ポケモンSVシリーズ1ダブル使用構築 まもみが残飯ドラパルトSVバージョン

 

昨日のシリーズ1総括記事の話を元にどんな構築を自分が作ったのかというお話です。

この構築は1/29日のきゅーぽけオフダブルで優勝して、ランクマッチではシーズン2の最終順位がメインロムサブロムで54位と62位にはなっています。

 

1.構築概要

 

まもみが残飯ドラパルトを軸にした構築です。
剣盾時代に一度まもみが残飯ドラパルトを詰めていた時期があり、その時はあまり強くなかったという結果に終わった過去がありましたが、今回は本当に強い構築として完成させられたと思っており当時のリベンジにもなりました。
構成自体は古臭さすら覚えるような受けを重視したグッドスタッフですが、基盤となっている戦術のヘイラッシャ耐性がとても高い所が最大のポイントとなっています。

 

1-1.SVのドラパルトの立場
剣盾のドラパルトは癖の強い技を全てダイマックス技として単純に強い技として打てた点と、ダイドラグーンの攻撃ダウンも含めてダイマックス中弱点で落ちないので特に状況を選ばず殴るという行為だけでとても強いポケモンでした。

しかしながら、当然SVにはダイマックスはなく技も耐久力も元々のドラパルトのポテンシャルで戦う必要が出てくるし、パルデア地方にはマスカーニャやドドゲザンといった超高火力の不意打ちが使えるポケモンが2匹も環境にいることや、得意だったドラゴン同士の殴り合いでは上をとってもテラスタルのタイプ変換によってそもそもこっちのドラゴン技で縛れているとは限らないといったように、下準備なしで上をとって殴ることの信頼性が落ちていることから流石に雑運用で既に強かった剣盾よりダブルにおける立場は悪くなっています。

といつつもドラパルトの素早さ自体はシリーズ1どころかパラドックスポケモンや準伝説も含めた上でマルマイン以外のすべてのポケモンに勝っているという絶対正義に等しい点、カイリューの神速が強いという環境の前提がありゴーストタイプである事実はプラス要素として働いています。

技に関しても幅広く強い攻撃技が使える状況ではなくなりましたが、ドラゴンアロー自体は物理ドラゴン技の中でも超高性能な技であり、事実盤面を作ってから最後にドラゴンテラス鉢巻ドラゴンアローで詰める動きは脅威度が高い動きで対面したらしっかり対策しなければならない程度の認識は持たれています。

総括するとドラパルトは剣盾時代に比べると単体性能がピーキーになってしまいましたが、ドラゴンアローを始めとした一部の技をこの素早さから打つ挙動自体は準備さえすれば強いままであると言えます。

 

1-2.今回のドラパルトの型決定について

では、メインとなっている今回のドラパルトの型方針はどうやって決めたのかというと、ドラパルトが使える技の中で強いものが限られているならば本当に強いものだけを安全圏から撃ちまくるという考えが今回の構築方針です。

世間で主流な鉢巻ドラパルトは採用技4つ中でドラゴンアローだけが強くて次点でとんぼ返りが使う価値がある、他は局所的な運用だけで基本使わないという強い技が少なくなっていることが顕著に表れている構成をしています。

ドラパルトは攻撃技に関してはほぼドラゴンアローだけが強い状態であり、それ以外は鬼火や壁といった補助技の方が神速を無効にするタイプや素早さの観点から優秀であり、今回はドラゴンアローと鬼火は強いからそれを身代わりの中身という安全エリアから使い倒すというのがコンセプトとなっています。

余談ですが、剣盾の時に祟り目ではなくドラゴンアローを連射するコンセプトはダメだったのかと言われると、剣盾ではこの指役にフェアリータイプで受けながらドラゴンアローを吸ってしまうトゲキッスがいたのでドラゴンアローだけを攻撃の軸にすることができませんした。

 

1-3.構築のメイン軸の対ヘイラッシャ性能の高さ
冒頭で書いた通りこの構築最大のポイントはメイン軸がシャリタツヘイラッシャの寿司コンボにとても強い点で、最後まで詰めることになった最大の理由となっています。
ドラパルトは合体したヘイラッシャより速いので上から鬼火を入れられる点、ドラパルト自身はまもみが残飯で攻撃が何回も直撃しないように立ち回れるため、ドラパルトの隣で水抵抗の威嚇を回すことで合体したヘイラッシャを特殊な技なしで封殺することができます。
こちらは個体数を4匹維持しながら戦うことがメインコンセプトなので眠るヘイラッシャがTODを仕掛けてこようとしても個体数負けがないどころか下準備で個体を1体失うことが多いのはヘイラッシャ側なのでTODはむしろ勝ちパターンとなりますし、ドラパルトがフェアリーテラスタルなのでいっちょうあがりによるステータス修正による切り返しもフェアリードラパルト+マリルリorドドゲザンという並びでほぼほぼダメージが発生しないハイリスクな行動にすることができます。

 

 

2.個別解説

 

ドラパルト

193-157-97-*-96-195

火力

ドラゴンアロー*2で167-111サザンドラが落ちる

物理耐久

A-1.162マスカーニャの1/2道具叩き落とすで身代わりが壊れない
205ドドゲザンの1/2黒いメガネテラスタルドゲザンで身代わりが82%で壊れない
1/2一致イカサマで50%で身代わりが壊れない

特殊耐久

177サザンドラの1/2悪の波動で75%で身代わりが壊れない

素早さ

最速タイカイデン+1

 

構築の軸でこのポケモンの説明の半分ぐらいは概要で書いている内容ですね。

概要に書いていない大きな特徴としてはフェアリーテラスタルの採用です。

概要で書いたように強力な不意打ちが沢山飛んでくる=悪タイプが大量にいるという状況は本来ドラパルトにとってはかなり都合が悪いのですが、その逆境を全てひっくり返す一手であり、耐久の項目に書いてある通り逆に多くの悪タイプの攻撃を起点に身代わりを残すことができるようになります。

その都合上ほとんどの場合ドラパルトでテラスタルを切るので、構築上はドラパルトがフェアリーである前提のタイプバランスをしています。

数値設定面は素早さ耐久⇒火力の順番で設定しています。

耐久の目的は上で書いた通りで、素早さは最低でもマスカーニャは抜いてほしいので193が下限、一つ上にタイカイデンがいてしかもタイカイデンが採用されいてる構築はとても前のめりな動きをしてきて素の速度で上をとることがすごく重要なのでタイカイデンまで抜かせる195に設定しました。
195はファイアローと同速ですが、ファイアローはそもそも初手は颯の翼で動いてくる上にその初手は大体追い風を使ってきてさらに素早さで負けてるターンが長く、195の素早さで同速合戦をすることがほとんどないと判断したので火力を優先しました。

特にタイカイデンは初速の追い風よりもドラパルトの行動が先である点が重要で、タイカイデン+サーフゴーの初手に対して守るではなく身代わりから入ることが許されているのでそれができるタイカイデンとできないファイアローには素早さを抜く価値の差がとても大きいです。
火力は言ってしまえば残分なのですが、ドラゴンアロー連射モードに入った時に、最低限脅威としてして成り立つ火力であることが重要だと考えており、そのラインは並以上の耐久を持つサザンドラがドラゴンアローを集中的に食らったら落ちるこのラインでした。

絶対にサザンドラを落としたいという意思があるわけではなく、単に火力が高い方が価値が高いシーンが多いと判断しただけなのでどうしても素早さが気になるなら1だけ素早さに回しても支障はないです。

技に関しては概要で書いた通りですが、当たり前なんですけどこの技だと構築単位で対ニンフィアをかなり頑張ることになってしまったので、構築コンセプト的には変わってしまいますが身代わり⇒ゴーストダイブにした構築を模索するのもありだと思っています。

ちなみに特性は実はクリアボディ以外の他二つ全部候補になっていて

身代わりするドラパルトが流行り出した場合(実際はなかった)⇒すり抜け

ニンフィアのハイボを封殺できる可能性を作りたい⇒呪われボディ

といったような可能性を考えていましたが、結局敵の水ケンタロスなどから威嚇を受けるとドラゴンアローの脅威度が無になってしまうのでクリアボディが一番無難だとは思います。

 

 

ボーマンダ

171-187-100-*-100-167

火力

鉢巻アイアンヘッドで202-86ニンフィアを81%で1発
(鉢巻飛行テラスダブルウイングで202-86ニンフィアが98%で落ちる)

素早さ

最速

 

ヘイラッシャを倒すプラン、身代わりを残すプラン、火力アップアイテム持ちガブリアスの攻撃を耐えるプラン諸々が威嚇を前提にした設計なので威嚇要因が必須となっています。ヘイラッシャの横で回すので威嚇要因は水の耐性が必要でドラパルトの身代わりを残すには隣がある程度前のめりに殴って圧相手に圧をかけてもらう必要があるため、その条件を一番満たしやすいボーマンダを採用しました。試す時間がなかったですが、他の候補としては水ケンタロスも一考できると思っています(ただし、後述するマリルリが諸々の対策にかなり綺麗にハマったので水ケンタロスにする場合マリルリの枠も別に探さないといけない)。

技道具数値テラスタイプは基本的にはニンフィアを倒せる確率を上げるためというのが根幹の理由となっています。

最初は意地っ張り+飛行テラスで使っていてニンフィアの主流なテラスタイプ関係なくダブルウイングを使えば倒せる可能性があるという構えをとっていましたが、ボーマンダが準速だとサザンドラウルガモス、最近増えた最速コノヨザル等のポケモン相手に窮屈でニンフィア以前の問題だったので最速運用として、ニンフィアの削りは最速を前提にした上の努力目標という方針になりました。一応HCニンフィア程度ならアイアンヘッドで落とせますが、総括記事で書いた通りこういう対策は極力テラス前後関係なく等倍で通る技で行うべきであり、しかもニンフィアは実態として耐久効率を求めるとC振り切りを前提にすると181-106みたいな物理耐久になるのでH振りだけが落とせる状態はそもそもあまり信用できない火力ラインです。

この耐久力は意地っ張りでしか対応できない為、少し削れたニンフィアを打ち漏らさないという程度の採用になっていました。

陽気にしたことで飛行テラスで刺しきれなくなったのでバンギルガルガン相手に投げた時に切れる可能性がある、他のテラス切りを確認した後ならどんなニンフィアでもアイアンヘッドで一撃で倒せるようになるという方針から最終的に鋼テラスでの採用となりました。

技はダブルウイングとアイアンヘッドは上記の通りとして、瓦割はドドゲザンを突破するための採用、岩雪崩はウルガモスカイリューに効率のいい打点を入れられるかどうかでゲームテンポの作りやすさが全く違うので採用しています。ウルガモスは一見ダブルウイングでも対応できますが、2回接触して炎の体を誘発しやすいので、その対策も兼ねています。

 

ドドゲザン

189-205-141-*-106-88

火力

黒いメガネドゲザン+不意打ちで183-116ガブリアスが落ちる
黒いメガネドゲザン+不意打ちでB実数116サーフゴーに等倍で最低ダメージ186

物理耐久

205ドドゲザンの2総大将2倍弱点けたぐり耐え(悪テラス状態で被弾想定)

特殊耐久

178ニンフィアハイパーボイス2発耐え
178ニンフィアの弱点テラバースト耐え
194グレンアルマの珠アーマーキャノンを等倍で94%で耐え

素早さ

可能な限り速く。準速ヘイラッシャ+1までは確保。

 

ドラゴンタイプを中心に組んだら鋼タイプと相性がいいというのはもはや道理であり、ドドゲザンはドラパルトの元タイプのゴーストが苦手なタイプを悪で受けられる、総括で書いた通り単体性能2強判定しているので入れない理由がありません。

対サーフゴーにおいて最も比重を置いているのがこのドドゲザンであり、サーフゴーを絶対にドゲザン+不意打ちで倒さないといけないので黒いメガネ+振り切りという構成をとっています。SVはトレンドの移り変わりが激しく、サーフゴーの耐久力は不特定要素となりやすいのでH振り切りのサーフゴーを落とせない限りは攻撃を全く妥協する気がありませんでした。

素早さを振った速いドドゲザンとなっていますが、これは先に耐久から計算していてドドゲザンとして成立耐久力のギリギリを攻めた値で残りを振れるだけ素早さに振った形となっています、

一応ヘイラッシャ+1という同族以外の大義名分も持った速度ではありますが、正直このドドゲザンは同種の素早さ合戦という意味では攻撃振り切り前提というハンデを背負ってる関係で体感3割~4割は負けてるので過信はできません。

そして実態としてはドラパルトの鬼火も組み合わせて行動保証に対する保険はかけています。
実際そんなことしているならSを抑えてもいいように思えますが、Sを抑えたニンフィアの上をとれるかどうかも対ニンフィアにおいて立ち回りの負荷軽減できるかどうかで重要な要素だったので、この値でも振っていた方がトータルで使いやすかったです。
もしドドゲザンの素早さを抑える場合は、代わりに後述するマリルリを速くすると思います、

技はけたぐりとアイアンヘッドが選択で最終日はアイアンヘッドを使っていましたが、ドラパルトを選出しなかったり、選出したとしても火傷を入れて数ターン後に敵のドドゲザンを都合のいいタイミングで処理する際にけたぐりがないと困る局面が多かったのでけたぐりの方が正解に近いと思っています。

テラスタイプに関しては単純な単体性能が一番強い悪タイプの採用で、自分がドドゲザンが単体性能2強だと思ってるのは悪テラス込みの話だったりもします。

エスパー0倍を残しながら炎弱点を消せるので対グレンアルマの観点でも重要ですし、何かしらの要因でドラパルトが早期に処理されたりテラスを切らないパターンになった場合ドドゲザンの単体性能に頼ることも多いです。

