これは先に耐久から計算していてドドゲザンとして成立耐久力のギリギリを攻めた値で残りを振れるだけ素早さに振った形となっています、

一応ヘイラッシャ+1という同族以外の大義名分も持った速度ではありますが、正直このドドゲザンは同種の素早さ合戦という意味では攻撃振り切り前提というハンデを背負ってる関係で体感3割~4割は負けてるので過信はできません。

そして実態としてはドラパルトの鬼火も組み合わせて行動保証に対する保険はかけています。
実際そんなことしているならSを抑えてもいいように思えますが、Sを抑えたニンフィアの上をとれるかどうかも対ニンフィアにおいて立ち回りの負荷軽減できるかどうかで重要な要素だったので、この値でも振っていた方がトータルで使いやすかったです。
もしドドゲザンの素早さを抑える場合は、代わりに後述するマリルリを速くすると思います、

技はけたぐりとアイアンヘッドが選択で最終日はアイアンヘッドを使っていましたが、ドラパルトを選出しなかったり、選出したとしても火傷を入れて数ターン後に敵のドドゲザンを都合のいいタイミングで処理する際にけたぐりがないと困る局面が多かったのでけたぐりの方が正解に近いと思っています。

テラスタイプに関しては単純な単体性能が一番強い悪タイプの採用で、自分がドドゲザンが単体性能2強だと思ってるのは悪テラス込みの話だったりもします。

エスパー0倍を残しながら炎弱点を消せるので対グレンアルマの観点でも重要ですし、何かしらの要因でドラパルトが早期に処理されたりテラスを切らないパターンになった場合ドドゲザンの単体性能に頼ることも多いです。

対ヘイラッシャ耐性の話でも語りましたが、基本的には4体全てが生存した状態で対戦が進むので、特性に関しても総大将はほとんど性能に期待ができない且起動してる時は盤面が崩壊してると思っているので負けん気が無難です。

初手でものまねハーブケンタロスを引いたとしても、マンダ交代の威嚇+ドラパルトの鬼火で簡単に無力化できるのでものまねハーブ返し耐性も構築単位で高いです。

 

 

ウルガモス

181-*-86-182-126-152

火力

モロバレルをオバヒで一撃突破できる範囲を広くするために可能な限り高く物理耐久

205ドドゲザンの黒いメガネテラスタル不意打ち耐え

特殊耐久

C1.194グレンアルマの75%Fワイドフォース耐え

素早さ

準速(スカーフ以外のサーフゴーを全て抜きたい)

 

ニンフィア等の構築の穴になりがちな特殊方面の相手を対応してくれるポケモンであり、何よりも対イエッサングレンアルマの切り札でもあります。

最大の特徴がものまねハーブの採用であり、グレンアルマの砕ける鎧にものまねハーブを反応させることでワイドフォースの上から虫の抵抗を打つことができるようになります。特に、ものまねハーブは砕ける鎧と弱点保険が同時発動した場合全部コピーする仕様があるので、そのパターンに入ったらその対戦はほぼ勝ちが確定します。
ニンフィアののどスプレーやイエッサンのサイコシードにも反応する為、トリルイエッサングレンアルマまで対応した戦術であることや対ニンフィアでも貢献してくれる点ではとても綺麗な採用となりました。

テラスタイプは上記の対グレンアルマに従って悪テラスとしています。
ものまねハーブが反応したら素のタイプでも問題ないのではないかと思う所はありますが、イエッサンのサイキネで削られる、グレンアルマがバックして2週目の対面が発生した際にエスパー無効にできないとウルガモスの体力がもたないパターンが明確に確認できたので悪テラスは必須であると判断しています。

技は説明済みの虫の抵抗を除くとオーバーヒートはよっぽど展開が上振れてない限りは蝶の舞までは積み切れずに局所的な対応を求められることが多いため、ドドゲザンサーフゴーモロバレルに対して確実に仕留める技ないしセグレイブに対する最大打点として採用しています。

