皆さんこんばんは。
今回は8世代の記事ではなく、旧世代の構築の話になります。
自分は3世代からずっとポケモンを対戦勢としてやり続け、多くの構築を公開したわけですが、その中でもまだこのブログ上で残っていないものを蔵出しして書いていこうと思いたって、今回の話題となりました。
今の世代で活用できる内容ではないので、単体の解説とかは簡素なものとなります。
今回はBW1環境で使ったダブル版のユキトドグライです。
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
トドゼルガ | 滝登り | 絶対零度 | 身代わり | 守る | 食べ残し | アイスボディ |
グライオン | 燕返し | 剣の舞 | 身代わり | 守る | 毒々玉 | ポイズンヒール |
ユキノオー | 吹雪 | ギガドレイン | 岩雪崩 | 冷凍ビーム | 拘りスカーフ | 雪降らし |
クレセリア | 冷凍ビーム | 電磁波 | リフレクター | 光の壁 | メンタルハーブ | 浮遊 |
ボルトロス | 10万ボルト | 電磁波 | 挑発 | 守る | オボンのみ | 悪戯心 |
バンギラス | 岩雪崩 | 噛み砕く | 電磁波 | 守る | 気合の襷 | 砂起こし |
■5世代前提知識
特性による天候はターン制限がなく永続で続く
電気タイプも麻痺状態になる
悪戯心は悪タイプに無効にされない
混乱の自傷率は50%
音技とすり抜けは身代わりを貫通しない
■概要
グライオンとトドゼルガによる守る身代わりの無限ループによる制圧を決める構築です。
グライオンは直近で使えた7世代においても同様の戦術が有名ですが、天候ターンが無制限の5世代ではトドゼルガもグライオンと並ぶほどの要警戒ループポケモンという立場でした。
しかし当然それはシングルバトルの話であり、集中攻撃で崩すことができるダブルバトルでは主流な戦術とは言えませんでした。
そこで、麻痺をばらまいた上で上記無限ループ戦術が取れるポケモンを横並びにすることで両方の無限ループを一度に切り崩されないようにするという発想で構築を組みました。
1.必ずどちらかのループは成立する。
トドゼルガのループは霰天候に依存するものなので、ユキノオーを先に出した後にバンギラス等を出されてしまうと無限が成立しなくなります。
特に、バンギラスはトドゼルガに砂ダメを入れて回復を許さないので当時では一番主流な無限トドの切り崩し方の一つでした。
しかし、逆にグライオンは砂ダメを受けないのでこちらは砂中でもループを成立させることができます。
当然グライオンが唯一定数を受ける霰はトドゼルガのループ条件の天候なので、この2匹が同時にループができない状況は基本的に起こりえません。
理想は霰状態を維持してトドが無限、グライオンが半無限ループを繰り返しながら盤面制圧をしていく状況です。
2.3種類の麻痺撒き要因
この構築はループ戦術を支える上で麻痺をサポートに使うことにしていますが、ループ要因のグライトドと霰起動役のユキノオーを除いた残り3匹全てが麻痺巻き要因と麻痺を撒くルートを大変広くとっています。
選出も先発グライオン後続トド+ユキノオーで完全固定と言っていいぐらい固まっていて相手によって麻痺撒き要因を選択します。
麻痺を撒くための技は全て電磁波なので地面タイプを麻痺にはできませんが、ループ要因のトドグライと天候起動要因のユキノオー全てが地面タイプに強いポケモンとなっているので、その点は問題になりにくいです。
3.コンボ系構築耐性がとても高い
第5世代でもパーティ単位で大掛かりなコンボを仕掛ける構築は多数存在し、最も主流なのがデスカーンラッキー(=現在のメレシーラッキー)で、他にもシンプルビームを絡めた能力を高速でバフさせて相手を詰ませる構築なんかもありました。
この構築はこれらの詰ませるタイプのコンボ構築に大変高い耐性を持っていました。
理由は言うまでもなくトドゼルガの絶対零度とグライオンの剣の舞+燕返しのという構成の2点にあり、これで相手の回避率も耐久力も無視して時間さえかければいづれこっちが勝つ仕組みになっていました。
ただし、滅びパ(当時はソーナンス+プリンみたいな組み合わせでした)に関しては言うまでもなく相性が悪く、この場合ループを捨ててバンギラスやユキノオーで殴りかかるプランをとる必要があります。
■個別解説
トドゼルガ
実数値 211-100-110-*-117-128
ループ要因・・すなわちコンセプトの軸1号といった所ですね。
シングルでは下から身代わりを張ってループするという考え方がある関係で遅いトドもいました。
しかし、この構築が麻痺を絡めることとそもそもダブルバトルである以上集中のリスクが常にあって下から身代わりの旨味がないので最速に設定しました。
シングルと違って隣にグライオンを置くこともあって波乗りを攻撃技に選べないので、塩水か滝登りのどちらかから選択する必要があります。
今回は、麻怯みによるループ維持率アップも含めて滝登りを選択しました。
ただし、滝登りは接触技で炎の体が反応してしまうことがある為、ウルガモスは極力グライオンで倒すようにしましょう。
グライオン
実数値 177-127-146-*-96-154
先発から出てきて最初から最後まで逃げ続けるループ要因2号です。