対ヘイラッシャ耐性の話でも語りましたが、基本的には4体全てが生存した状態で対戦が進むので、特性に関しても総大将はほとんど性能に期待ができない且起動してる時は盤面が崩壊してると思っているので負けん気が無難です。

初手でものまねハーブケンタロスを引いたとしても、マンダ交代の威嚇+ドラパルトの鬼火で簡単に無力化できるのでものまねハーブ返し耐性も構築単位で高いです。

 

 

ウルガモス

181-*-86-182-126-152

火力

モロバレルをオバヒで一撃突破できる範囲を広くするために可能な限り高く物理耐久

205ドドゲザンの黒いメガネテラスタル不意打ち耐え

特殊耐久

C1.194グレンアルマの75%Fワイドフォース耐え

素早さ

準速(スカーフ以外のサーフゴーを全て抜きたい)

 

ニンフィア等の構築の穴になりがちな特殊方面の相手を対応してくれるポケモンであり、何よりも対イエッサングレンアルマの切り札でもあります。

最大の特徴がものまねハーブの採用であり、グレンアルマの砕ける鎧にものまねハーブを反応させることでワイドフォースの上から虫の抵抗を打つことができるようになります。特に、ものまねハーブは砕ける鎧と弱点保険が同時発動した場合全部コピーする仕様があるので、そのパターンに入ったらその対戦はほぼ勝ちが確定します。
ニンフィアののどスプレーやイエッサンのサイコシードにも反応する為、トリルイエッサングレンアルマまで対応した戦術であることや対ニンフィアでも貢献してくれる点ではとても綺麗な採用となりました。

テラスタイプは上記の対グレンアルマに従って悪テラスとしています。
ものまねハーブが反応したら素のタイプでも問題ないのではないかと思う所はありますが、イエッサンのサイキネで削られる、グレンアルマがバックして2週目の対面が発生した際にエスパー無効にできないとウルガモスの体力がもたないパターンが明確に確認できたので悪テラスは必須であると判断しています。

技は説明済みの虫の抵抗を除くとオーバーヒートはよっぽど展開が上振れてない限りは蝶の舞までは積み切れずに局所的な対応を求められることが多いため、ドドゲザンサーフゴーモロバレルに対して確実に仕留める技ないしセグレイブに対する最大打点として採用しています。

ただ炎技は実際の所は炎の舞との選択で、オバヒと炎の舞は強いタイミングが全く異なっており、上記の迅速処理が必要なシチュエーション以外の暇な時に打つ炎技としては炎の舞が圧勝しています。ウルガモス運用時はそのどちらにも遭遇するためどっちが正解だったかは今でも結論が出ていない所でもあります。

ちなみに熱風は中途半端な打点でセグレイブの熱交換を反応させたりコノヨザルの憤怒カウントを悪戯に進めてしまうので不採用としました。
蝶の舞は基本的な仕事が虫の抵抗炎技守るで完結してるので、単体性能を上げる技としての採用をしていて対ニンフィア性能も上がります。ただし本当はこの枠はセグレイブの火力を削いだり弱点をとれる技があれば理想だったのですが、ウルガモスの技の中にはその条件に合致する技がテラバーストしか存在しなかったので諦めました。

数値設定は素早さ⇒耐久⇒火力の順番で決めており、素早さは構築全体がゆっくり立ち回る都合で相手のサーフゴーの行動回数を増やしがちなのでそこを緩和するためというのと追い風が絡まないサーフゴーは確実に削りたいのでサーフゴーまで抜きたいという理由で準速にしています。ただ基本的に対サーフゴーはドドゲザンで行っているので素早さは最速グレンアルマ+1の140まで落とすことは可能です。

耐久力はドドゲザンの前で行動を保証した耐久力を確保しているのと、対グレンアルマの際、相手の取り巻き次第で最初にテラス切らずに様子見⇒2手目以降テラスを切るか再考するパターンがあるので虫の抵抗入れた後の保険ワイドフォース耐えるようにしています。悪テラスなら虫の抵抗で倒しきってしまうことがほとんどですが、イルカマンのクイックターンで起動している場合は虫等倍の元タイプのままなのでここで必要な数値になります。

火力面がオバヒを採用しているのにモロバレルを打ち漏らすのが嫌だという理由で残りを振れるだけ振ってD120程度あるモロバレルも倒せるようにしていますが、現行の物理耐久ではセグレイブの巨剣突撃を耐えることができないので物理耐久を厚くして出せる相手を増やすのも選択肢だったように思えます。決めないといけないことの優先順位が低めな事柄だったので期間中にここまで結論が出せませんでした。

 

マリルリ

201-112-106-*-101-71

火力

瓦割で222-113セグレイブ2発
水テラスアクアブレイクアクアジェットでB実数116サーフゴーに最低ダメージ182

物理耐久

204カイリューの鉢巻飛行テラバーストを82%で耐え

特殊耐久

C2.194グレンアルマの75%Fワイドフォース耐え

素早さ

最遅グレンアルマ-1


ドラパルト、ボーマンダ、ドドゲザンを中心とした受け回しする際に水タイプが欲しいため採用しています。これもドラゴン鋼が入ると水が補完として綺麗であるという定石の補完方法ですね。
具体的な理由としてはヘイラッシャを受け出せる駒を増やしたい、セグレイブに対して受けて戦いたい、雨パに出した際に飛行弱点を使いたくないという理由で水タイプを求めていました。

この手の直線的な攻撃と受けしかできないポケモンを補完で採用すると、よくギミックに弱い構築ができるのですが、この構築は対ギミックを先に全部解決していて残りの課題が相性補完周りだけになった為、素直な補完ポケモンを採用するリスクがほとんどなかったのがとても大きかったです。
後はアイススピナーを習得してマリルリ自信がギミックに対する回答を得たのがあまりにもでかいです。
技の特徴はじゃれつくを切ってアイススピナーと瓦割の氷+格闘の構成で採用していることです。これは元々仮想敵となるドラゴンタイプはどうせマリルリを見たらテラスを切るため実質的に通りが悪いのであまり期待できなかったためです。
サザンドラには鋼変換を考慮して瓦割、カイリューガブリアスには飛行や地面への変換を考慮としてアイススピナーを使った方が一貫しやすいです。

そして何よりもアイススピナーがマリルリがずっと求めていた神の技であり、今まで苦手だったサイコフィールドを簡単にはがせる上にアイアンローラーと違って平時で使っても草やドラゴンに対する打点として成り立ってる為、マリルリの水タイプを中心とした挙動をサポートする理想的な技としか言いようがないです。本当にこの技はマリルリの使いやすさを各段に上げました。

格闘技は馬鹿力との選択肢になりますが、瓦割の段階でドドゲザンを9割近くけずれることと、セグレイブも2発で落とせるラインは達成しているので、安定して居座れる方を採用しています。

数値面は簡単にいうとHAをいい感じにいじくっただけのいつものマリルリです。そもそもマリルリは元のA種族値が低いのでここを削ると調整先の大義名分以前の所で大幅な性能ダウンを起こすのでよっぽどなことがない限りはAは振り切りだと思っています。

ドドゲザンと同じような対サーフゴー性能や対セグレイブの重要な駒な上で瓦割2発の達成ラインがほぼ全振り部分なので仕事観点でも実際切れないです。

ドドゲザンの項で少し触れましたが、マリルリとドドゲザンの素早さはどっちかを速くしてもう片方は遅くするいう方針で考えていて、これによって仮に突然トリル系のグレンアルマを引いても対応しやすくなります。

今回はマリルリが単純に数値が低くて素早さを振ると無茶が発生すると判断してドドゲザンの方を速くしました。また、トリルグレンアルマの耐性はアイススピナーが使えるマリルリの方が高い側面もありますし、ウルガモスがどうしても出せない時にイエッサングレンアルマ相手にマリルリのアイススピナーで立ち回る動きをすることがあることからも保険ワイドフォースまで耐えてもらう必要がありました。

耐久面はD方面がH実数201で上記の必要分を確保できたので若干Bに偏らせています。これは元々が物理環境なのもありますし、突撃チョッキを採用して守れないので一撃で落ちる可能性は可能な限り減らしたかった要因が大きいです。ちなみに純粋にHAで振り切ると鉢巻テラバーストを耐える確率が75%まで下がります。

突撃チョッキの採用は、総括記事で書いた極力守るを採用したいという観点と矛盾しているアイテムなのとこの構築自体守るをうまく使うことが重要なので採用に関しては最初は迷いましたが、そもそもマリルリの基礎スタッツが低いので持たせないと数値が足りない、突撃チョッキ自体は行動を保証するアイテムである、セグレイブ相手にしながらアイススピナーまで使おうとすると技4つ全部攻撃技である必要があるということでそれを加味しても突撃チョッキの方が有効だと判断しました。

テラスタイプは、火力面の説明で書いたように対サーフゴー第2の駒としたいので水技の火力アップをしてさらにサーフゴーを相手にする際に邪魔なフェアリーを消せる水で採用しています。
草抵抗のテラスは構築単位でマスカーニャを捌きやすいのと飛行弱点になるか水等倍になるかのどちらかで雨パに切りにくいのでなくても特に困らないです。
違うテラスタイプの候補を探すならワイドフォースを0倍にできる悪や憤怒の拳を0倍にできるノーマルあたりが候補になります。

 

キラフロル

159-*-101-182-111-151

素早さ

最速(同族及び80族~90族が密集している為。コノヨザルは可能な限り抜きたい。)

 

対イッカネズミコノヨザルの回答札です。
イッカネズミコノヨザルは中途半端な火力で殴ってくる敵に無類の強さを誇っており、この構築のその要件を綺麗に果たしてしまっていて最大の課題でした。
この指や怒りの粉で叩きを吸いながらロングゲームを仕掛けるなら絶対にコノヨザルを攻撃しない動きをしないといけないのですが、ドラゴンアローが勝手にコノヨザルを狙ってしまうので現実味がありません。

そもそもイッカネズミの処理速度も遅い構築なので挑発が絡むとすぐにまた袋叩きができる状態を作られてしまいます。
イッカネズミコノヨザルに対して構築のメインコンセプトを維持して戦える唯一のポケモンが、キラースピンでイッカネズミごと毒にして且となりのドラパルトと一緒に逃げているだけでコノヨザルを削りに行けるキラフロルのみでした。

実際採用してからはきっちり突破はしてるのですが、この対処法自体は知らない相手からしたら竜テラスドラゴンアローという脅威が見えているドラパルトから狙いたくなるからそこを身代わりで逃げながらキラースピンを無償で撃てたという背景ありきでもある気はするので、安定感のある対策とはいえないかもしれません。後述するテラスタイプの見直しで改善ができるのではとは思っています。
といっても、対コノヨザルを抜きにしてもキラフロルはフェアリーに弱点を付ける、どくびしやキラースピンの毒ばらまきがドラパルトの動きとすごく相性が良いという観点からそもそも構築的な相性が良く採用自体は大正解でした。被ダメを抑える代わりにスリップの入りが遅い火傷中心の立ち回りと被ダメは抑えられないがスリップの入りが速い毒中心の立ち回りを選択できるようになったのはでかいです。

技はパワージェムの枠が毒状態の技になったよくある4つで、サーフゴーを殴ってもらわらないと困るので大地は切れませんでした。

テラスタイプを暫定草で試していて、そもそも切ることがなかったので妥当性をきっちり判定できなかったのですが、一番テラスタルが生きるタイミングが憤怒の拳やワイドフォースを避けるタイミングだと思った為、本当は悪かノーマルが正解だったように思えます。

ちなみに特性は腐食の可能性も十分にあると思っていて、腐食を採用するとモロバレルを毒にできる点は理論上魅力的でした。ただ運用時流石にどくびしばら撒いた状況はシンプルに強かったので毒化粧で問題はないと思っています。

 

3.その他

 

3-1.誰も素早さ操作できないけど問題ないの?