ただ炎技は実際の所は炎の舞との選択で、オバヒと炎の舞は強いタイミングが全く異なっており、上記の迅速処理が必要なシチュエーション以外の暇な時に打つ炎技としては炎の舞が圧勝しています。ウルガモス運用時はそのどちらにも遭遇するためどっちが正解だったかは今でも結論が出ていない所でもあります。

ちなみに熱風は中途半端な打点でセグレイブの熱交換を反応させたりコノヨザルの憤怒カウントを悪戯に進めてしまうので不採用としました。
蝶の舞は基本的な仕事が虫の抵抗炎技守るで完結してるので、単体性能を上げる技としての採用をしていて対ニンフィア性能も上がります。ただし本当はこの枠はセグレイブの火力を削いだり弱点をとれる技があれば理想だったのですが、ウルガモスの技の中にはその条件に合致する技がテラバーストしか存在しなかったので諦めました。

数値設定は素早さ⇒耐久⇒火力の順番で決めており、素早さは構築全体がゆっくり立ち回る都合で相手のサーフゴーの行動回数を増やしがちなのでそこを緩和するためというのと追い風が絡まないサーフゴーは確実に削りたいのでサーフゴーまで抜きたいという理由で準速にしています。ただ基本的に対サーフゴーはドドゲザンで行っているので素早さは最速グレンアルマ+1の140まで落とすことは可能です。

耐久力はドドゲザンの前で行動を保証した耐久力を確保しているのと、対グレンアルマの際、相手の取り巻き次第で最初にテラス切らずに様子見⇒2手目以降テラスを切るか再考するパターンがあるので虫の抵抗入れた後の保険ワイドフォース耐えるようにしています。悪テラスなら虫の抵抗で倒しきってしまうことがほとんどですが、イルカマンのクイックターンで起動している場合は虫等倍の元タイプのままなのでここで必要な数値になります。

火力面がオバヒを採用しているのにモロバレルを打ち漏らすのが嫌だという理由で残りを振れるだけ振ってD120程度あるモロバレルも倒せるようにしていますが、現行の物理耐久ではセグレイブの巨剣突撃を耐えることができないので物理耐久を厚くして出せる相手を増やすのも選択肢だったように思えます。決めないといけないことの優先順位が低めな事柄だったので期間中にここまで結論が出せませんでした。

 

マリルリ

201-112-106-*-101-71

火力

瓦割で222-113セグレイブ2発
水テラスアクアブレイクアクアジェットでB実数116サーフゴーに最低ダメージ182

物理耐久

204カイリューの鉢巻飛行テラバーストを82%で耐え

特殊耐久

C2.194グレンアルマの75%Fワイドフォース耐え

素早さ

最遅グレンアルマ-1


ドラパルト、ボーマンダ、ドドゲザンを中心とした受け回しする際に水タイプが欲しいため採用しています。これもドラゴン鋼が入ると水が補完として綺麗であるという定石の補完方法ですね。
具体的な理由としてはヘイラッシャを受け出せる駒を増やしたい、セグレイブに対して受けて戦いたい、雨パに出した際に飛行弱点を使いたくないという理由で水タイプを求めていました。

この手の直線的な攻撃と受けしかできないポケモンを補完で採用すると、よくギミックに弱い構築ができるのですが、この構築は対ギミックを先に全部解決していて残りの課題が相性補完周りだけになった為、素直な補完ポケモンを採用するリスクがほとんどなかったのがとても大きかったです。
後はアイススピナーを習得してマリルリ自信がギミックに対する回答を得たのがあまりにもでかいです。
技の特徴はじゃれつくを切ってアイススピナーと瓦割の氷+格闘の構成で採用していることです。これは元々仮想敵となるドラゴンタイプはどうせマリルリを見たらテラスを切るため実質的に通りが悪いのであまり期待できなかったためです。
サザンドラには鋼変換を考慮して瓦割、カイリューガブリアスには飛行や地面への変換を考慮としてアイススピナーを使った方が一貫しやすいです。