トドゼルガはループ成立時に耐久力の高いポケモンを倒す技として絶対零度を採用していましたが、こちらはハサミギロチン不採用で燕返し+剣の舞という構成をとっています。
数ターン先の状況を見据えやすい戦術であることも理由の一つですが、一番大きいのが対デスカーンラッキーに対する答えであり、上記ステータス設定によるA6段階燕返しで、デスカーンからガードシェアを受けたラッキー(357-139*1.5)の身代わり62%で壊すことができます。
これにより、常時ラッキーに身代わりを張らせ続けることを許さずトドゼルガの絶対零度を当てるチャンスを増やしたり、燕返しの急所待ちによる突破を狙ったりもできます。
素早さは最低154以上担保(当時は控え目ジュエルボーマンダが多かった)を目標にして設定しており、BW2以降だと麻痺が入らない霊獣ランドロス+1の158は欲しいという気持ちが少しありますが、ラッキーの身代わりを壊せる確率を減らしてまでとるかは悩ましい所です。
ユキノオー
実数値 165-100-96-144-105-123
この構築のユキノオーは同じく5世代で使ったノオーロトムと違って本当に霰を降らせるだけが一番のメインとなっています。
しかし、出した後何も仕事をしないわけにもいかないので、このユキノオーはグライオントドゼルガ両方に対して打点を持つボルトロスの高速処理を実現してもらうような構成をとっています。
そのため、ボルトロスの攻撃よりも上をとれるように拘りスカーフを採用しており、ワイドガード持ち相手にも実現できるように冷凍ビームまで採用しています。
麻痺を入れ損ねたウルガモスと鉢合わせても岩雪崩で半分程度削ることも可能であり、とにかく出た後はループポケモンの苦手な相手をどかすための動きをします。
クレセリア
223-*-142-96-153-150
麻痺巻き要因その1で、特に理由がなければクレセリアが麻痺撒き要因として出てきます。
電磁波以外の大きな特徴としては両壁の採用であり、これによりグライオンの身代わりがバンギラスの岩雪崩で壊れなくなったり、本体がめざパ氷を被弾しても回復が間に合うレベルで耐えることができます。
この構築はクレセグロスと違って麻痺を撒くだけでもう目的値としてはゴールなので一度真剣に相手に打つための威張るの採用も考えましたが、両壁が先を見据えられるプランとして実用性も十分に高かったので両壁に軍配が上がりました。
実数値及び持ち物は当時使ったクレセグロスと全く同じ思想で、最低限麻痺をまくという観点ではこれが一番という認識は今も変わりません。
ボルトロス
186-*-90-145-136-140
麻痺巻き要因その2で、主な選出先はトリパや雨等純粋な先手後手関係で上をとられやすい相手に対して選出します。
構成は当時から6世代中まで猛威をふるい続けた耐久ボルトロスであり、5世代時はラティオスの流星群やキングドラの雨珠ハイドロポンプが指標になっていた為、ほぼHD特化になっています。
技構成は威張る抜きの挑発守るとなっており、挑発は分かりやすいコンボ技防止策やサポートなしで打ってくるトリルを止められたらという発想での採用でしたが、ここに関しては相手に打つ専用の威張るを採用してしまってもよかった気がします。
バンギラス
175-186-130-*-121-124
麻痺巻き要因その3で、相手にウルガモスやシャンデラといった高火力炎タイプがいる構築に対して出していきます。
クレセボルトだとどうしても電磁波が入り切るよりも打点をばらまかれすぎることが想定されるため、高火力炎タイプの処理速度の高さやけん制する能力が必要になります。
バンギラスが麻痺を撒くためにはバンギラスが単純に一撃で倒れないことが大事なので、AS襷にして1匹も麻痺を入れることができない状況を回避しやすくしています。
ただし、クレセボルトに比べると明らかに短命なので、麻痺を撒く制度は上記2匹よりも悪いです。
■ 今この構築を振り返って
自分は5世代中は大量の構築を作りましたが、面子という観点ではその中でも特に異色な構築の一つですね。
といっても4世代のクレセグロスサンダーの使い方を覚えたあたりからまもみが残飯+麻痺のギミックは好きな仕組みの一つであり、そこの究極系とも言えるのがこのダブル版ユキトドグライです。
BW2環境でも基本的には問題なく戦えますが、麻痺が入らない霊獣ボルトロスが若干面倒なので、BW1の方が戦いやすいです。
オフでは第2回rouオフと第4回しゃでオフに持ち込んでおり、rouオフの方はベスト4まで行きました。
これは今にして思う反省となるのですが、ボルトロスとクレセリアで出てきた通り当時相手に打つための威張るを過剰に嫌っていたのがよく出ているなというのが一つの感想です。
当時から相手に威張るを積極的にプレイする思想は、BW中期から1個のダブル界隈のネタ化として定番(戦術自体は強いです)になってきたのも拍車をかけて常に嫌っていたのですが、この構築に関しては相手を止めるということに特化している為、クレセリアもボルトロスも威張るを試すべきだったと今では思います。
また、概要で書いた通りコンボ系構築に非常に強い構築でもある為、コンボ系の構築を使う人が多かったつのオフに一度持っていきたかったという気持ちもありました。
こんな感じで蔵出しできていない構築がいくつかかるので定期的に紹介していこうかなと思います。