結論からいうとそこはほぼ気になりませんでした。

総括記事で書いた通り、今の環境は素早さ操作中に単調な動きしかできないので守るできっちり時間を稼げば十分な切り返しができたこと、何も素早さ操作がない環境下だと基本的には自分側が採用しているドラパルトが一番上をとっているという点で自分の考えるSVの環境定石にのっとった切り返し方で対処可能でした。

先制攻撃による対応を主流としているのでそもそも実数値で勝負していない事、今まで先制攻撃軸の制圧で癌になりやすかったサイコフィールドをマリルリ自身が剥がせるようになったことで先制攻撃の完全な封殺が汎用性がイエッサンよりは低いリキキリンぐらいしかなくなった点も後押ししていました。

 

3-2.違う候補の軸

 

結論とした構築以外にも、ギャラドスガブリアスを軸とした違うパターンも調整していました。

こちらは鉢巻ガブリアスの対コノヨザルやキョジオーンの解決能力の高さが魅力で、特にヤミカラスが採用されたパターンでは嫌な音+地面テラス鉢巻地震でコノヨザルをフレンドガードの上から貫通して倒すなんて芸当も出来ました。

しかし、ギャラドスの遂行速度が遅く敵に圧をかける能力が低くてダメージレースで負けやすかったこと、ヤミカラス採用段階だと水耐性がなさ過ぎてヘイラッシャに勝てなくなるという本末転倒な事態が発生したので没となりました。

ヤミカラスの枠はモロバレルとかトロピウスとか水耐性があるポケモン試していましたが、結局大きな解決には至りませんでした。ただこちらはこちらで今の構築が苦手なイッカネズミにコノヨザルに強いというとても大きな強みがあるので時間があれば詰めて使い分けるとそれはそれで強かったのかもしれません。

 

 

4.最後に

とても長くなってしまいましたが、新作がでて2か月という短い期間でダブルでこういう納得感がある構築が一つ組めたのはかなり久しぶりに思えます。

SVは本当に歴代世代の中でもテラスタイプの確保は大変だし環境はよく変わるしものすごく忙しい世代でしばらくは自信が持てなかったのですが、なんとかシリーズ1で一つ形に残せて本当によかったと思っています。

ただ一部時間がなくて綺麗に結論が出せなかった要素もあったので、次の構築はその辺も綺麗に詰めた状態でシーズンを終わらせたいですね。

 

シリーズ1ダブル総括

スカーレットバイオレット1発目の記事です。
なんかまた空白期間が空いていますが、そこはあまり深く掘り下げずここでは戻ってきたとだけ書いておきます。

 

シリーズ1も終わり使った構築記事を上げてシリーズ2をさっさとやりたいところでしたが、構築記事を書く上でどうしてもこのシリーズ1自体の環境のお話が必要だったので前略としてSV環境の特徴及びシリーズ1のお話から書くことにしました。

 


1.SVの環境特徴

 

まずは、9世代時代の特徴の話から入っていきましょう。

 

①テラスタルポケモンに対する強化幅はこれまでのシステムと比べるとかなり控えめ

SV最大の目玉といえばタイプが変わるテラスタルです。

このタイプが変わるという事情自体はポケモンの相性関係の根底を覆すある意味で禁忌を破ったみたいなシステムですが、強化幅が今までより低いこと、何よりも使うと必ず強くなるとは限らないというのがこれまでのシステムと違う点でしょうか。

6世代以降続いてきた特殊システムにおいて、耐久面は大体1.3~ターン限定のダイマックスで最大2倍の引き上げ、火力も1.5倍~火力特化したZ技に関しては2倍と引き上げの幅がかなり大きいのですがテラスタルは耐久数値が全く変わらないですしタイプ一致技の強化幅も1.33倍(1.5→2倍)なのでこれまでより火力面耐久面両方でかなり強化幅が控え目です。

また、単タイプのポケモンが同タイプにテラスタルしない限りは耐性面が変わり、裏を返せば元々持っていた有利耐性は消えてしまうことも意味しているので、切り方を間違えると本来勝てたはずの相手に負ける事象も発生し、盤面次第ではテラスタルを切らないまま対戦が終わることも十分に存在します。

これにより、歴代シリーズよりもポケモンの単体性能はシステム的には落ち着いたと言え、テラスタルは単純強化というよりは違うポケモンに成り代わる(ターン消費なしで交代してるイメージ)性質変化の側面がとても強いシステムと言えます。

なのでダイマックスの場合は先切り後切りどっちが強いかみたいな話題が出ていましたが、テラスタルは先切りとか後切りの概念というよりは後の対面まで考慮した相性考慮の方が重要になってきます。

 

②守るの価値がとんでもなく高い

このタイプ相性の禁忌に触れたテラスタルというシステムですが、切られていない限りは対面の相性有利不利なんてものは実質的に存在しないに等しいです。
なので、素早さとタイプ全て含めた有利対面を作ったとしてもそこで殴りかかる行為が今までは安定行動だったのに今作では見切り発車的になるシチュエーションがかなり多く、守るで様子を見ることの重要性がとても高くなっています。

また、守る不採用のポケモンでも隣でワイドガードをすれば限定的に見切り発車を防ぐこともできるので、ワイドガードの価値も個人的には歴代世代より高いです。

副次的には、現環境に限ってはトリックルーム、追い風等の時間制限付きのS操作技中に特殊なコンボをすることがほとんどなく単調な攻撃しかしないので、素早さ制御で返せるかどうかよりも守るで逃げ切る手段を持っているかどうかの方が分かれ目になることも多いです。

 

③等倍で倒せるプランの重要性
環境が固まるとテラスタイプの候補もある程度固まるわけですが、それでも大体テラスタイプ候補はタイプ相性上の一貫を切ったものが多く、弱点を突いて倒す前提のプランは候補が絞られていても見切り発車になりやすいです。

なので、SVにおいては候補のテラスタイプ全てを等倍で通る状態がかなり重要となります(シリーズ1後半から流行った飛行テラスカイリューはその典型例)。

特に拘りポケモンはこのセレクトがとても重要になってきます。

 

 

2.シリーズ1の特徴

ここからシリーズ1の特徴のお話となります。

 

①ヘイラッシャ(寿司コンボ)が最強のポケモンとして君臨

ヘイラッシャとシャリタツのコンボ通称寿司コンボがこの環境では間違いなくシリーズ1の最強のポケモンとして定義できたと思っています。
あらゆる仕様がずるいことで有名なポケモンですが、環境目線では以下の理由となります。

 

・素早さラインの都合上S2倍ヘイラッシャを抜けるポケモンがとても少ない

ヘイラッシャは準速87、最速95で基本的に考慮するべく素早さが174~190付近となりますが、シリーズ1は100族を超えているポケモンすら少ない環境ですので、基本的にはヘイラッシャの上をとることができません。

これによりどのような対策をとるにしてもまずヘイラッシャに動かれる前になんとかできるポケモンがいきなり大きく絞られてしまう事象が発生しています。

 

・あまりにもテラスタルと相性が良すぎる
個人的にはヘイラッシャを最強たらしめている一番の要因がテラスタルでシリーズ1で一番テラスタルとテラバーストを使いこなしてるポケモンだと思っています。
正直今の仕様だろうが水タイプ固定ならいくらでも誤魔化せたのですが、ヘイラッシャはテラスタルで性質変換を行いしかも全ステ2倍アップで等倍の殴り合いもほぼ負けない為、テラスタルが存在する世界観での定石を全て否定してきます。

このテラスタルが後押ししてヘイラッシャに無茶苦茶なカスタマイズ性が生まれている為、ヘイラッシャが強いというお話も一枚岩ではなく、実質的にはヘイラッシャという同名の違うポケモンが環境に沢山いる現象が起こっています。

これによりヘイラッシャを崩すためには、黒い霧やクリアスモッグなどの型に依存しにくい限定的な技を要求されることが多く、これらは使用者の汎用性の低さや回せるサイクル数が少ないことが多いため、後述する単体運用の実現性も含めてヘイラッシャ側が動きだけで対応する術を持ってしまっています。

ただし、マスカーニャが抑止力になっている関係で候補テラスが実質草抵抗のタイプのみに絞られていたのが幸いといったところでしょうか。


・ヘイラッシャ単体運用の段階でそもそも強い

まず種族値の段階でBとDがひっくり返ったカビゴンなので単体で既に強いです。
単体で欠伸で流す、ウェーブタックルで殴るという待ち行為ができる為、行動選択肢の多さや何よりも単体選出の実現性がしっかり高くヘイラッシャ側の性質も行動も本当に選択肢が広く取れます。ついでにシャリタツが残党処理として何故か結構強いのはとてもよくないと思います。

個人的に一番強いと思ってるヘイラッシャは欠伸採用型の動きのモードチェンジができる型で、本気で詰める構築の候補の一つでした。というかこれ一人でカバマンダしてるのと同じなんですよね。

 

余談
といっても個人的には全ステ2倍アップと天然に関してはバランス上ある程度納得がいっている仕様だったりします。
というのも

全ステ1段アップだとそもそも2対1で勝てる性能になっていないから使う価値がない。
天然がないと猫騙し+積み技、威嚇+積み技などで簡単に起点にされてヘイラッシャ討伐後裏も全抜きされる。

という二つの観点からそもそもこの二つがないと対戦で耐えうるコンボとして誰も使ってくれないので、確かにここまでは納得がいきます。

自分が本当に性質上やばかったと思ってるのはテラスタルと相性良すぎた点とウェーブタックルを習得したことの二つだと思っていて、テラスタルはさっき語った通りでウェーブタックルがなかったら受け出しできるポケモンがもっと多かったので対処法も広かったように思えます。

 

 

②他の強い構築とヘイラッシャの対抗策があまりにも違いすぎる

前提としてヘイラッシャが最強生物として君臨してる考えはほとんどの人がもっていると思いますが、別に構築自体はヘイラッシャしかいないわけでもなく対抗勢力がいます。

他に上げられる強構築がイッカネズミコノヨザル、イエッサングレンアルマ、ヤミカラス系グッドスタッフ(=ヤミカラスサーフゴー)の3つでヘイラッシャ込みでシリーズ1の4強(ヤミカラス系抜いて3強だという人もいますが)だといわれることが多く、ここは自分も同意しています。

 

で、シリーズ1の難しい所がこれらの対策有効札と対ヘイラッシャがあまりにも違いすぎる点にあります。

 

・イッカネズミコノヨザル
高火力の単体攻撃をぶつけてイッカネズミを一撃突破できるポケモンを用意してフレンドガード持続時間を短くする
候補のテラスタイプ全部に対して等倍で殴れる超高火力全体攻撃をぶつける(ワイドフォース、火力アップ持ちガブの地震etc) ※低火力全体攻撃は憤怒の火力を盛るだけなのでNG
憤怒の拳を抵抗以上に抑えられるポケモンを並べてコノヨザルの遂行速度を遅める

 

・グレンアルマイエッサン
とにかくエスパーの一貫を切った上でプランを考える
ワイドガードをちらつかせる

※動きがとにかく前のめりなのでテンポを落としながら崩すことを考える

 

ヤミカラス系グッドスタッフ

まず前提として初手のサーフゴーを最低被害で流す

※2発目のゴールドラッシュが打てない且隣がほぼ無傷な状態を作る。ただしヤミサーフ側はサーフゴーだけで倒しきる気はなくて削った所をスタート地点にしてるだけなのであくまでこれは対処法のゴールではなくただの対戦が続く権利

ヤミカラスイカサマが打点として生きない盤面を極力作る

 

・ヘイラッシャ
黒い霧、クリアスモッグなどの特殊な対策を当てる
ウェーブタックルを耐えるポケモンで構成する
  
対ヘイラッシャ以外はある程度共通項がある(悪タイプが有効だったり、地面タイプを利用した殴り合いが有効である点)のでこの3つだけをなんとかするとなると比較的現実的に構築が組めます。
が、ヘイラッシャは、水耐性や特殊ギミックという全く真逆のポケモンを要求している点がとても厄介で、ガブリアスカイリューという他3つに対応しやすいポケモンはヘイラッシャに手も足も出ないことが多いです。
環境目線だと最終的にはクリアスモッグと単体性能を両担保したグレンアルマを使うのが一番精神衛生上楽だと判断した人が多いようにも感じました。(最後の方は単騎採用も目立ちました。)

 

 

 

③単体性能が強い2強

ここまで話してきたのはコンボ規模で強いポケモンでしたが、個人的にコンボ性全部抜きにした単体性能が高いポケモンとしてカイリューとドドゲザンの2強だと思ってました。

 

カイリューは語るまでもない現行の9世代で使える全てのポケモンの中でテラスタルとの相性抜群の単体性能がシングルダブル共々最強のポケモンです。
型もシングルでいる炎の渦カイリューなどがダブルにも流入してきたり、雨パだと特殊で殴ってきたりと幅広いですが、流石に2対1で勝てる性能はしていない為、鉢巻等の火力面での脅威度が高い型以外は見てからも対応が追いつきやすい側面はあります。

それでも2体1を強要しているポケモンでもあるので単体性能は最強格です。

 

ドドゲザンはまさに令和のメタグロスといえる存在で、元々の4~5世代のグロスよろしく6割⇒4割の削り方が得意なポケモンである為、隣が6割削ってくれるダブルの方が攻撃面の適正はシングルより高いと感じています。
特に悪鋼状態と悪単状態を使い分ける前提で理論上ほぼ全てのアタッカーとタイマンで殴り勝てる点がとても強く、苦手な相手に対する高い補完も相まって本当に昔のメタグロスを思い出させるポケモンです(というか数値的にも絶対メタグロス意識して作っている)。

 

個人的に最終版の構築にこの2匹のどちらかはかならず入った状態のものを結論としたいと思っていました。

 

3.最後に

 

とりあえず、シリーズ1の環境面のお話としてはここまでとします。

構築記事を書く上で分けないとゴチャゴチャしてしまうという理由で分けましたが、これはこれで書きたかったのでちょうどいい機会でした。

 

 

 

 

 

がにゅーオフ vs 東北オフ 選抜チーム対抗戦使用構築 全国ダブル式ドラパニンフィア

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構築記事書くのも久しぶりですが、先週行われたがにゅーオフ vs 東北オフ 選抜チーム対抗戦での使用構築の紹介となります。

 

www.youtube.com

 

 一応シリーズ9は過去作の事例では全国ダブルに相当するルールですが、厳密には現行のルールってそもそも剣盾に全てのポケモンが参戦していないので全国ダブルといっていいのか少し怪しいかもしれません。

ただ、このブログタイトルとしては便宜上全国ダブルと記載しています。

 

 

1.概要

弱点保険ドラパルトを中心にした構築です。
コンボの組み合わせも8世代が始まった直後から活躍していたドラパルト+電光石火ニンフィアとなっています。
ニンフィアはドラパルトと一緒に攻撃する+コンボ起点両面ができるという点で未だに弱点保険ドラパルトと組み合わせる上での唯一性が高く、オーロンゲやGファイヤー、一撃ウーラオスといった盤面作りや切り返し用のポケモンとして悪タイプが多くみられる現環境ではそれらをどかす手段としても有効です。
基本ムーブはニンフガエンポリ2のどっしりと構えたポケモンで流すように動いて中盤からドラパルトを中心とした高速ポケモンで切り返す流れとなっています。

 

 

1-1 シリーズ9の中心ポケモン

 

そもそも今回の構築の軸を決めるにあたってシリーズ9は誰が中心になっているのかを考える必要があります。
冠リリース後、大量の準伝説ポケモンが環境に現れしかもサマヨール、ドラパルト、リザードン等といった鎧環境で強かったポケモンも駆逐されることなく生き残ってるものが多いため、要注意とされるポケモンがとてつもない数になっていて正直収拾がついていないです。