そして何よりもアイススピナーがマリルリがずっと求めていた神の技であり、今まで苦手だったサイコフィールドを簡単にはがせる上にアイアンローラーと違って平時で使っても草やドラゴンに対する打点として成り立ってる為、マリルリの水タイプを中心とした挙動をサポートする理想的な技としか言いようがないです。本当にこの技はマリルリの使いやすさを各段に上げました。

格闘技は馬鹿力との選択肢になりますが、瓦割の段階でドドゲザンを9割近くけずれることと、セグレイブも2発で落とせるラインは達成しているので、安定して居座れる方を採用しています。

数値面は簡単にいうとHAをいい感じにいじくっただけのいつものマリルリです。そもそもマリルリは元のA種族値が低いのでここを削ると調整先の大義名分以前の所で大幅な性能ダウンを起こすのでよっぽどなことがない限りはAは振り切りだと思っています。

ドドゲザンと同じような対サーフゴー性能や対セグレイブの重要な駒な上で瓦割2発の達成ラインがほぼ全振り部分なので仕事観点でも実際切れないです。

ドドゲザンの項で少し触れましたが、マリルリとドドゲザンの素早さはどっちかを速くしてもう片方は遅くするいう方針で考えていて、これによって仮に突然トリル系のグレンアルマを引いても対応しやすくなります。

今回はマリルリが単純に数値が低くて素早さを振ると無茶が発生すると判断してドドゲザンの方を速くしました。また、トリルグレンアルマの耐性はアイススピナーが使えるマリルリの方が高い側面もありますし、ウルガモスがどうしても出せない時にイエッサングレンアルマ相手にマリルリのアイススピナーで立ち回る動きをすることがあることからも保険ワイドフォースまで耐えてもらう必要がありました。

耐久面はD方面がH実数201で上記の必要分を確保できたので若干Bに偏らせています。これは元々が物理環境なのもありますし、突撃チョッキを採用して守れないので一撃で落ちる可能性は可能な限り減らしたかった要因が大きいです。ちなみに純粋にHAで振り切ると鉢巻テラバーストを耐える確率が75%まで下がります。

突撃チョッキの採用は、総括記事で書いた極力守るを採用したいという観点と矛盾しているアイテムなのとこの構築自体守るをうまく使うことが重要なので採用に関しては最初は迷いましたが、そもそもマリルリの基礎スタッツが低いので持たせないと数値が足りない、突撃チョッキ自体は行動を保証するアイテムである、セグレイブ相手にしながらアイススピナーまで使おうとすると技4つ全部攻撃技である必要があるということでそれを加味しても突撃チョッキの方が有効だと判断しました。

テラスタイプは、火力面の説明で書いたように対サーフゴー第2の駒としたいので水技の火力アップをしてさらにサーフゴーを相手にする際に邪魔なフェアリーを消せる水で採用しています。
草抵抗のテラスは構築単位でマスカーニャを捌きやすいのと飛行弱点になるか水等倍になるかのどちらかで雨パに切りにくいのでなくても特に困らないです。
違うテラスタイプの候補を探すならワイドフォースを0倍にできる悪や憤怒の拳を0倍にできるノーマルあたりが候補になります。

 

キラフロル

159-*-101-182-111-151

素早さ

最速(同族及び80族~90族が密集している為。コノヨザルは可能な限り抜きたい。)

 

対イッカネズミコノヨザルの回答札です。
イッカネズミコノヨザルは中途半端な火力で殴ってくる敵に無類の強さを誇っており、この構築のその要件を綺麗に果たしてしまっていて最大の課題でした。
この指や怒りの粉で叩きを吸いながらロングゲームを仕掛けるなら絶対にコノヨザルを攻撃しない動きをしないといけないのですが、ドラゴンアローが勝手にコノヨザルを狙ってしまうので現実味がありません。

そもそもイッカネズミの処理速度も遅い構築なので挑発が絡むとすぐにまた袋叩きができる状態を作られてしまいます。
イッカネズミコノヨザルに対して構築のメインコンセプトを維持して戦える唯一のポケモンが、キラースピンでイッカネズミごと毒にして且となりのドラパルトと一緒に逃げているだけでコノヨザルを削りに行けるキラフロルのみでした。