 

こんな環境の中、誰が本当の環境の中心にいるのかと考えたところ自分はレジエレキと弱点保険持ちのダイマックス鋼タイプの二つに焦点を絞ることにしました。

 

レジエレキは常識外れの素早さと特性の火力から現環境で構築を考える上でレジエレキに制圧される状況は話にならないという共通認識を皆持っているでしょうし、このポケモン1匹がまた7世代のコケコvsランドの構図のごとく環境の中心を電気タイプに対する地面タイプの構図を復活させました。

また、メタグロステッカグヤを始めとした高種族値かつ特性で威嚇やバークアウトで簡単に停止しない保険採用鋼タイプも大変パワーの高いポケモンであり、必然的に主力攻撃が耐久力をさらに上げるダイスチルが採用され、メタグロスはダイアースも容易に採用できることから弱点を突いたら裏目があるのに等倍攻撃もほぼ通らなくなるという事態になり対処難易度も危険度も高いです。

自分はこの弱点保険鋼タイプの危険度の高さが大きな起因となってリザードンみたいな高火力炎タイプの価値が高い環境だと思ってるぐらいです。

 

他にも本当に様々なポケモンがいる環境ですが結局シリーズ9はレジエレキvs地面タイプ、鋼タイプvs炎タイプ の構図が全ての基本になっていると思っており素直にこの勝負を仕掛けるか割り込みを挟めるポケモンが有益だと考えていました。

 

今回採用したドラパルトはこの環境に割り込みを入れることができるポケモンであり、レジエレキに対してはエレキネットすら受け付けない電気耐性持ち、鋼に対してもメタグロスには弱点をとりテッカグヤのS+1よりも速い素早さで殴り合いができるという点で鋼とも十分戦える性能だと判断しました。

 

1-2.対レジエレキの考え方

レジエレキを捌くというのは単に地面タイプを入れればそれで解決するという簡単な話ではありません。

初手で有利をとるだけならば地面タイプ+何かを合わせればいいだけなので簡単ですが実態は驚異的な素早さによるボルトチェンジで逃げられたり、初手対面だとウーラオスの不意打ちなどは余裕で圏外なので大体は倒しきれずに一度下げられてしまいます。

 

そのため、対レジエレキを考える上では最初に対面して逃げられる→再度出てきたときに倒すという2回捌く流れが完成しているかがとても重要になります。

自分の構築の場合サンダー以外全てのポケモンがレジエレキの攻撃でほぼ一撃で倒されないという特徴があり、特に初手は耐久が高いニンフィアエンポリ2で盤面を作る為、エレキネットの影響も小さいです。

そして後続からさらにタイプ面も強くダイジェット1回でレジエレキを抜かせる素早さを持ったドラパルトでゲームエンドに持ち込むプランになっている為、2週目のレジエレキにも隙を見せない構図になっています。

この構築は地面タイプを採用していないので一見するとレジエレキに好き放題されそうに見えますが、上記の手順でレジエレキを捌くルートを構築しています。

 

2.個別解説

 

ドラパルト
163-189-95-*-96-194

火力
130ダイホロウで187-151メタグロス乱数下二つ以外1発
130ダイドラグーンで177-161コータス乱数下二つ以外2発

 

構築の軸です。

個体単体としての特徴は意地っ張りにしている点があげられます。

火力面が振り切りでちょうどメタグロス1発ラインなので、弱点保険と組み合わせるとダイマックスしても貫通することができて、対弱点保険鋼タイプの要件を綺麗に満たすことができます。

素早さも実数194がちょうどSランク1でフシギバナに対応しているラインであり、そもそもダイジェット1回でレジエレキを抜かせる素早さの最低値が186であることからも落とす理由がありませんでした。

最速にしない事のネックはドラパルトミラーとレイスポスですが、ドラパルトミラーは冠以前よりは発生率が下がったこととレイスポスはレジエレキの攻撃を電気タイプなしで流せるぐらいの耐久力を持ったポケモンで固めていることからレイスポスにも同じことができる為、対応できると判断しました。

 

ニンフィア
201-*-98-165-151-81

B

167ボルトロスの珠130ダイジェット耐え
172ドラパルトの珠130ダイホロウ耐え

D

174テッカグヤの130ダイスチル耐え
167レジエレキの珠140ダイサンダー耐え

 

採用理由自体はこちらも概要の段階で述べているためそこは省略します。

序盤の立ち回りがドラパルトが出てくるまで流すことを重視している点と高火力特殊のダイマックスを強く誘発するポケモンなので、欠伸を採用しています。

特にニンフィア本体は特殊ならば火力補正のないテッカグヤに落とさない耐久力をしているので、初手でダイマックスしたテッカグヤに欠伸を入れることに成功したら大幅に有利になります。

持ち物はメタグロスの前で無理やり欠伸を打てるリリバか迷いましたが、積極的に狙われやすい性質をしている以上鋼と対面した時に結局リリバ込みでも許容できるHPが限られていて持っている意味がなかったなんてことがありましたし、珠ダイマックス技をギリギリ~2割残しで耐えるような耐久設定にしていてピンチベリーが強く生きる局面が多いのでピンチベリーの採用となりました。

ステータス面はヨロイ環境の個体を使いまわしている為実態は防御を2~3ぐらい落とせるのですが、流石にS+2でウーラオスを抜かせないのは響くことが多いので1でもいいのでSに回すべきでした。

 

ガオガエン
201-155-111-*-126-92

D

C1.167フシギバナの珠130ダイアース耐え
C1.197レイスポスの珠110ダイアース耐え

S

最速モロバレル抜き
S+2で177ボルトロス抜き

 

ダイマックスなしでフシギバナを流せる駒+ゴーストや悪を流すために採用しています。

鎧以前はD126程度あれば高火力の特殊水ぐらいしかガオガエンが一撃で倒されるリスクがなかったですが、冠以降は等倍でも無理やり貫通してくるレジエレキやガオガエンが止める手段のない手助けダイアースで貫通を狙ってくるレイスポスがいることから、突撃チョッキを持たせることの有用性が上がりました。

最初に書いた通りレジエレキに対しては地面タイプなしで流すプランをとっていることから高火力設定のレジエレキに倒されないことは重要であり、このガエンは実数152の手助け珠ダイサンダーにまで対応しています。

素早さはドラパルトのダイジェットの恩恵を大きく受ける設定値にしましたが、鎧環境と違って最速モロバレルの存在もいなかったり明確に抜かしてアドバンテージがあったジュラルドンも無視できるぐらいの採用率の為、実数84まで落として物理耐久力に割り振ってよかった気がします。

バークアウトの枠をD.D.ラリアットをはじめとする物理悪にするとガエンをダイマックスさせる選択肢をよりとりやすくなりますが、序盤固いポケモンで流す際仮想敵であるレイスポス、特殊水やテッカグヤを鈍らせることが重要であるため、バークアウトを採用しました。

 

連撃ウーラオス
175-182-120-*-81-163

 

シリーズ9は水タイプがゴリランダーとレジエレキに対して行動制限がかかりやすい為、水タイプの採用を考えずに行ってしまうと簡単にそれらへの一貫ができてしまいますが、対セキタンザンを考えた時にどうしても水タイプが欲しくなりました。

敵のセキタンザンに対してダイウォール以外で逃げることを許さず、ドラパルトのダイマックス技ととても相性がいいことからこの枠は連撃ウーラオスが適任だと判断しました。

ドラパルト単体だとダイマックスランドロスと殴り合いを行う際にケースバイケースで勝てたり負けたりと不安定な一面もあるので、ランドロスの上から致命傷を入れることができる点も評価点でした、

明確に仕事をこなしてほしいという名目で採用しているので、最初にあげた水タイプが直面する行動制限を一番回避できる気合の襷を採用しています。

技は目的と一致しているインファイト水流連打見切りまでは説明不要として、ラスト1枠に挑発としています。

元々上記3つの技で基本的にやりたいことが完結しており、ラスト1枠は挑発としました。

前のめりな動きとこれ以上な動きと嚙み合っているアクアジェットや隣のドラパやガエンを強くできるコーチングも試しましたが、ウーラオスが先頭に出ているときはサンダーやドラパルトと並んでいることが多くとにかく単調な攻撃しかできない為、キノコの胞子、欠伸、トリックルーム等の絡め手をきっちり止めることができる挑発は前のめりな動きを阻害されない点で一番しっくりきました。

 

サンダー
166-*-105-177-110-167

 

この枠に一番求めた要件は一撃ウーラオスをはじめとしたドラパルトの苦手な相手に対して代打として戦えることです。

簡単にいうとこの構築の裏エースであり、ドラパルトの代わりに選出してダイマックスしても強いしドラパルトの隣で殴っても強いです。

サンダーがドラゴンの苦手な相手を幅広く相手にできることはラティオスが強かった時代からの知見であり、ラティオスと近い有利不利関係を持ったドラパルトにも当然該当します。

構成は本当に単純な最速CS珠の攻撃技のみの構成であり、基本的にはダイマエースにしようがドラパの隣で殴ろうが高出力で攻撃することしか行いません。

ダイマックスするしないの選択肢が広いポケモンである為、選出時も固いポケモンで盤面を作る基本戦術に固執せず、初手から出して盤面を見てからダイマの有無を決める動きも可能です。

 

ポリゴン2
191-*-134-126-135-82

B
168エースバーンの一致珠飛び膝蹴り耐え
182ウーラオスの珠インファイト耐え

D

152レジエレキの手助け珠130ダイサンダー耐え

 

この枠は最後までかなり悩んだ枠であり、要求は特殊水に明確に強いがっしりとしたポケモンであることです。

というのも序盤の盤面作りの基本形であるガオガエンニンフィアカプ・レヒレに対しての圧が弱く、早々にダイマックスを切られて手助けダイストリーム等でガオガエンを一撃突破されたりしたら盤面を作るも何もない状態になってしまいます。

フェアリーでもある為、初手でドラパルトで強硬突破する手段をとろうとしても珠を持たれるとダイフェアリーで返されてしまうので序盤の固いポケモンで流す過程の中に水タイプを流せる駒が必要でした。

ドラゴンタイプが軸の構築でカプ・レヒレを流す際にこれ以上なく理想的なのが受けることも倒すこともできる草タイプなのですが、問題はその流れからナットレイやゴリランダーを採用すると構築全体で素早さを制御する手段がダイジェットのみになるため、エルフーン系の追い風構築に簡単に制圧されてしまう問題が発生します。

というわけでトリックルームができることも実質的に条件に加わったのですが、草タイプでトリックルームができるポケモンかスペックで水タイプを抑え込んで怪電波で弱体化を狙えるポリゴン2のどちらかとなり、流石に単純な性能やトリルが使える草タイプは全てゴーストかエスパーが複合していてドラパルトと苦手な相手がだだ被りしていた為、ポリゴン2の採用に決定しました。

ちなみに。この候補に挙がった草タイプの中には大真面目に原種ナッシーがいて、もし本採用になっていた場合はがにゅのチームにナッシー使ってる人が二人いるというとんでもない事態になっていました。

攻撃技はトライアタックの採用としていますが、対ランドロスはウーラオスを絡めたプランで完結していることとレジエレキを流す際に単純にタイプ一致で2発でレジエレキを倒せることが重要だった為、こちらを採用しました。

数値設定はヨロイ環境から使っている物理も特殊も行動が保証されたステータス設定で、冠以降でもレジエレキの手助け珠ダイサンダーの対応しています。

ただライジングボルトや控え目レジエレキには貫通させられてしまうので、BとDのバランスは今の環境向けに弄る余地があるかもしれません。

 

最後に

 

去年の王者決定戦以降いろんな心境があってポケモン以外の事に時間を割くことが多かったのですが、久しぶりに本気で作った構築でした。

剣盾における全国ダブルは、結局何がこの環境の中心にいるのかずっと分からないまましっくりとした構築が組めず、今回でやっとそこが見えてきたように思えます。

といっても多数のポケモンのステータス設定だったりポリゴン2の枠だったりと個人的にはもう少し一考の余地がある部分は多かったです。

 

後はこの構築は自分の好みがすごく露骨に出てしまっているなとも思っています。

自分自身7世代で主流だった電気タイプvs地面タイプという構図がかなり苦手で、ドラゴンが一番強くその対抗馬に鋼が出てくる環境の方が好きな昔の思想を引きずった一面があります。

今回は電気タイプがコケコでないことをいいことに電気vs地面にドラゴンで対抗する選択肢を選んでいる為、この辺の引き出しはもう少し広く持つべきだと感じました。

正直ドラパルトってポケモンが剣盾にいなかったら僕は一体どうしてたんだろと思います()。

 

2020年総括

今年もあと一日ということで毎年恒例のポケモンの総括となります。

前置きはなしでいきなり本題から入っていきます。

 

 

1.今年の成績

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今年はついに初の公式大会全国出場を達成したのみにならず、いきなり成績上は全国3位入賞にまでたどり着くことができました。

残念ながら新型コロナウイルスの影響で世界大会は中止となり、世界大会に行くことはできませんでしたが、ここまで来るのにポケモンリーグ2004から始まって16年かかっているため、本当に大躍進だったと言えます。

また全国大会以外にも

ランクバトル → 最終30位以内2回

PJNO(全国大会出場権利者のみを集めた非公式大会) → ベスト32

バトルレジェンド → 23位

と平均値も大変高く一年単位で区切ると間違いなく今年より成績が高い年は存在しないと思っています。

 

 

2.今年の取り組み方

 

今年は明確に去年までとやり方を変えました。

コンパクトにやったことを羅列すると

A.情報の入り口を増やす

B.絶対に勝ちたい大会1か月前以内になるまでは絶対に自分で構築を作らない

の2点となります。

 

Aは簡単にいうとTwitterで現役でダブルやってる人をフォローしてTwitterに構築の情報が流れてくるようにして毎シーズン全てローカルに構築画像を保存すること、Bは自分で構築を作るという行為をせずにAによって得られた大量の構築をコピーして試すという行為をひたすら繰り返して絶対に自分でパーティを作ったりコピーした構築の構成を変えないという取り組みをしていました。

ただし、Bに関してはレンタルをそのまま使うのではなく個体は自分で計算してステータスを決めた上で全て自前で用意したものを使っていました。

 

上記の取り組みは何が発端で起こったのかというと今までの自分には以下の問題点があったことに起因しています。

a.自分が知らないことに対して対応能力が低い

b.環境初期に自分で作った理論が固定観念として後半まで残ってしまう

aは例えばサマヨールとポットデスが並んでいる相手に対して影打ち弱点保険の選択肢を知らずにそのまま負けてしまうみたいな分からない殺し、フシギバナ解禁直後であればフシギバナに眠り粉を打たれて何ターン先に何が起こるのかわからないまま動きの計画が立てにくいといった知識の範囲外に対する対応力ですね。

これを上げるためにはそれらが何をしたら負けるのかを知る必要があり、あらゆる構築を試すという行為が必要でした。

bの方は去年のWCSルールであるサンシーズンのまとめ記事なんかがそうなんですが、最初に作った自分の中の強い弱いを中盤以降の環境変化に対してなかなか切り替えができずに序盤は勝てるけど中盤以降勝てないことが多いという問題がありました。

 

知識を増やして且固定観念にも捕らわれないという状況を作るためには逆に各ルールの序盤は自分で考えずコピーした構築の感想をありのままに知識として増やしていき、環境が安定した段階で一番勝ちたい大会のために最後に自分で考えた構築を持ち込むというスタンスをとることにしました。

 

この取り組みは間違いなく大当たりでだからこそ今年は良い結果が出たのかなと思っています。

 

3.今年の構築

 

今年は成績が良かったので必然的に満足度の高い構築がかなり多かったのです。

それらの構築全体の特徴としてはダイマックスできるポケモンの選択肢が広いものを好む傾向にあり、特にトゲキッスに関してはバンドリドラパキッス以外は全てダイマックスできる選択肢を残してる程でした。

 

その中でも今年の最高傑作はどれかといわれるとPJNOで使用したジェットトリルバンギラスになります。

 

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この構築はダイマックスのタイミングも個体も自由自在でとれる行動の選択肢が非常に広いという特徴を持っています。

努力値振りも6匹全て252振り2カ所で完結しているものが存在しないガッチガチの数字武装されているのでそこもお気に入り要素の一つですね。

BO3向けということで若干命中率が低い技で多く構成している点と速いロトムがかなりきつかったという2点が難点として残っていますが、元々ヨロイ島リリース後十日程しか作る猶予がなかった中で作った構築でもあり、その割には十分すぎる完成度になったかなとは思っています。

 

4.最後に

 

ではこれだけ結果が出たなら今年は満足だったかといわれると実は王者決定戦以降から今に至って本当に元気がない状態が続いています。

 

まず王者決定戦の対戦内容は、正解を選べたかという観点で自己評価すると点数がめちゃくちゃ低い対戦内容で、気づいてる人からはそういう風にしか見えていなかったんじゃないかということをかなり気にしていました。

また、それとは関係ない要素からも元気がでるような要因がなかなかなく基本的に元気がでるような状態になかなかなれないです。

冠リリース後は基本的にそれらしい結果を一切出せていないどころかそもそも触るモチベーション自体が致命的に低下しているというとまるで王者決定戦までの私は自分ではない誰かだったんじゃないかと思えるぐらいになっています。

 

来年の全国大会の権利も持っている状態で次のステージは確約されているところからスタートなので、年末にこの気持ちを置いて来年からは元気にやっていけないとまた残念な結果に逆戻り・・というかそれ以前に気持ち的にしんどいのでなんとかしたいんですけどなんとかして気持ち的に元気になる方法を探したいと思ってます。

 

 

 

バトルレジェンドレポート

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皆さんこんにちは。

王者決定戦が終わって以来気持ち的にあんまり元気ではない期間がかなり長く続いてた関係で、剣盾が始まって以来ではブログを書く期間がかなり間が開いてしまいました。

王者決定戦までにおける今年のWCS2020への取り組みの記事はまた後日書くとして、今回は先週末行われたバトルレジェンドに関する記事です。

今回のバトルレジェンドは、最初に書いた通りあんまり元気がない=ポケモン以外のこともしている時間が多かったこともあり、練度や調整量は剣盾で組んだ構築の中でもかなり低かったにも関わらず最終順位23位と比較的高い成績を残すことができました。

というか自分が特殊ルールの公式大会で上位30位以内になれたのはこれが初めてだったりします。

いつもならばここで「構築記事」という形で構築紹介に焦点を当てた記事を書くところですが、今回は個体にバトルレジェンド用の計算がされたものがいないことや勝ちの要因も細かい部分ではなく構成やルールに対する性質理解の方が大きく貢献したので、自分が考えるバトルレジェンド自体の考察をメインにした記事として投稿することにしました。

 

 

1.禁止伝説と一般ポケモンの関係

バトルレジェンドにおける禁伝と一般ポケモンの関係はこれまでの世代とは少し異なっています。
というのも、ダイマックスというシステム自体がスタッツを何倍も底上げする仕組みである為、ダイマックスした一般ポケモンダイマックスしていない禁止伝説より性能が高いことが多いです。
分かりやすい例だと素のリザードンがレシラムと戦うと、エアスラの怯み連打に頼りでもしないとリザードン側がタイマンで勝つことがほぼ不可能ですが、ダイマックスしてダイアースを使えばダイマックスをしてないレシラムに負けることはほぼなく、このシステムは一般ポケモンと禁伝の種族値差すら簡単に埋めてしまうシステムと言えます。
これにより、今までの禁伝有りのルールと違って、ダイマックスを一般枠に渡せば禁伝を差し置いてエースとなることも可能です。

以上から、バトルレジェンドにおける構築方針は禁伝にダイマを切るパワー集中型と禁伝+一般ダイマポケのパワー分散型の二つに分類されると言えます。

 

 

2.上記性質の例外ポケモン

ただし、ダイマ一般ポケ>非ダイマ禁伝の強さ関係を簡単に打ち破ってしまう禁止伝説がいて、それが8世代から登場したザシアン、ザマゼンタ、ムゲンダイナの3匹です。
これらの3匹はご存じの通りダイマックスした相手に威力2倍となる技をそれぞれ持ち、これは事実上相手のダイマックスの耐久上昇を無効にしていると読み替えられます。
ダイマックスした側は火力も上がってはいますが、元々禁伝である以上元々の高種族値、特にザシアンは無条件攻撃アップという規格外の特性も持っているので火力方面も簡単にダイマックスポケモンと競り合うことができ、つまりはこれら3匹に対してダイマックスしない状態で殴り勝てるポケモンでなければダイマックスしても勝てないということになります。
ただしこの3匹はダイマックスを切れないので、猫騙しを無視した強行突破や耐久の底上げができないというデメリットはついていますが、そもそも非ダイマポケモンが涼しい顔をして大多数のダイマポケモンに勝てるということがかなり異常なので、8世代においては十分規格外だと言えます。

 

余談ですが、バトルレジェンドというルールだからこそガラル禁伝の3匹がこの条件に該当していますが、全国基準だとダイマックスポケモンだろうと余裕で削り取れるカイオーガも参入したら同じような性質になると思っています()。

 

 

3.ダイマックスポケモンの要件

となるとダイマックスエースとして使うポケモンの流行は必然的に上記3匹・・とくに目に見えて性能が頭一つ抜けてるザシアンに何もできないようなポケモンは絶対に採用してはならず、対ザシアンに対する答えを持っていることは必須要件と言えます。
禁伝が鋼に偏ってることも相まって、普通のルール以上にリザードンやレシラムみたいな炎タイプやドリュウズみたいな地面タイプ、ソルガレオ、黄昏ネクロズマといった
巨獣斬に抵抗をとれる禁伝をダイマックスエースとする構築が多くみられました(レシラムやリザードンはムゲンダイナに勝てないのでそこだけ気を付けないといけませんが)。
ただし上記ダイマックスエースを選定することでザシアンに対して強いというよりは、弱くなくなったという方が正しいと思っています。
というのもザシアンはS種族値148というドラパルトですら抜けない無茶苦茶な素早さを持っており、上記ポケモンに対して上から巨獣斬を1発は打てるのでダイマックスしてようがしてまいが少なくて4割、多くて6割削り取る力があるわけです。

なので、ザシアンの突破に成功したとしてもとても軽傷で済むとは思えません。
この中でザシアンの上をとることができる砂かきドリュウズも、炎が強いなら弱い理由が一ミリもないガオガエンの威嚇との組み合わせでダイアースを耐えられて事実上のタイプ一致インファイトを貰ってしまうので、こちらも被害は大きくなってしまいます。
そして何よりの問題は、ザシアンがダイマックスを切れない以上ダイマックスエースを別に用意しているので、ザシアンによって疲弊したダイマックスポケモンがさらに別のダイマックスエースとも戦わなくてはならず強いポケモンからの圧力がずっと消えないままとなってしまいます。
ザシアン側からすればザシアンはエースでもなんでもなく、本命のダイマックスエースを通すための場荒らし役程度の役割であることもザラであり、今回の自分が選定した構築もその考え方になっています。
以上から、ザシアンに対抗する際はザシアンに勝てればそれでよいという考えに留まらず、その先にいるダイマックスエースまで見据えなければなりません。

 

 

4.今回選択したコンセプト

というわけで今回セレクトしたのがザシアン+アシレーヌセキタンザンの組み合わせで、3で話題に挙げたザシアンの持つ強力な圧力の話をそのまま利用した形になります。

まず強い禁伝が鋼に偏る+それらに対抗する炎タイプが多いという関係上セキタンザンはタイプ的側面から分かりやすくどちらにも有利です。
最もこのルールで要求される対ザシアンですが、コンボ成功時はザシアンの上をとることができるので、3で上げた流行のザシアン対策を比べるとザシアンに素早さ制圧されにくいという強みがあり、最悪巨獣斬1発は耐えられるのでコンボ失敗のパターンでも下から動いて炎技をぶつけることができます。

そもそもザシアン自体がセキタンザンにとって最も欲していた理想的な相方であり、その理由は以下となっています。


・先が見える状態まで我慢してからアシレタンザンのコンボをしたいとき、今まではダイマックスなしで逃げるのがかなり窮屈だったが、ザシアンは非ダイマダイマポケモンに勝てるのでノンストレスで待つことができる。
・アシレタンザンのコンボ妨害となる指持ちの多くがフェアリータイプなのでザシアンで早期に処理ができる。
・相手目線でザシアンに対してヘイトが向かいやすい関係でアシレーヌと並べてもアシレーヌが狙われにくく、前のめりな動きをしながらスムーズにアシレーヌとセキタンザンが並ぶ。

 

この3つを綺麗に達成できるのは、一般ポケモンでは存在しないと思っていて、セキタンザンにとってザシアンは相手にして勝てるし味方にして相性も良いと、ザシアンが強ければ強いほどに動きやすくなるポケモンとなっています。

 

 

5.構築全体の特徴

とにかく防御面の補完よりも攻めの流れを綺麗にすること意識しています。

受けの話だけを見るとそれこそ地面がすごい勢いで一貫しているのでダイアースがポンポン飛んできますし、リザードンの炎飛行地面の範囲も流すのが窮屈です。

しかし、ザシアンの素の耐久の高さやガオガエンの威嚇をうまく組み合わせると地面技による一撃突破を回避することができるため、序盤は削られても死ななきゃ安いの精神でザシアンで相手の一貫する技を持ったダイマックスポケモンを削っていき最終的にはセキタンザンで切り返して勝ちにいくことができます。

また、対リザードンはウーラオス+ザシアンというリザードンが動かない理由がないような初手を並べてスカーフ岩雪崩+巨獣斬で倒してイージーウィンする流れなんかもあります。

流石に攻撃防御面両方でこっちの主力ポケモンに耐性を持つ水タイプ中心の動き・・特に雨パは窮屈さを感じることもありますが、アシレーヌで積極的に殴ることやセキタンザンがダイバーンを仲介させると水技1回は耐えることを利用して立ち回ることで切り返すことができます。

また、ザシアンの驚異的な素早さのおかげで、アシレーヌダイマックスさせてダイアタックを連打することで天候や追い風で素早さが上がったポケモンの上をとることもできるようになるので、通常ルールよりハイパーボイスアシレーヌダイマックスさせてもパフォーマンスが高い動きができる対戦も多かったです。

 

 

6.最後に

今回は剣盾が始まって以来久しぶりに新ルールに対して一発目から自分で考察して好き放題理論を作る立ち回りをしており、かなり想定に近い形で理論を実現させることができたように思えます。

また、ここまで少ない練習量でそこそこ勝ちに持っていけたというのも自分の中ではかなり珍しく、努力量:結果のコストパフォーマンスがとてつもなく高い大会だったように思えます。

勿論努力しないことを良しとしているわけではありませんが、基本的自分はこの努力:結果の燃費がかなり悪いことが多いので、そういう点ではスマートに成績を出しに行けたように感じます。

 

雪原が今週リリースとなりますが、それまでにもう一つWCS2020全体に関する記事も書こうと思ってるので、近日中もう1回ぐらいはブログを更新する予定です。

 