実際採用してからはきっちり突破はしてるのですが、この対処法自体は知らない相手からしたら竜テラスドラゴンアローという脅威が見えているドラパルトから狙いたくなるからそこを身代わりで逃げながらキラースピンを無償で撃てたという背景ありきでもある気はするので、安定感のある対策とはいえないかもしれません。後述するテラスタイプの見直しで改善ができるのではとは思っています。
といっても、対コノヨザルを抜きにしてもキラフロルはフェアリーに弱点を付ける、どくびしやキラースピンの毒ばらまきがドラパルトの動きとすごく相性が良いという観点からそもそも構築的な相性が良く採用自体は大正解でした。被ダメを抑える代わりにスリップの入りが遅い火傷中心の立ち回りと被ダメは抑えられないがスリップの入りが速い毒中心の立ち回りを選択できるようになったのはでかいです。

技はパワージェムの枠が毒状態の技になったよくある4つで、サーフゴーを殴ってもらわらないと困るので大地は切れませんでした。

テラスタイプを暫定草で試していて、そもそも切ることがなかったので妥当性をきっちり判定できなかったのですが、一番テラスタルが生きるタイミングが憤怒の拳やワイドフォースを避けるタイミングだと思った為、本当は悪かノーマルが正解だったように思えます。

ちなみに特性は腐食の可能性も十分にあると思っていて、腐食を採用するとモロバレルを毒にできる点は理論上魅力的でした。ただ運用時流石にどくびしばら撒いた状況はシンプルに強かったので毒化粧で問題はないと思っています。

 

3.その他

 

3-1.誰も素早さ操作できないけど問題ないの?

結論からいうとそこはほぼ気になりませんでした。

総括記事で書いた通り、今の環境は素早さ操作中に単調な動きしかできないので守るできっちり時間を稼げば十分な切り返しができたこと、何も素早さ操作がない環境下だと基本的には自分側が採用しているドラパルトが一番上をとっているという点で自分の考えるSVの環境定石にのっとった切り返し方で対処可能でした。

先制攻撃による対応を主流としているのでそもそも実数値で勝負していない事、今まで先制攻撃軸の制圧で癌になりやすかったサイコフィールドをマリルリ自身が剥がせるようになったことで先制攻撃の完全な封殺が汎用性がイエッサンよりは低いリキキリンぐらいしかなくなった点も後押ししていました。

 

3-2.違う候補の軸

 

結論とした構築以外にも、ギャラドスガブリアスを軸とした違うパターンも調整していました。

こちらは鉢巻ガブリアスの対コノヨザルやキョジオーンの解決能力の高さが魅力で、特にヤミカラスが採用されたパターンでは嫌な音+地面テラス鉢巻地震でコノヨザルをフレンドガードの上から貫通して倒すなんて芸当も出来ました。

しかし、ギャラドスの遂行速度が遅く敵に圧をかける能力が低くてダメージレースで負けやすかったこと、ヤミカラス採用段階だと水耐性がなさ過ぎてヘイラッシャに勝てなくなるという本末転倒な事態が発生したので没となりました。

ヤミカラスの枠はモロバレルとかトロピウスとか水耐性があるポケモン試していましたが、結局大きな解決には至りませんでした。ただこちらはこちらで今の構築が苦手なイッカネズミにコノヨザルに強いというとても大きな強みがあるので時間があれば詰めて使い分けるとそれはそれで強かったのかもしれません。

 

 

4.最後に

とても長くなってしまいましたが、新作がでて2か月という短い期間でダブルでこういう納得感がある構築が一つ組めたのはかなり久しぶりに思えます。

SVは本当に歴代世代の中でもテラスタイプの確保は大変だし環境はよく変わるしものすごく忙しい世代でしばらくは自信が持てなかったのですが、なんとかシリーズ1で一つ形に残せて本当によかったと思っています。

ただ一部時間がなくて綺麗に結論が出せなかった要素もあったので、次の構築はその辺も綺麗に詰めた状態でシーズンを終わらせたいですね。