【best32】PJNO使用構築 ジェットトリルバンギラス

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皆さんこんばんは。

6月の27~28日に非公式の全国大会であるPJNOの方に参加させていただきまして、今回day2まで進みベスト32にまで残ることができました。

非公式とは言え事実上の初全国大会で最初からday2まで進めたのはこれまでと比べると本当に大躍進です。

というわけで今回はPJNOで使用した構築の紹介となります。

 

1.概要

バンギラスを中心としてトリックルーム及びダイジェットの両方でサポートをしていく構築です。
INCFebで使用した相互サポートダイマックスと同じようにダイマックスの選択肢が非常に広くて且ダイジェット+トリルという組み合わせという意味でも共通していますね。
あちらはポケモンの平均速度がとても速くて且、初手のダイマックスにかなり特化していましたが、こちらは全体的に低速ではあるものの、それと引き換えにダイマックスのタイミングまでかなり自由になっています。
6月の隠れ特性持ちのガラル御三家およびヨロイ島の教え技などの新規要素に大して強いメタ要素を持った構築であり、行ってしまえばメタビート構築と呼ぶのに相応しいでしょうか。

 

1-1.目まぐるしい環境変化とバンギラスの関係
剣盾環境はシリーズという概念が存在して数か月に1回シリーズが変わるたびに使用可能ポケモンが追加されていくという仕組みな為、環境が目まぐるしく変わっていきます。
そういうわけで短期間でポケモンの評価が簡単に上下するわけなのですが、シリーズの変更による追加要素は基本的にバンギラスにとって都合の良いものがとても多かったです。
これまでのシリーズで例えるならシリーズ2で追加されたキョダイリザードンとキョダイカビゴンはどちらもバンギラスにとって戦いやすい相手でしたし、恐らく6月分の追加に匹敵する変化を与えたシリーズ3の追加要素も、キョダイラプラスフシギバナガオガエン、後は微不利程度のアシレーヌと基本的にバンギラスにとっては特に都合が悪くはない相手でした。
6月に突如解禁されたリベロエースバーンとグラスフィールドゴリランダーは明確にバンギラスにとって不利な追加でしたが、ヨロイ島で追加された教え技のうち特にパワフルなワイドフォースはバンギラスにとって無効で且イエッサン込の2匹のエスパーを構築に投入することが増えたことからバンギラスにとって都合の良い追加と言えました(教え技トータルだと天敵のゴリランダーがグラススライダーを得たのでトントンではありますが)。
以上から鎧教え技込みのシリーズ4はゴリランダーとエースバーンをなんとかできるバンギラス入りの構築を作れば強いと言えて、エースバーンが明確に苦手としているトリルを仕組みに取り込めばバンギラスはエースバーンの前で動きやすく、ゴリランダーはダイジェットという草タイプにとって最大の天敵を仕組みとして用意してあげることで対抗することができるわけです。

 

1-2.トリル起動役について
この構築ではトリル起動役に最もメジャーであるサマヨールではなく、現環境で見ることはないランクルスが採用されています。
今回この起動役に「鋼が弱点ではないエスパータイプ」を要求しました。
まずエスパータイプを起動役として採用したい理由ですが、第一にバンギラスサマヨールではローブシンを始めとした屈強な格闘タイプを流す難易度がとても高いという点が挙げられます。
確かにサマヨールは格闘から打点を受けませんし地ならしでバンギラスとコンボもできますが、結局サマヨール自体が格闘を迅速処理することができませんし、Aが2段階上がったバンギラスでもローブシンを倒せないことが多々あるので結局守るやサイドチェンジ択を何度も当て続けないといけなくなります。
特に今現在ローブシンラプラス入りの構築に採用されることが多く、場持ちの良いラプラスを捌きながらトゲキッスのHPをキープする難易度も高いので、トゲキッス以外にもう1匹明確にローブシンに強い枠が欲しいという話にもつながります。
そして対エースバーンという観点においてもやはりバンギラスに対してエースバーンはダイマして格闘技を打つことでバンギ側からの致命傷を避けることでき、ローブシンと似たような現象が起こるので、ここでもエスパータイプが欲しくなります。
しかしそれならばブリムオンでいいのではないかという話になりますが、ここで引っかかるのがトリルパターンで一緒に出すバンギラストゲキッスは鋼が一貫しているという問題です。
元々トリル起動のマスト対象としているエースバーンはダイスチルを打ってくる可能性もあり、イエッサンみたいなポケモンも採用していない為、単体である程度耐えて起動してもらう必要があります。

つまりバンギラスと併用する以上ブリムオンにはリリバが欲しくなるのですが、トゲキッス側もダイマしない時の運用時やダイマしてエースバーンのジェット→スチルを耐えるために結局リリバが必要だったので、鋼弱点ではないという条件も追加されました。
以上から、実質的にエスパー単色から探すことになり、ランクルスゴチルゼル(勝気)、ムシャーナが候補に上がりましたが、単純な数値が高い、気合玉で悪タイプにも圧がかかる、防塵及びマジックガードでバンギの砂定数が入らず安定しているという3点でランクルスを採用することになりました。

 

1-3.対ワイドフォース性能
最初の概要でこの構築は新要素に対するメタ性能を意識していると書きましたが、その中で特に強く意識してるのが対ワイドフォースです。
戦術としてのパワーが教え技の中で一番高いのもありますが、ランクバトルで環境を調査してた時に上位順位帯またはPJNO出場が確定している人たちがエースバーン+ゴリランダーのような前のめりな構築よりイエッサンを採用したワイドフォース系の構築を好んでいる傾向があった為、PJNO向けの構築としてはこちらを特に厚くした方が正解ではないかと考えました。
この構築はバンギラスガオガエンとワイドフォースが入らない悪2枚構成になっているだけに留まらず、イエッサン抜きにもかからわずランクルスにワイドフォースを採用している為、ワイドフォース系の構築に大変高い耐性を持っています。
つまりは相手がワイドフォースの戦術をとろうとするとワイドフォースが全然通らないどころか、逆にワイドフォースで攻め込まれるという現象が起こり調整中も少なくとも♀のイエッサンに負けることはほぼありませんでした。
ただし♂のイエッサンに関しては封印でランクルスの主力攻撃ごと止められるので、トゲキッスで攻め込むことを意識する必要があります。

 

 

2.個別解説

 

バンギラス
207-195-131-*-124-86
火力
130ダイロック+砂ダメで192-161トゲキッスが落ちる
130ダイロックで177-161コータス1発
A1.130ダイアークで147-200輝石サマヨール81%で1発
A1.馬鹿力で414-131バンギラス81%で1発
物理耐久
ダイマックス込156ウオノラゴンの頑丈顎170エラ噛み耐え
特殊耐久
172水ロトムの帯140ダイストリーム94%で耐え
172水ロトムの珠140ダイストリーム56%で耐え
178ニンフィアの75%ハイパーボイス98%で2発耐え
素早さ
ランク+1で実数129(最速65族+1)
ランク+2で実数172(最速100族抜ける)
ランク-1で実数57(最遅60族-1)

 

構築の軸ですね。
このバンギラスが最も着眼する点は素早さであり、簡潔に言うとダイジェットによるS上昇とトリックルーム下での動きやすさ両方を考慮した速度になっています。
ますダイジェットにおける速度ですが、ランクを一つ上げることでいわゆる最速60族付近を安全に抜かすことができます。またこの付近はトゲキッスロトムがレースしてる素早さでもあるので過剰に振っているロトムでなければダイジェット1回で大体先制が取れます。そしてランクを二つ上げると100族・・つまりはリザードンを抜かせる程度まで上がるので中速以上のポケモンがここで大体抜かせるようになります。
後述するトゲキッスがこのバンギラスのちょうど1.5倍の素早さに設定されていて、バンギラスがn回ジェットを乗せて抜かせる回数+1回分をトゲキッスが抜かせるようになる運用イメージになります。
トリルという観点でいくとある程度Sを振ってる関係で70族付近からが安定して抜かせるラインとなっているので低速60族が密集していない及び危険度が高い60族がいなければトリルを仕掛けることができます。
今回は能動的な地ならしがないので相手から巻き込まれた場合のみとなりますが、実数86はランク-1で57・・つまりは最遅60族-1となりトリルと加速手段を両立している構築ならこの実数86は理想的な数字だと思っています。
残りのステータスは剣盾のバンギラスは可能な限り攻撃が欲しいポケモンなので振れるだけ振りたいところですが、ロトムの前で動かせる可能性を上げる必要もあった為、本当に必要な攻撃を捻出して振れるだけDに振りました。
技は岩雪崩と鬱憤晴らしはバンギラス自体の採用理由と一致するので特に語ることがないですが、馬鹿力の枠は目的に合わせて採用を考える必要があるので書く必要がありますね。
挑発やダイサンダーで欠伸回避できる雷パンチ、ダイアースでDを伸ばしてアシレーヌに居座りやすい10万馬力も考えましたが、この構築はバンギでバンギを殴る必要がとても多かったことや威嚇の下降分を無理やりダイナックルで修正する必要があるシチュエーションも多かったので馬鹿力を採用しました。
持ち物は基本的に周りのポケモンバンギラスを動かすために採用されている為無理なくパワーの高いアイテムである弱点保険を採用できました。
能動的に発動させる手段に乏しい構築である為高頻度で発動するわけでもないのですが、やはりこのアイテムの存在は相手の行動を大きく制限している点とBO3というルールの関係で持っていないことがばれると、以降の試合では躊躇なく動かれることもあると考えた為、発動しないにしても重要な働きとしたアイテムだと思っています。

 

ランクルス
215-*-96-181-119-31
火力
気合玉で185-86ドリュウズ1発
気合玉で202-156ガオガエン2発
95ダイナックルで181-137ナットレイ2発
物理耐久
168エースバーンの珠140ダイバーン耐え
194ゴリランダーのGFウッドハンマー耐え
177ギャラドスの珠130ダイジェット耐え
187ドリュウズの珠130ダイスチル81%で耐え
特殊耐久
195アシレーヌの珠ハイドロカノン耐え
150コータスの75%晴れ眼鏡噴火耐え


この構築のバンギラスを支えるコンセプトの片方であるトリックルームを担当するポケモンで1-2で書いたことがそのまま採用理由となりますね。
サマヨールと違ってトリックルームをした後即座に殴れるので圧力をかけられるターンが長いのも大きな魅力です。
ステータス設定は一番重視したのが物理耐久でエースバーンの前でトリックルームをしてもらいたい以上エースバーンから何食らっても一撃で落ちない必要がありました。
威嚇を絡めることもできるのでギガインパクトまで考慮する必要はないと思いましたが、ある程度の採用率がある火炎ボールまでは威嚇関係なく動けるようにしたかったのでエースバーンの140ダイバーンまで耐えるように振りました。
ほぼ同じラインにゴリランダーのGFウッドハンマーギャラドスの130珠ダイジェットもあるので他に必要な物理耐久も一緒についてきた感じになりましたね。
Cはトリル中の行動パフォーマンスや振り切り部分に素のワイドフォースでローブシン1発ラインがあるのでできれば振り切りたかったのですが、水が一貫しやすい構築な関係でアシレーヌの攻撃は耐えるかどうかで対アシレーヌトリパへの動きやすさが全く違った為、最大打点である珠ハイドロカノンまで耐えるようにしました。
技に関しては1-3でワイドフォースのいいことだけを書いていますがこの技を採用するのにある程度のリスクは払っています。
やはり素の状態だとサイコキネシスとワイドフォースには明確な威力差があり、顕著なのがサイコキネシスローブシンは今回採用したCで倒せるのにワイドフォースはさっき書いた通り振り切りである必要があります。

しかしそれでもパワーがあって且遭遇率が高いというワイドフォースに強くするという点に変えられず、一応ダイマックスしてダイサイコすればフルパワーで打てるので能動的に活用することもできます。
気合玉に関しては技の仕組みの関係で明確に抵抗感を感じる人もいるかもしれませんが、素で打つ場合は即座に破壊力を出さず外してもすぐに負けに直結しないガオガエンだったりダイマックスしてダイナックルとして運用することがあるので見た目ほど高リスクな行動ばかりにはなりません。
特にダイナックルとして運用しているときはバンギのAを上げることができますし、ランクルスエスパー+格闘にバンギの岩の攻撃範囲を組み合わせるとエースバーンが何タイプになってもほぼ弱点が付ける組み合わせにもなるのでやはりエスパータイプが格闘タイプの技が打てるという事実はとても大きいです。
自己再生はエースバーンの不意打ちを回避したりローブシンを倒しきるまで生き残ってほしいという点で重宝するのですが、それ以外だとランクルスにヘイトがたまりやすくて攻撃されやすい関係で再生するより殴り切った方が逆に身の安全を守れるという事態も起こったので変更もありだと思っています。

特に現状はトゲキッスが欠伸連打してるとすぐにトリックルームがうてないという事態にもなっているのでダイサンダーで即時に眠りを回避できる雷の採用もありだと思っています。
持ち物はエースバーンの前でトリルしたいという思想からダイアークを半減できるナモを採用しています。ここも特性マジガにして火炎玉とか持たせられると欠伸回避とかトリックで欠伸カビゴンを簡単に処理したりできるのでうまく組み込めると強いですが今回は時間もなかったですし組み込みの難易度も高い気がします。
特性に関してはランクルスは持っている特性全てが強く大変悩ましい所です。
再生力はランクルスは一度出たら引くことがなくずっと居座り続けるので死に特性になりやすくて没になりましたが、マジガと防塵に関しては価値はほぼ同じです。
防塵はフシギバナの眠り粉を受け付けないという強み、マジックガードリザードンやセキタンザンのキョダイ技の定数を完全に寄せ付けず一緒に採用されているローブシンを安全に狩れる且宿り木も効かないので鉄壁プレスナットレイに圧倒的強さを持つという強さがあります(ただ今構築はランクルス抜きで対ナットレイは完結してるので無理になくてもいい)。
どっち使うかは完全に環境で決めるべきだと思っていて、PJNOだと普通の予選大会に比べてリザードンセキタンザンが少なく逆にフシギバナが多いと判断したので、今回は防塵を使いました。
もし参加する大会がINCだった場合、間違いなくマジックガードを使っています。

 

トゲキッス
191-*-116-158-136-129
火力
130ダイバーンで185-86ドリュウズを87%で1発
75%熱風で185-86ドリュウズ2発
物理耐久
187ドリュウズの130ダイロック耐え
リリバ込187ドリュウズの珠130ダイスチル耐え
特殊耐久
C-1.172ロトムの珠130ダイサンダー耐え
167フシギバナの珠ヘドロ爆弾92%で耐え
150ラプラスの130キョダイセンリツ75%で耐え
S
ランク+1で188エースバーン抜き
最速65族+1

 

バンギラスを支えるコンセプトのもう片方ダイジェットができるポケモンです。
といってもランクルスのトリルサポートも兼ねており、非ダイマ状態の耐久力も強く意識しています。
ダイマする場合エースバーンと殴り合うことを想定している関係でダイジェット1回でエースバーン抜けるところまで振っています。
耐久面は言ってしまえばHPに振ってるだけといえばそうなんですがトゲキッスってHP全振り付近に違和感なく指サポートトゲキッスとして使える必要耐久ラインがものすごく密集していてダイマダイマ両運用する場合はこのHP振りが基本になると思っています。
そして特性と技が従来のダイマ専用キッスとサポートキッスの中間点みたいな構成になっており、ダイマするのにマジカルシャインが不採用であるという部分がかなり特徴的だと思います。
ダイマキッスのダイフェアリー採用最大の意義は言ってしまえばダイマドラパルトに明確に有利な駒が欲しいという部分ですが、この構築はそもそも中心がドラパルトに強いバンギラスが軸なのでマジカルシャイン抜きのサポートキッスでもある程度対ドラパルトは成立します。
特に教え技が鬱憤晴らしが追加されたことで、噛み砕くではできなかった非ダイマ状態で指しながら鬱憤晴らしをドラパに打つことでダイスチルを持たないドラパが致命傷を負ってしまうというシチュエーションを作ることができ耐性も上がっています。
といってもこれはマジカルシャインが不要というのとは別の話で、なくても許容できる及び採用の優先順位が5番目になってしまっただけの話でありマジカルシャインがある方が対ドラパルトは絶対安定するので本当は時間をかけて守るや指がシャインでも問題ないのか検証したかったです。
ちなみに熱風は鉄壁プレスナットレイの詰めを任せていることやキッスが絡む選出はキッスバンギ及びキッスガエンみたいにドリュウズに圧力がかかりにくいパターンが多いのでそれを回避するために絶対必要でした。
特性は完全にダイマ前の性能重視であり、特にエアスラはバンギと一緒に出した時に蜷局ミロの展開を明確に遅らせたりトゲキッスカビゴンの欠伸をダメージを稼ぎながら止めたりできるのでゆっくりとしたゲームをしたい相手に対して大変有効です。また、熱風の火傷も2割なので単純に物理を腐らせやすい点、特にドリュウズ関しては弱点保険持ちが増えてるので保険踏んでも2割でなかったことにできる点も偉いです。
持ち物は1-2で鋼の一環を防ぐ話が出た以上キッスが鋼でワンパンされたくないのでリリバ採用です。一番の目的はエースバーンのスチルで沈まないことですが、ドリュに対して居座って熱風する動きが明確化してるのでそこでも活用します。

 

ガオガエン
201-136-135-*-124-87
物理耐久
A-1.177ギャラドスの珠130ダイストリーム耐え
A-1.168エースバーンの珠飛び膝蹴り耐え
特殊耐久
167フシギバナの珠130ダイアース82%で耐え
素早さ
上限89までで限界まで速く(60族同速勝負に極力勝利する且最遅ミミッキュ未満)


対ゴリランダーとエースバーンを素早さ制御ではなく威嚇という観点から解決を図るための採用です。
この2匹はポケモンパワーが高くて且バンギラスに強いとは言え動きが止まる要素も普通の物理を止める方法で止まるので、こういうわかりやすい威嚇は有効です。
特に対ゴリランダーは単純にタイプ面で有利とってるので特にわかりやすいですね。
といってもこの炎タイプの威嚇というはガオガエン以外にもウインディもいて、剣盾においてガエンとウインディの単純な強さはほぼ同じなのでどちらが適正か吟味する必要があります。
最初はトリルやジェット後神速で打ち漏らしを回避しやすいウインディを使っていましたが、ウインディは水に対して自分の身を守りながら弱体化をさせることが難しくアシレーヌに対しての立ち回り難易度が高いポケモンでした。それに対してガオガエンは捨て台詞で自分が引きながら弱体化を狙えるのでウインディにはできない弱体化と身を守る行為同時にできた部分がまずポイントになりました。
そして、単純にトリル中に環境を有効活用できる素早さで且サポートもできるという点でランクルスの動きに対してガエンがとてもかみ合っていたのでガオガエンの方を採用しました。
ステータス設定は捨て台詞を打ちたい対象がアシレーヌだったりラプラスだったりとガエンと同じ60族に密集しているので、必要な耐久力を捻出して振れるだけ素早さに振る方針にしました。
ただじ、トリル中のミミッキュの上はとりたいので上限は89としています。
物理耐久面が水が一貫するということでギャラドスはある程度意識しないといけないことを自覚している為、威嚇を入れて且雨が降ってないという理想的状況であれば鬼火または捨て台詞を入れに行けるステータスに設定しました。特殊耐久も晴れ系には出しに行くのでフシギバナの攻撃で倒れることは回避したくて素早さ優先で多少の乱数は切りましたがダイアースまで耐えるようになっています。
結果素早さは87となったわけですが、アシレーヌは基本的トリル運用で最遅または振っていても耐久優先でガエンほど余裕を持って振れないことが多いのでこれでも足りると判断しました。
自分のバンギラス+1なのでこのガエンの威嚇合戦で自分のバンギが相手のガエンが抜かせるかどうかが早期的にわかるのも偉いですね。
技は捨て台詞と猫騙しは説明の通り、フレドラは主力攻撃としての採用ですが鬼火の枠は嫉妬の炎の可能性について考えるべきだったんじゃないかと思っています。
採用目的はドラパルトバンギラスに対して腐らない、ギャラドスに対する大幅な弱体化等フレドラで干渉できないポケモンを技1枠で全て解決しようとした結果なのですが、後から詳しく書く通りこの構築かなり命中不安技が密集しています。
嫉妬の炎も試しはしたのですが、その時はオバヒガエンみたいにフレアドライブと枠を争う技だと思っていました。
そのため、フレアドライブ抜きの嫉妬の炎挑発という構成になっておりあまりの嫉妬の炎の火力の低さからすぐ不採用を決めてしました。
特に調整段階ではギャラに対してダイジェットだけではなく自信過剰でも反応することを失念していて、ダイストリーム打たれたら回避されるという思い込みから鬼火の採用から揺らがない状態でした。
ただ結果的に鬼火は鬼火で嫉妬の炎では実現できなかった欠伸カビに早期的に鬼火を入れて砂定数で削ったり放置しやすくするとい動きを実現したので要検証なのかなと思っています。

 

ロトム
154-*-127-155-127-126
火力
ハイドロポンプで207-121砂バンギラス2発
物理耐久
172ドラパルトの珠130ダイホロウ耐え
177ギャラドスパワーウィップ耐え
168エースバーンの一致珠飛び膝蹴り耐え
特殊耐久
172ロトムの珠130ダイサンダー耐え
206ブリムオンの75%珠PSワイドフォース63%で耐え
素早さ
ランク+1で188エースバーン抜き

 

言ってしまえば対水、特にミロカロスアシレーヌラプラスを一番分かりやすく解決してくれるポケモンとしての採用です。
構成もよくある守る悪だくみのオボン持ちで、これが一番水タイプに強いロトムだと思っています。
特に蜷局ミロに対して汎用性を落とさずに解決してくれて且構築内で一貫が激しい鋼に対して1/4抵抗をとっているのでバンギラスと何から何まで相性がいいです。
数値設定はトゲキッスと一緒にダイジェットするパターンが多いのでロトムもランク+1でエースバーンを抜かせる設定値にしています。
耐久もロトムとして違和感がない耐久力を前回のダイマ前提ロトムよりも若干余裕を持ったラインで実現して残り振れるだけCに振っています。
ただ悪巧みなしで動くときCは172きっちり欲しいので本当は少し足りていないです。
といってもこの枠はエースバーンとセットで本当に悩んだ枠であり、詳しくはエースバーンの項で説明するとします。

 

エースバーン
159-184-101-*-96-162
火力
珠ダストシュートで374-95アシレーヌ50%で1発(アシレーヌの珠反動込みで75%)
珠ダイナックルで414-131バンギラス乱数68%で1発
物理耐久
ダイマックス込187ドリュウズの130ダイアース94%で耐え
素早さ
161ウインディ抜き


構築全体がとても鈍足なので、トリルが切れた後やダイジェットする前に完全に制圧された状態を作らないために1匹だけある程度速いポケモンが欲しい故の採用です。
できることならば耐性込みで水に強いことが理想であり言ってしまえばエースバーンみたいな種族値をした草タイプをロトムとセットで運用したかったのですが、残念ながらシリーズ4のプールにそういうポケモンが存在しなかったので実現できませんでした。
バンギキッスランクルスガエンまでは完全に固まったのでロトムを含むこの2スロはインテレオン+ゴリランダー、ロトム+ゴリランダー(速いの条件はスライダーで満たす)、ロトムアイアント(水タイプに大打点+ダイワームで弱体化を狙える)等様々考えてすごいところまで来ると不意打ちができるアップリューまで候補に上がりましたが、結局どこまで考えても速いという条件を満たしたポケモンは不安定なものを除くとドラパルトへの干渉力が低く、それを実現してるのがリベロ不意打ちができるエースバーンのみでした。
従って、エースバーンの代替は存在しないという結論になりロトム+エースバーンの形に落ち着きました。
エースバーンの性能に関しては一応ダイジェットする余地は残していますがとにかくダイマしない時の性能を重視しており、言ってしまえばこの構築のエースバーンは全くダイマしないガオガエンを除いて一番ダイマ率が低いです。
数値設定も意地っ張りでAを限界まで伸ばしておりこの設定値でダストシュートするとなんとダイマックスしたアシレーヌを中乱数で突破できます。
これにより対アシレーヌを耐性ではなく無理やり突破するという形でも実現できるわけですね。
火力を徹底して伸ばすという考えはドラパルトへの不意打ち打点も意識しており無振りドラパルトに2/3程入るのでキッスのダイジェットやバンギの雪崩である程度削れば不意打ち圏内に入り一方的にドラパに制圧されることを防いでくれます。
素早さはウインディまで抜かせるようにして残りを耐久で帳尻合わせるとドリュウズのダイアースをダイマした時最大乱数切りで耐えるようになったのでそこに合わせました。
ただどちらかというと耐久面で重要なのが単純に何かを耐えるということよりHPの定数比率でありこのポケモン一番HPが削れる要素が珠反動と砂反動による定数比率なので、定数面で強い159に設定しました。

 

 

3.課題点

 

1.技の命中率
この構築は恐らく自分が作った構築の中でもトップクラスの技の命中率が悪いです。
ランクルスの気合玉は個別で書いた通り許容できる範疇なのですが、エースバーンのダストシュートとガオガエンの鬼火がとにかくクリティカルです。
エースバーンのダストシュートは流石に代替不可能なので勝負すると決めたのですが、ガエンの鬼火に関しては嫉妬の炎の代替案があったにもかからわず気づかなかったです。
今回本当に短期間で詰めた構築なのでそこまで詰めてられなかったとBO3という性質を含めてちょっと許容した一面もありますが、エースバーンのダストシュートが本番で悪さして特に決勝T1回戦目で初手でダイマしたキッスに狙い打ったダストシュートを外して負け確定に近くなってしまうという事実もあったので、今後の構築はこういうパターンは避けたいですね。

 

2.対珠水ロトム性能
元々見た目の対水がきついと評されやすい構築なのですが、トゲキッスごと一撃で貫通してくる珠ロトムがひたすらにきつかったです。
こっちのロトムの方が速ければよかったのですが、PJNOで遭遇した分はロトムどころか129のキッスですら抜かせなくてひたすらきついゲームを要求されていました。
特に教え技解禁後露骨に水ロトムが減ってランクマッチでそこまで検証できなかったのが痛手でした。
元々この構築はバンギラスは水に強いポケモンだと言い張って使っている面もあったのである程度水に緩い点を許容していたのですが、それならそれでバンギラスの特殊耐久を
もう少し見直してもよかったのかもしれません。
後はやはり時間があればゴリランダーとかをいれて明確にロトムに強いポケモンでどこまで流せるかの検証もしたかったですね。

 

 

4.最後に

今回はヨロイ島解禁から1週間ちょっとで教え技解禁ルールでやるということでとにかく時間がなかったです。

元々自分は環境の序盤で短期間でそのタイミングで強いものを作る技術が大変低く、現に8世代でも一月ほど調査期間を設けてそれから自分の構築を作っていたので、その点からすれば今回は短期間でday2まで進める構築が作れたのはよくやった方だと思います。

実際構築をこの段階でまとめた時も、今回はこれでダメだったら知らないし後悔もしないという割り切りといえばそうなんですけどそういう気持ちになっていました(ガエンの嫉妬の炎だけはちょっと後悔しましたが)。

そして今まで全国大会すら行ったことのないやつが非公式とは言え全国大会しかもday2まで進んだということで本当に過去に比べて成績が良くなったのですが、まだ足りないと思うのが本音です。

確かに進みましたが結局決勝T1落ちですし予選の成績も4-3とギリギリだったので本当は5-2以上ナチュラルに維持して抜ける必要が今後は出てくると思います。

来月には公式の全国大会がありしかもこれもまた環境が激変するのに準備期間が一月と短いので、うまく対応して来月もっと良い成績を出したいですね。

まもみが残飯ドラパルトレポート

 

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今回の記事はパーティではなくまもみが残飯ドラパルト単体にフォーカスを当てた話です。

シーズン6の間ずっとこのまもみが残飯ドラパルトを使っておりましたが、長いこと調整した割には大きな成果を得られずこれ以上をこのドラパルトを詰める時間は割けないということで、ここまで考えた中身をまとめることにしました。

ブログのトップに貼っているパーティをベースにした話をするとは言え、これ自体はあくまで現時点での一番完成度が高い構築に過ぎず、結論としているわけではありません。

 

 

■ドラパルトの単体ステータス

ドラパルト単体の話なので、まず単体のステータスだけは軽く紹介します。

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火力

130祟り目で197-101ウインディ2発

130祟り目で157-128ロトム2発

物理耐久

ドリュウズの珠130ダイアース耐え(+砂は50%で耐え)

211ローブシンの珠鉄の拳冷凍パンチ75%で耐え

特殊耐久

161リザードンの珠130ダイジェット耐え

S

177アイアント+2、178ライチュウ+1

 

指標は書いてますが実態は優先的に物理耐久と素早さを決めて残りを火力に割いたという感じで実際問題は火力はとれるだけ欲しいです。

物理耐久はドリュウズの前で強気で鬼火を押せるステータスという指標で実態はもう少し落としてもいい気はします。

素早さはリベロエースバーンが来る前の設定値だったのでアイアントまでしか見ていませんが、今使うならば落とした物理耐久を素早さに振ってしまうのが正解だと思います。

 

 

■ダブルにおける電磁波まもみが残飯戦術

この戦術はダブルバトルにおいて第4世代のDP後期からクレセリア+サンダーの形で普及した大変古い歴史を持った戦術です。
5世代中期以降は電磁波の撒き役がクレセリアからボルトロスへと移行し、6世代ではまもみが残飯する役がギルガルドに変わったりと時期によってポケモンの種族も切り替わっていきました。
自分も4世代~5世代はクレセリア+サンダー、前回紹介したユキトドグライオン、6世代においてはギルガルドニャオニクス、もっと古い所までたどれば第3世代の時クロバット+サンダーと7世代以外はその戦術が組み込まれた構築を使っていました。
ただ流石に7世代は麻痺の仕様変更と悪戯電磁波を封殺するカプ・テテフ、そもそも麻痺自体を封殺するカプ・レヒレとそもそも課題が多すぎて組めていません。
8世代においてはメイカー持ちが性能が極端に高くないイエッサンとそもそもミストメイカーが採用されないガラルマタドガスしかいないので戦術を通す余地があると考えて、組み始めました。

 

 

■まもみが残飯ドラパルト単体の強み

このまもみが残飯戦術をドラパルトにやらせることには大きく二つのメリットがあります。

 
1.ダイマックス技の能力下降効果を受け付けない

環境とかそれ以前に仕様面の観点でのメリットですね。

ダイマックス技の追加効果は身代わりを無視する仕様があるので、過去世代と比べて格段に身代わりの中身に干渉されすくなっています。
なので、ダイマックス技のステータス減少を受けないポケモンであることを条件にしていました。
つまりはクリアボディ白い煙ミラーアーマー持ちを条件をして探していたわけですが、耐性とステータス両面で考慮してドラパルトが一番条件に合致しました。


2.鉄壁ボディプレスナットレイととぐろミロカロスに身代わりを壊されない

こちらは環境視点で見たメリットです。

剣盾で強力な詰ませ性能を持ったこの2匹ですが、まもみがドラパルトはタイマンにまで持ち込んだ時逆にこれらを詰ませに行けます。

ナットレイは宿り木持ちは身代わりに一切干渉できない且再生回復がないので極端に時間不足でない限り勝ちが確定します。ジャイロ持ちだったとしても鬼火でナットレイ側の打点が足りなくなるので負けはありません。

ミロカロスは最終的には相手が時間切れを狙って再生されることが多いですが、火傷ダメでターン終了時のHPを最大190しか確保できない関係でドラパのHPをマックスで維持して勝ちを狙うことができ、これが基本ルートとなります。
再生や催眠に合わせて身代わりを張れれば祟り目を連打できる体勢に入れるので勝率が上がります。
ただし、タイマンになった段階でドラパルトのHPが消費しすぎていると回復しきる前に時間切れで負けになるので勝てるかはHP次第になり、本当に勝ち確定の対ナットレイと比べると少し難しいです。

 

 

■まもみが+電磁波戦術のポケモン要件

これは、世代関係なくこの戦術を行う上での基本的なルールです。

麻痺が入らないポケモンに対してまもみが残飯ポケモン+麻痺撒き役の組み合わせで処理ができるまたはこちらが長時間居座ることができるというのが条件になります。
8世代ではこの麻痺が入らないポケモンロトムドリュウズが該当し、ドラパルト目線だとドリュウズは鬼火で対応できますがロトムが悪の波動及びダイアーク連打で押し切られてしまうことが多く横がロトムに弱いと好き放題されます。
上記構築では麻痺役にアイアントを採用することで、ドリュウズとの殴り合いに強い電磁波持ち、ロトムに対しても大ダメージを与えて且ダイワームでCを下げることができるという点で上記2点の問題を解決しています。
また、ドラパルトにとって処理が大変で且致命傷を貰いやすい相手のトゲキッスを高速処理できるので、ドラパルトが身代わり以外のアクションができないターンを少なくできます。
オーロンゲはこの条件を満たしていませんが、単純に悪戯心電磁波という高い信頼性を持った麻痺役、それによりアイアントでは対応しきれないドラパルトに対して安全に麻痺を入れられるポケモンとし2段構えでの採用となっています。

 

 


ダイマックス候補の要件

今回ダイマ候補に絶対欲しい条件がダイマックスリザードンに強いことでした。
この条件自体はそもそもキョダイリザードンポケモンパワーが高いので剣盾でパーティを作る上で重要な要件となりますが、この構築はドラパルト自体がダイマックスができない型になっていることがその重要性を上げています。
というのも、リザードンに強いダイマ枠という要件自体が普通の型のドラパルトが該当するのに、この構築にはドラパルトという種族であって実態がドラパルトではないポケモンがいるので必然的に一番採用しやすい答えを選択しにくくなっているわけですね。
その候補としてギャラドスバンギラスが候補となりましたが、現状ピッピが絡んだドラパルト等にも勝てるバンギラスが最終的に採用となりました。

 

 

■現状の課題
1.対ニンフィアに対する致命的課題

ニンフィアハイパーボイスで身代わりを貫通して攻撃できるので、ハイパーボイスで中身が一撃で倒されてしまう身代わりドラパルトにとってはコンセプトの根本が否定されています。
上記構築は素早さ操作をしてこないのならばアイアントバンギラスで誤魔化せますが、エルフーンの追い風から裏からニンフィアの流れを組まれると基本的に対応不可能になってしまうので極端にニンフィアに強いポケモンが1スロット分欲しくなっています。

 

2.半端な素早さになりやすい問題を完全解決できているのかという疑問

7世代から麻痺のS減少率が1/2になったことで麻痺の恩恵を生かすためにS実数値85~170付近のポケモンを中心に採用する必要があるという事実が存在します。

しかも追い風トリルダイジェットと比べて極端な即効性があるわけでもありません。

そしてこの素早さはトリックルームされた後制圧されやすくて且追い風された相手を抜ききれない速度でもあるので、追い風トリックルーム両方を突破するのに骨が折れるS実数値になってるわけですね。

今は麻痺の恩恵を度外視して極端に遅いサマヨールを1匹採用してトリルへの切り替えしまたは追い風やダイジェットに追いつけなさそうだったらこっちで戦うというプランをとっていますが、動きが振り切れないポケモンでやっているので無理が生じるシチュエーションも少なくないです。

 

 

■経緯

ここに行き着くまでの構築自体の経緯ですね。

構築紹介記事ならこの項目はつけないのですが今回は単体の戦術に対する記事なので書いていきます。

 

1.ギャラドスベース

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ギャラドスをベースとした構築フォーマットにまもみが残飯ドラパルトを突っ込んだ形となります。

これはまだまもみが残飯ドラパルトを使いたいという構想だけあって、上のダイマ候補すら決まっていない時代に作った初期型でじぇらーるさんのギャラドスの構築をコピーして試していた時に上記の要件の対リザードン性能が高いダイマポケモンであることに気づいて弄って作ったものとなります。

実際それ以外の理由としても、ライチュウが行えるサポートがドラパルト目線でもほっすりがかみ合ってること、ギャラドスが苦手なポケモンという観点だと鉄壁プレスナットレイに絶対的な強さを持ったポケモンが採用されているという両方の事実がかみ合っており脳内ではかなり期待値高めでした。

元々のギャラドスの戦術が強いのでこの構築が弱かったわけではないのですが、バンギラスドリュウズをはじめとしてギャラとドラパが単体レベルだと共通して対処が面倒なポケモンを相手するのが案外大変だったこと、ライチュウが麻痺が入らないポケモンの処理ができなくて電磁波まもみがの麻痺巻き役としては課題が多いことから結論にする気は起きませんでした。

 

2.ギャラドスベース2

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 最初のギャラドスベースをもう少しドラパルトに寄せた形になります。

ギャラドスはドラパルトのためにダイマックスしてもらうという側面を強くするために相手を削る速度を上げる、特に手助けダイストリームでダイマバンギラスを貫通させられる可能性がある珠に変更しました。

唯一ドラパルトの型が異なってる構築でもあり、打点が状態異常に依存しにくくて且トゲキッスの処理速度も上げるためにこの構築だけはドラパルトの型を鬼火祟り目ではなくシャドーボール+10万ボルトにしました。

また、ライチュウからトゲデマルに変更することでバンギの砂で襷が壊れなくなり、麻痺まできっちり撒いてもらうことやアイアンヘッドバンギラスもある程度削ってもらう等よりドラパ向けの麻痺まばらき役のサポートに変貌しました。

ただそれでもロトムドリュウズを止められない問題は何も解決してないですし、そもそもギャラも少し対処しやすくなっただけでバンギラスドリュウズの処理が大変なのは変わらず根本的な課題は残ったままで勝率は1の構築とそこまで変わりません。

そもそもギャラドス自体動かすためには結構な盤面の準備が必要なのに、ドラパルトのためにも頑張ってもらうということに無理を感じて、ギャラドスはこういうドラパルトを入れずに単体で考えた方が強い構築ができそうという考えになってきました。

 

3.バンドリドラパキッスベース

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何も難しいことはなく普通のバンドリドラパキッスのドラパをまもみが残飯にしただけです。

元々バンドリドラパキッスのドラパはダイマックス依存度が低めな構造をしているのでこのようなダイマできないドラパルトを採用しやすいと考えたことや、ドラパ目線でのダイマ枠への要求であるリザードンに強いを自然と満たしていることから試していました。

流石にベースがベースなだけに最初回してた時はかなり勝ってたんですが、このドラパはロトムに弱いドラパであるという事実がミラーでものすごく響くことになり、相手のロトムをこっちのロトムバンギラスで処理できなければ負けというゲームが多発することに気づきました。

これでは普通のドラパルトを使った方が最終的な勝率が高いですし、まもみが残飯ドラパルトを使う際の麻痺の撒き役条件を本格的に考え始めたのがこの後です。

 

4.アイアントサザンドラ

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ここにきてようやくまもみが電磁波の要件に沿ったポケモンの採用が始まりました。

アイアントの採用理由は要件の項目に書いた通り、今の構築と違う点はサザンドラトゲキッスの存在でしょうか。

両方ともドラパルトを大きく意識した採用となっており、サザンドラは控え目CS振り切りなので無振りのドラパルトならダイマしてても乱数で突破できる且圧倒的にロトムに強いドラゴンであること、トゲキッスも敵のドラパルトの攻撃を引き付けて且電磁波を入れにいけるポケモンとしての採用となっております。

地味にバンドリ相手にサザンで蜻蛉してドラパに繋げながらアイアントでダイスチルすればドラパへのドリュの被ダメを防ぎながらBを上げるという小技もあります。

今までの構築と比べると格段に電磁波を入れる能力が上がっておりドラパルトの祟り目も腐りにくくなったのですが、トゲキッスが消費しすぎた後に出てきたドラパルトを抑えきれなかったことや鋼技がよく一貫するのでアイアントの隣がドリュウズで縛られていた場合にどうしようもなくなることがたまにあったという課題も見られました。

これが最終的にオーロンゲが入りキッスとドラパやりたいことが圧縮されたことでロトムを採用する余裕が生まれ今の形になりました。

 

 

■最後に

前回の記事でも書いた通り、このまもみが残飯戦術は自分の中でもかなり好きな戦術の中の一つでしたが、基本的に麻痺自体が弱体化してる戦術なのでかなり苦労して調整していました。

一応ランクマッチの順位だけなら最終日以前の段階でこれ調整してる時にメインサブ両方40位以上とかなりの高順位を維持していましたが、よくわからないけどなんか勝ってるという状態が多く続き疑念が募るなか後々メッキが剥がれてきたように感じました。

解決案だけなら脳内にいくらでもあって時間さえあれば試す気もあるんですけど、結局時間は有限であり過去にも似たような状態で調整をし続けてよい結果を生んだことがなかったので一定の区切りをつけて諦めることにしました。